Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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第83回本部幹部会 広布の使命達成へ

1967.2.26 「池田大作全集」第3巻

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1  大変に寒い二月度に皆さんの活躍によって、十四万世帯以上の人々を折伏することができまして、心から敬意を表するものであります。(拍手)
 衆議院議員選挙で大勝利を博し、それに引き続いての二月の戦いで、これだけの前進をすることができました。皆さん方が、御本尊から大称賛されるべき地涌の菩薩であることは、間違いない証拠であると確信いたします。これからも、御本尊から賛嘆されて、大功徳を湧現していける人であっていただきたい。これからの統一地方選挙、また会長就任満七年の行事についても発表がありましたが、この三、四日は、どうか、十分に休養をとって、一家だんらんの時をつくっていただきたい。それからまた少しずつ、次の戦いへの駒を進めていこうではありませんか。(拍手)
 なにも、幹部のために学会活動をするのではありません。会長のためにするのでもない。学会のためにするのでもありません。日蓮大聖人の弟子として、広布の使命達成のために、また自分自身の幸福のために実践していくのです。、皆さん方は、最高幹部として責任があり、その使命を果たす実践をしていかなければ、広宣流布は成就できません。しかし、ここしばらくは、休養していただきたいのです。長期戦ですから、体を大事にし、一人の事故もなく、常識豊かに、ゆったりと進んでいってください。(拍手)
 この寒い日に、別に愉快な話があるわけではないのに、電車賃を使って集まり、長時間、話を聞いております。こんな不思議な団体はない……。(笑い)それでいて、少しもあきるわけでもない。(笑い)世間の娯楽であれば、同じことを続けていれば、必ずあきてしまう。ところが、学会活動だけは絶対にあきない。(笑い)たまに横着して家にいるとかえってあきてしまう。(笑い)実践すればするほど、歓喜がわいてくるのが妙法です。これが大宇宙のリズムに合致した、真実の信仰、世界最高の宗教の実相であります。(拍手)この正法が、末法万年、尽未来際まで栄えていかないわけはない。この正法を持った人が、釈迦、天台、伝教の予言のごとく、日蓮大聖人の予言のとおりに、栄えていく人生、勝利に進んでいく人生行路を送れないわけは絶対にないと、私は断言しておきます。(拍手)
2  きたる五月三日に、おかげさまで、会長就任満七年の総会を迎えることができます。その総会が終わりましてから、五月十四日に、ハワイ寺院、およびロサンゼルスの寺院の入仏式のために、猊下をご案内して行ってまいりたいと思っております。この入仏式には、代表が参加いたすことになっております。昨年一月が第一回、同八月が第二回で、今回は第三回の海外指導にあたります。特に、今回の参加者は長年、学会の陰の力として活躍してこられた方々を選んで、その功労に報いるために参加していただくことになっております。御書に「陰徳あれば陽報あり」と述べられているように、私は、陰でコツコツと広宣流布のために活躍してこられた方々を、特に大事にしていきたい。
 どうか、皆さん方も、陰で地道に活躍しておられる同志の方々を、最も大事にして、あらゆる点で激励し、包容していっていただきたいのであります。(拍手)私どもの戦いは、表面に立って戦っているか、陰で戦っているかの別ではなく、あくまで、その人の信心によって、因果の理法によって、成仏が決定される世界であります。これが「三千羅列して厳しきなり」という、仏法の真髄の原理であり、方程式であります。たとえ、国会や都議会や地方議会等で活躍しない人であっても、立派に信心に励んでいれば、御本尊が全部見通しであり、必ず陰徳は陽報として、その人に御本尊の称賛があります。そして厳然と生活のうえに、一家のうえに、子孫末代のうえに、大功徳が現れてくるという確信をもって、まじめに堂々と広宣流布のために、戦っていただきたいのであります。(拍手)
 次に教学試験について申し上げます。例年、十二月から一月にかけて行なってきましたが、衆院選があったために、今回はやむをえず延期いたしました。本来なら、教学試験については、たとえいかなる選挙があっても延期すべきではなく、その前例をつくってはならないと思っておりました。あくまで、教学は、日蓮大聖人が「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず」と申されているとおり、仏法の根幹であります。選挙もまた大事であります。そのほか王仏冥合への多角的な活動もたしかに大事であります。しかし、それよりも大事なのは、それらを動かしていく源泉である仏法であり、学会であります。
