Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

ロートブラット博士 「核兵器在くす」ために行動するノーベル平和賞受賞者

随筆 世界交友録Ⅲ(池田大作全集第124巻)

前後
4  「人類の絶滅」か「戦争の絶滅」か
 ロートプラット博士は、大阪での語らいの後、芳名録に、こう記帳された。
 「核時代においては、二つに一つの選択しかない。人類を絶滅させるのか、それとも戦争を絶滅させるのか」
 歴史家トインビー博士も強調しておられたが、少なくとも「ヒロシマ以後」は、武力による平和という概念は幻想でしかない。戦争に勝者も敗者もなくなったのだから。
 しかも今、核物質の流出や、小型核兵器の製造の危険も高まっている。通常兵器も、核に近い破壊力に近づいている。
 真の安針保障のためには「戦争を不可能にする」制度を生みだす以外にない時代に変わっているのである。
 「平和のためには戦争の準備を」。これは、十九世紀的なハードパワーの発想である。
 「平和のためには平和の準備を」。これが、二十一世紀的なソフトパワーの発想である。
 平和とは「武力バランス」ではない。平和とは「人間性の開花」なのだ。
 そのためには、文化で心を耕し、教育でヒューマニズムの種を育て、人間的交流で各国に友情の橋を架けることだ。
 「人間性以外のものは、すべて忘れよ!」「正しい戦争も、正しい殺人もない!」
 二十一世紀の礎石には、この思想を置くべきではあるまいか。
 そうでなければ「史上最高に人を殺した世紀」二十世紀から、何を学んだと言えようか。

1
4