Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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レスター・サロ一博士 「実社会に貢献する経済学」を志向

随筆 世界交友録Ⅲ(池田大作全集第124巻)

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8  「宗教に”人間向上”の力がある」
 ゆえに、私はSGIがめざすものも「人間革命による創造的社会の建設」であることを、サロー博士に申し上げた。
 「ローマ・クラブのぺッチェイ博士と語りあったさいも『二十一世紀へ今、必要なのは、人間革命である』と一致をみました。
 この急速な変化の時代にあって、変化のスピードに負けず、むしろ『変化を先取り』しなければならない。そのために、どう自分を変えていけるのか。これが今、問われていると思います」
 博士は言われた。
 「資本主義の社会は、あるがままの人間を受け入れます。そのため人は、向上心をなくしてしまうことがある。
 しかし、宗教には『人間を向上させる力』があります。『人間は、より良くなれるんだ』ということを、宗教は資本主義社会の中で教えるべきです」
 私も、博士とともに、こう叫びたい。
 冒険者たれ!
 探検家たれ!
 そして、二十一世紀に探検すべき「未知の世界」は、何より人間自身の中にあるのだ。
 人間自身の中から、どれだけ「慈愛」を引き出し、「智慧」を引き出し、人の幸福に尽くすことを幸福とする生き方を、社会に定着させていけるか。
 新世紀という山は、「恐ろしい危険」という谷底と、「すばらしい未来」という山頂と、両方をもっているのである。
 厳しく、そして、おもしろい時代が始まった!
 アメリカの一ドル紙幣には、ピラミッドが描かれている。ピラミッドの頂上は、なぜかか宙に浮いている。
 サロー博士が言った。
 「これは、『これから何でも建設できる』という”希望”を意味しているのです!」

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