Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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第1章 使命の人生をともに
「21世紀への母と子を語る」(池田大作全集第62巻)
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母親の豊かさと愛情が子どもの生きる力に
小野里
私の信心の大きな転機になったのも、池田先生の全魂こもる指導をうかがってのことでした。
一九七〇年(昭和四十五年)五月、いわゆる「言論問題」で学会批判の嵐が吹き荒れるなか、東京の日大講堂で行なわれた本部幹部会で、先生は、“創価学会の青年を見てください。一〇年後、二〇年後、この青年たちが立派に成長する姿を”と言われました。
一切の矢面に立たれながら、どこまでも青年を信じ、期待される先生の姿が、涙でかすみました。その時の誓いが、私の人生の大きな支えとなっています。
池田
あの時は、前年の暮れから、強行スケジュールを組み、無理を重ねたため、体調を崩していたのです。その年の四月ぐらいまで、まる五カ月近く、まったく熱が下がらなかった。
しかし、わが身がどうなろうとも、学会だけは絶対に守るとの思いでした。そんな私の心の支えになったのが、同じ「使命」に生きゆく青年たちの存在であり、青年の成長でした。
戸田先生も、私におっしゃっておられた。
「今、私は矢面に立っている。君たちには傷をつけたくない。激しい疲労の連続ではあるが、私は毅然として時をかせぐ。君たちは今のうちに勉強し力を養い、次の時代に敢然と躍り出て、広宣流布の実現をはかってもらいたい。戦いは長い。すべて君たちに託す以外にない」と。
私も、恩師と同じ気持ちです。その思いは、今もまったく変わりません。
久山
今の池田先生のお話をうかがっていて、中国の作家・魯迅の、「生きて行く途中で、血の一滴一滴をたらして、他の人を育てるのは、自分が痩せ衰えるのが自覚されても、楽しいことである」(石一歌『魯迅の生涯』)との言葉を思い起こしました。
先生が沖縄にいらっしゃるたびに、「青年を育てよう」「青年を大事にしよう」と、何よりも最優先で、寸暇を惜しんで、後継の青年たちを手づくりで育てられる姿を目の当たりにし、身が引き締まる思いがします。
池田
魯迅の言葉は、革命に生き抜いた彼らしい表現ですが、その気持ちはよく分かります。
人を育てるという意味では、子育ても同じです。
母親が子どもにわが命を注いで育てていく――それが子どもの生命に感応して、大きく花開くのです。母親の生命の豊かさと愛情は、必ず子どもにとってかけがえのない生きる力となっていきます。
「どうか幸せになってほしい」「使命の道をどこまでも歩んでほしい」と願い、未来を託す思いで接するなかで、母も子もともに、永遠に崩れない幸福を勝ち取ることができるのです。
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