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日蓮大聖人・池田大作

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3 小乗経典と大乗経典の源流  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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2  口授口承が仏典の基礎
 池田 重要な問題です。どうぞご紹介ください。
  季先生はこう論じられています。
 「現在のわれわれの推測によると、仏典形成の過程は、だいたい次のようなものであったはずである。
 すなわち、仏陀本人が何らかの著作を著したのではなかった。この点は肯定できる。しかし、彼がつねに話していた言葉がなかったということはありえない。仏典の中の十二因縁に関するあの経文の一節は、この部類に属するのかもしれない。
 当時は文字で書かれた典籍が無く、経典の学習は、すべて師匠が口授で伝え、弟子がその口授を口承したのである。最初に口授口承されたのは、仏陀がつねに語っていたいくつかの話であったにちがいない。
 なぜなら、これらの話は、一度聞き、再度聞き、一度伝え、再度伝える。このようにしていくと、比較的確実に弟子たちの記憶の中に刻まれ、時間がたって、しだいに仏典の基礎を形成していったのである。
 この基礎のうえに、時代の推移にともなって、一代、また一代と、師匠と弟子がだんだんといくつかの新しいものを加えていったので、編纂し、文字に書きとどめることになると、すでにそれは、比較的大きな一つの書物になっていったのである。
 仏陀本人、および仏教初期のかの大師たちは、みな東部出身であった以上、話していたのは、東部の言葉であり、最初のこの仏典も、つまりわれわれが言うところの原始仏典も東部の言葉で書かれたはずである。そうでなければ、理解することはできない」(「原始仏教の言語問題を再び論ず」、『インド古代言語』〈『季羨林文集』3〉所収、江西教育出版社)
 このような論述は、季先生の原始仏教言語研究の基礎のうえに確立されたもので、池田先生のご意見の有力な裏づけになるでしょう。

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