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日蓮大聖人・池田大作

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6 東洋と西洋の自然観  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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2  「共存」「調和」の原理
 池田 中国思想においては、儒家、道家を含め、季先生が言われるところの「文闘」、すなわち自然との調和を説いてきました。
 自然との調和を重視する点については、先ほど紹介した「依正不二」の原理にあるように、仏教も同じです。大自然の営為を尊重しながら、生態系との調和をたもち、共存していく、非暴力的な「共存」「調和」の原理こそ、東洋の自然観の特徴なのです。
 それに対し、近代西洋は、「武闘」、すなわち自然と人間を対立させ、自然生態系を支配することによって、人間の欲望をかなえようとする行き方をとりました。その結果、「欲望」が「貧欲」と化し、それとともに「支配」が、暴力的な「搾取」となってしまいました。
 このような東洋と西洋の自然観の相違については、私が対話した知識人の多くも、関心をもっていました。
 たとえばトインビー博士に、仏教の「依正不二」論についての見解を求めたところ、博士は「”依正不二”の理念が、道義上の義務をともなう宗教的信念として、全世界に受け入れられるよう期待しています」(『二十一世紀への対話』。本全集3巻収録)と述べておられました。
 東西の自然観の相違は、深く東西の文化の”思考法”に根ざしているように思えます。
 そこで章を改めて、「東西文化」の比較思想論に入りたいと思います。

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