 ただ、今回は初めての衆院選で、王仏冥合の大事な開幕の戦いであり、力を分散してはならない時でありました。もしも敗れてしまったならば、広宣流布の前進を大きく遅らせてしまう。そのために、やむをえず教学試験を延期したしだいであります。しかし、間違った前例をつくってはならないと思い、大聖人の金言に照らして、私は、全教学部員を代表して、教授の試験だけは行なっておきました。いかなる時代でも、教学の試験を実施していくという実践の歴史と、基本と、伝統だけは残したつもりであります。(拍手)したがって、教授補以下の昇格試験ならびに任用試験を、今度の統一地方選挙が終わったあと、六月に一斉に行ないたいと思いますけれどもどうでしょうか。(拍手)
3  なお、東京の創価文化会館は、九月から使用を開始する予定であります。そこで、皆さん方におはかり申し上げたいことは、きょうのこの本部幹部会を見てもわかるとおり、すでに大幹部だけで一万九千数百人もおり、会場にはいりきれない状況です。したがって、本来の本部幹部会の方式から、若干、内容が変わってきてしまいました。すなわち、いままでは、大幹部会は本部で別に行ない、本部幹部会は、大幹部と地区部長・地区担当員、ある場合には班長・班担当員まで出席して行なう幹部会であったわけですが、大幹部がふえて、それができなくなってしまいました。そこで、一つの案として、九月か十月ごろから文化会館、ならびに本部の広間を使って大幹部会を行なう。これで伝統の本部幹部会の形式をたもっていきたい。このようにしたいと思いますが、いかがでしょうか。(拍手)
 文化会館の建設に続きまして、地方の会館も、五百会館を目指して、着実に進めております。全部、皆さん方にさしあげます。皆さん方が、広宣流布の戦いがしやすいように、仏道修行がしやすいように、また後輩の指導に活用できるように、その精神で設置いたしております。したがって、建て物が数多く建設されたために、かえって形式主義に流れ、信心が惰性になって、建設精神、開拓精神を忘れるようなことになっては絶対にいけない。あくまでも、強い純粋な信心に立って、折伏と人材育成を、まっしぐらに進めていくための会館となし、また本部としていっていただきたいのであります。「味方をつくれ、自分をつくれ、さらに人材の城をつくれ」――これを合い言葉にして、前進してまいろうではありませんか。(拍手)
4  次に都知事選について、私どもの同志のなかから候補者を推薦できる新しい時代にはいりました。また知事候補ばかりでなく、学会には、コツコツとまじめに信心を貫き、人格といい、国際的な見識といい、立派な人材が雲集しております。民音の代表理事、創価高校の校長、創価大学の学長、衆参両院議員等に次々と登場してくることになるでしょう。
 選時抄の立ち場から考えて、広宣流布の機が熟している今日、仏法の哲理に照らしても、それぞれの分野に多くの人材が雲集することは、当然の法理であります。否、地涌の菩薩が出現しなければ、広宣流布はできないのです。したがって、人材も尽きるところがない。永久に発展に発展を重ね、前進に前進をしていけるのは、われわれだけであるという強い強い確信をもって、私と共に、安心して、未来を指して邁進していっていただきたいのであります。(拍手)
 それに比して、他党では人材がいないため、あちこちに頼み歩いて、やっと決めたような状態であります。いかに党の内容が貧弱であるかということを、天下にさらけだしたようなものです。社会党は共産党と共同で、一方、自民党は民社党と共同でそれぞれの候補を推すということになりました。なかでも民社党は新宗連が後押ししております。彼らは、われわれの王仏冥合について「宗教が政治に進出することは何事か」といいながら、彼ら自身が政治権力と宗教の妥協を行ない、きわめて非民主的な姿を示しています。特に民社党は公党として、また社会主義者として、考えられない振舞いであると思う。しかも、自民党と手を組んだことによって、自ら“第二自民党”であることを認めたことになのではありませんか。これで中道政治は公明党にしかないことが明確になったのです。(拍手)
