Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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ムカパ大統領 タンザニアの「ミスター・タフガイ」

随筆 世界交友録Ⅲ(池田大作全集第124巻)

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4  自然の根源と通いあう「生命の文化」
 「アフリカはいつも何か新しいものを持ってくる」(アリストテレス)
 管理社会の日本が”黒ずくめの制服の一団”を連想させるとしたら、アフリカは”色とりどりに原色が跳ねる”カラフルな世界であろうか。
 そこには、近代文明が失った「生命の躍動」がある。傷つけられでも、搾取されても、侮辱されても、はつらったる〈人間讃歌〉を歌い続けた人々の心臓の鼓動がある。
 「人と人のつながりとそ人生だ」と信じる温かい文化がある。
 貧しくとも分かちあい、何もなければ微笑みだけでも分かちあおうとする心がある。
 さまざまな矛盾や多様性を、ゆったりとしたくつろぎのなかに包みこむ広がりがある。
 自然の根源のリズムを肉体に感じとる感受性が生きている。
 そういうアフリカの〈生命の文化〉は、二十世紀の音楽と美術に衝撃を与え続けてきた。芸術の世界は、いつも社会総体の先駆けである。二十一世紀の地球文明は、アフリカに学ぶ世紀かもしれない。
 トインビー博士の確信に満ちた声を私は思い出す。
 「われわれ人類の祖先は、東アフリカのどこかで、初めて人間として出現したと信じられています。したがって、東アフリカに生まれる未来の世代は、もう一度、人間生活における中心的役割を演じることになるかも知れません」

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