此の文は本来相即の三身の妙理を初めて覚知するを求無上道とは云うなり所謂南無妙法蓮華経なり。
法師品
此の文は我等が一念の妄心の外に仏心無し九界の生死が真如なれば即ち自在なり所謂南無妙法蓮華経と唱え奉る即ち自在なり。
宝塔品
此の文は持者即ち円頓の妙戒なれば等妙二覚一念開悟なれば疾得と云うなり所謂南無妙法蓮華経と唱え奉るは疾得なり。
提婆品
此の文の心は三惑の全体三諦と悟るを変と説くなり所謂南無妙法蓮華経と唱え奉るは三惑即三徳なり。
勧持品
此の文は色心幻化四大五陰元より悪習なり然るに本覚真如は常住なり所謂南無妙法蓮華経なり。
安楽行品
此の文は元より常住の妙法なる故に六道の生滅本来不生と談ず故に起滅無し所謂南無妙法蓮華経本来無起滅なり云云。
涌出品
此の文は一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり。
寿量品
此の文は万法を無作の三身と見るを如実知見と云う無作の覚体なれば何に依つて生死有りと云わんか。
分別功徳品
此の文は一切の万行万善但一心本覚の三身を顕さんが為なり、善悪一如なれば一心福とは云うなり所謂南無妙法蓮華経は一心福なり。
随喜功徳品
此の文は、一切即妙法なれば一心の源底を顕す事甚妙無外なり所謂南無妙法蓮華経不思議なり。
法師功徳品
此の文は一心静なる時は入禅、一心散乱する時は出禅、静散即本覚と知るを悉く知るとは云うなり所謂南無妙法蓮華経は入禅出禅なり云云。
不軽品
此の文は法界皆本来三諦一心に具わる事を顕せば己心の念念仏に値う事を即ち世世値仏と云うなり所謂南無妙法蓮華経是なり。
神力品
此の文は十界各各本有本覚の十如是なれば地獄も仏界も一如なれば成仏決定するなり所謂南無妙法蓮華経の受持なり云云。
囑累品