5  実際、今回の戦いにおいては、どちらが勝っても、都議会公明党の二十二人によって、都民のためにどのようにでも都政は運営できるということを確信しきっていただきたい。したがって、中道政治は公明党だけができることが明確になり、民社党はみせかけの中道であり、日和見主義にすぎない中道であることが、天下に実証されたといえましょう。また自民党はただ勝ちたいというだけで、東京都知事にはどのような人物が適当であるか、というようなスジの通った正しい考え方ではない。平然と節度を曲げ、勝ちさえすればよい、人も政策も問題外だという考えでは、公党として、第一党として、あまりにも無節操であり、無責任であると思う。しかも、この決定をくだしたのは首相であった。これでは日本の民主主義の前途は暗たんたるものといわざるをえない。どうしても創価学会が前進して、日本の救済をする以外にはない。仏法民主主義で真実の平和を確立する以外に断じてない、と私は訴えたいのであります。(拍手)自民・民社が結託し、社会・共産が結託し、そして公明党と、この三者で対峙した様相は、まさに三国志となったのであります。その次が、われわれの勝利でなくてはならない。今度の都知事選で勝てるかどうか、それはわからない。しかし、全力はあげてみようではありませんか。(拍手)
 ただ、私が申し上げたいことは、最後の勝利は間違いないということです。仏の御金言に照らして、最後の最後まで三国志の次の勝利は、必ず私どもの手に収められるという強い確信と信念と希望と団結とをもって、勇猛邁進してまいろうではありませんか。(拍手)われわれの勝利は、真実の民主政治確立のための勝利であり、中道政治実現のための勝利であります。したがって水魚の思いをなし、異体同心の団結をもって、一日一日を楽しく、朗らかに、そして着実に戦いきっていただきたいのであります。
6  次に統一地方選挙について申し上げます。四月の統一地方選挙については、衆院選という大きいヤマを越え、再び大変苦労をかける戦いになるとおもいます。しかし、次の七年への前進を考えたときに、どうしてもこの統一地方選挙においても、磐石の体制を固めて勝っておきたい。地方選の場合には、ややもすると楽観的になりがちです。衆院選のときのような真剣さを失う危険があります。衆院選で勝ったために油断する恐れもあります。だが、油断は大敵であり、安易な考えは全く誤りです。地方議会こそが、最も民衆の生活に直結した政治であり、民主政治の土台であります。ピラミッドのごとく、最も底辺を磐石にしておかなかったならば、強い永久的な勝利の基盤はできえない。大衆福祉の実現、真の民主政治の確立を目指すわれわれにとっては、地味ではありますが、この統一地方選挙こそ、国会の選挙以上に重要な戦いの場であると自覚して、進みたいと思うのでありますけれども、いかがでしょうか。(拍手)
 次の衆院選、また参院選のことを考えましても、地方選の勝利がどれほど強い、深いクサビになっていくかわからない。今度の地方選で、公明党の実績が証明された場合には、それは名実共に、次の衆院選で第三政党に躍進する、因果倶時の勝利であることを自覚していっていただきたいのであります。どうか油断することなく、それぞれの分野で力を発揮し、団結を固め、広宣流布のために、全学会員のために、全民衆のために、自分自身のために、勝っていただきたいことを、心からお願い申し上げるしだいであります。(拍手)
7  御義口伝下に、法華経の結教のなかの「正法をもつて国を治め人民を邪枉せず」と。すなわち、釈尊も「正法を以って国を治む」と述べ、天台も立正安国の方程式を述べています。いま、われわれが掲げて進む日蓮大聖人の立正安国の法旗こそ、三千年来の東洋仏法の真髄であり、過去幾多の賢人、聖人の大願であります。なかんずく「正法を天下一同に信仰せば此の国安穏ならむ」の文は、きわめて重要なことであります。
 どんなに公明党が発展しようが大学ができようが、民音が世界的になろうが、学会組織が拡充されようが、幹部がふえようが、正法を天下一同に信仰するとの原理に符号しなかったならば、この日本の国は安穏にならないのであります。これが、大聖人の究極の御金言であり、原理であります。信心こそ個人の幸福のみならず、一国の宿命転換の根本であります。そのうえに立っての政治であり、経済であり、教育であり、一切の文化の繁栄であります。それが王仏冥合であり、立正安国であります。
 誰がなんと批判しようとも、この仏法の方程式、また、時代の趨勢だけは、どうすることもできない。この確信をもって、仏法民主主義の確立のために、王仏冥合実現のために、私どもの時代に実現させるという気概をもって、威風堂々と三月、四月を戦いきってまいろうではありませんか。

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