Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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3 儒教の”仁愛”と仏教の”慈悲”  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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2  「人間」が座標軸
 池田 「仁愛」のお話をうかがっていて、あらためて思いますが、中国哲学は、つねに「人間」という座標軸から離れませんね。「哲学の目的」を、現実社会を、人間を、どう変えていくかという一点を見すえています。そこに、一つの大きな特徴があると思います。
 これは、北京大学の三度の講演(一九八〇、八四、九〇年)でも、中国社会科学院の講演(九二年)でも強調したことです。
  一九九二年秋、池田先生は中国社会科学院から「名誉研究教授」の称号を受けられ、その授与式の席上、記念講演をされました。
 先生は、東アジア文明の「共生のエートス(道徳的気風)」という概念を論じられ、儒学思想の内容と歴史的役割について、急所を突いた分析と論評をされておりました。
 私も記念講演を拝聴し、たいへん勉強になりました。とくに、周恩来総理を「共生のエートス」の理想的人間像にあげられた部分は、強く印象に残っています。

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