Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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まえがき
「21世紀への母と子を語る」(池田大作全集第62巻)
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わが子を心配して守ろうとするあまり、息子の死を自ら招いてしまった父親――。
これは一つの寓話ですが、今の世の中にもあてはまる警告ではないでしょうか。
「子どものため」と思ってしたことが、かえって健全な成長を邪魔してしまう。親にとって、これほどの悲劇はありません。
子どもは、大きくなるにつれて、さまざまな困難にぶつかります。しかし、そうした困難を、親が先回りして、すべて防ぐわけにはいきません。
親が守りすぎると、子どもの「生きる力」が弱められてしまいます。近年、精神的に“ひ弱”な子どもが増えていると指摘する識者がいますが、原因は、こうしたところにもあるのかもしれません。
子どもは、いつか、一人立ちしていかなくてはならないのです。
「子どもを『幸福にすること』と『甘やかすこと』を混同してはいけない」――これは、ルソーの言葉です。
「子どもを幸福にする」ために大切なのは、どんな試練に出あっても、それに負けない「強さ」と「勇気」を、はぐくんでいくことではないでしょうか。
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二十一世紀へと歩みゆく、すべてのお母さんと子どもたちの幸福を願って、月刊誌『灯台』誌上で、創価学会婦人部の代表の皆さんと語らいを進めてきましたが、本書は、その三冊目となりました。
語らいの中では、お母さんの勝利の体験談が、数多く紹介されています。多忙な毎日に挑戦しながら、懸命にわが子を育ててきた奮闘記です。
そうしたお母さんの多くは、決してめぐまれた環境で子どもを育ててきたわけではありません。早くに夫を亡くしたり、病気と闘いながらなど、むしろ、逆境の中で育児に取り組んできました。
日々の生活の中で戦うお母さんの姿こそ、子どもたちにとって何よりの教育となっていったのです。
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“負けないお母さん”が、“負けない子ども”を育てます。
お母さんの“強い心”が、子どもの“強い心”をつくります。
お母さんの“やさしさ”が、子どもの“やさしさ”をはぐくむのです。
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二十一世紀は、大きな変化の時代となるでしょう。これからの世代は、私たちが、これまで出あったことのない挑戦を受けるかもしれません。
だからこそ、子どもたちに「強い心」と「生きる力」を身につけてほしいのです。
このささやかな一書が、子育てに励む皆さまにとって、“応援の書”となることを願っています。
子どもたちの未来に幸福あれ!
崇高なる母の人生に勝利あれ!
――そう、心の底から祈りつつ。
青葉美しき 二〇〇〇年五月 池田大作
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