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日蓮大聖人・池田大作

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はじめに  

「人間と文化の虹の架け橋」趙文富(池田大作全集第112巻)

前後
2  嬉しいことに、博士との最初の対談集が発刊された前後から、両国の往来は急速に賑わいを増してきた。日本における韓流文化への関心の高まりは、十八世紀に全盛期を迎えた、あの朝鮮通信使の歓迎以来とも言われる。
 国交正常化四十周年を迎える二〇〇五年は、韓日の「友情年」と銘打たれた。
 こうした友好ムードを、一時の過熱に終わらせては、絶対ならない。また、この新時代に逆行するような偏狭な国家主義や人権蹂躙の動きを、断じて許してもならない。
 今こそ、両国の人々が、尊敬の念に根ざした相互の理解と信頼を育みながら、真のパートナーとして、世界平和のため、未来へ向かってともに歩み始める最良の時ではないだろうか。
 その時代変革の先頭に立つのは、青年である。
 若き世代の文化の交流にこそ、国家や民族の壁を超え、歴史の溝をも克服して、心と心を結ぶ力が秘められている。
 だからこそ、どこまでも「人間教育」の潮流を強めていかねばならないというのが、趙博士と私が、この対談で導き出した一つの結論であった。
3   根の深き木は 風に動かず
  花かぐはしく実たわわなり
  源の深き水は ひでりに乾かず
  川をなし海にいたるなり
 これは、趙博士が尊敬される朝鮮王朝の名君・世宗セジョン大王(一三九七年~一四五〇年)のもと、ハングルで作られた長編の詩歌「龍飛ヨンビ天歌チョンガ」の美しい名句である。
 韓日の青年を結ぶ「人間と文化の虹の架け橋」のために、私は敬愛してやまぬ趨博士と御一緒に、一段と、揺るぎなき「人間教育の根」を深め、尽きせぬ「文化交流の源」を深めゆくことを決心している。
 「往く言葉が美しくして来る言葉が美しい」との心を、次の世代へ確かに伝え託しながらーー。
4  結びに、激務のなか、この対談に全魂を注いでくださった趙博士、そしてまた三十八年余にわたって小学校の教師を務められ、博士の同志として偉大な教育の使命を果たされてきた朴喜子パクヒジャ令夫人に、最大の感謝と敬意を表したい。
      池田大作

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