Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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少年  

詩歌・贈言「青年の譜」「広宣の詩」(池田大作全集第39巻)

前後
1   
 おお はるかなる空想の彼方から
 未来の騎馬の姿に輝きながら
 広い荒野を駆けきたる小さき友よ
 金風にますます乱舞する朗らかな君よ
 君らこそ 新しい都へと急ぎゆく
 大いなる 未来からの使者だ
  
 もぎたての果実のように 柔軟な心
 寒暖計のように 敏感な心
 すべてを満身にうけながら
 しかも不正を憎む 日いずるいのち
  
 君たちはるだろう
 漣のはてに 希望の虹がかかるのを
 君らは聴くだろう
 一枚の木の葉にも脈打つ光の鼓動を
  
 君たちよ!
 君たちよ!
 温かくして強い魂の波動で
 生きとし生きる すべてに応答しながら
 溌剌たる青竹のように
 鋭く 天空を刺し貫いて
 あくまでも 真っ直ぐに伸びたまえ
  
 君は未完成の彫塑といってよい
 あらゆる自由の造型への世界を秘めながら
 やがて 人生の舞台へ
 さっそうと登場するのだ
 しみいるような 純白のキャンパスに
 来る日も 来る日も
 自分らしい青春の金文字を
 胸ふかくろくしたまえ
  
 夏空にうかぶ 白い雲に叫んだ
 その声は いつの日も
 気圏きけんこだましつづけているだろう
  
 凍てた夜の 星座に誓った
 あの祈りは いつの夜も
 満天に結晶して きらめくにちがいない
2  少年の日々に
 心に刻みつけた いくつもの憧憬おもい
 君たちよ
 水の流れの如く いつまでも持続したまえ
 君がやっと摑んだ この真実の核は
 暗夜の海に 清冽な光を放ちながら
 不滅の灯台と輝くにちがいない
  
 君よ 君たちよ
 波にむかう船出の日は近い
 人生の航路の海は荒くとも
 あかあかと ひとり胸に燃えゆく
 理想の炬火たいまつは 消すべきもないだろう
  
 ああ いつの日か
 世の陰惨に触れずにはすむまい
 汚れなき生命に
 悲哀を味わうこともあるだろう
 けれど君よ
 君たちよ――
 どれほどの圧迫をうけようとも
 あの日の いとけない双頬そうきょう
 大人びた影は射しても
 心にかげりなき君であってほしいのだ
  
 君よ!
 君は 限りなき創造の世界の王子
 どんなにり立った岩に行きっても
 挫折などという言葉で
 甘美に 自分を慰めてはならない
 ただ一人 渾身の力で 現実を
 くやし涙で極限に挑戦しゆくことだ
  
 荒波に揉まれるがいい
 絶壁をじ登るがいい
 炎熱の日々に汗を流すがいい
 休息を知らぬ若き不撓の力で
 自らねがったいばらの道を切り拓くがいい
3  その瞳は 純粋な生命の小窓
 透明な精神の鏡を
 歪んだ才知の濁りで曇らせてはならない
 無辺に変わりゆく社会を直視しながら
 凛冽りんれつの怯まざる行進を続けたまえ
  
 雛鳥もやがておおとりとなる
 ああ その羽搏はばたきが大空をおおう時
 なべての継続の辛労は昇華され
 ものみな人間勝利の歓喜に包まれて
 高らかに凱歌を歌うにちがいない
  
 未来の人類たる君よ!
 君の心に のなかに
 小さな世界は 君たちの庭園
 近い未来は 君たちの所有
 そのにぎやかな前途を
 僕は心から祝福したいのだ
  (1971.9.30)

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