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日蓮大聖人・池田大作

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第76回本部幹部会 陰の人を暖かく激励

1966.8.27 「池田大作全集」第3巻

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1  皆さん方のご努力によりまして、八月度も、折伏数は七万七千六十世帯という偉大なる結果を出すことができました。今日よりはさらに秩序ある、着実なる前進をしきって、日本の夜明けである王仏冥合の新しい政治体制をつくって、社会の繁栄を成就するために、衆院選に向かって、堂々と進んでいきたいと思うのであります。(拍手)
 理事室ならびに、最高幹部、大幹部等々の組織も、今回の拡充で、完璧となりました。あとは、衆院選は、一説によれば十月、またある説では来年の一月ともいわれ、いつになるかわかりませんが、私どもは満を持して、この二、三か月のあいだに、完璧なる基盤の総仕上げをしておきたいと思います。私は、いままで、あまり衆院選のことについては、申し上げませんでした。しかし、現今の政界汚職事件をみるにつけても、どうしても創価学会の力によって、日本の国に第三勢力を打ち立てなければなりません。私たちの団結によって、立派な、安定しきった国をつくろうではありませんか。(拍手)
 最初に申し上げたいことは、学会活動においては、あくまでも常識豊かであっていただきたいということであります。特に、後輩に対しては、ていねいな言葉づかいをもって接していただきたい。御本尊の力によって、日蓮正宗創価学会の力によって、私たち幹部を、後輩の人たちは尊敬してくれております。それを自分の力で偉くなったなどと錯覚を起こしてはなりません。権威主義、役職主義になって学会員を見下したり、威張るようなことがあれば、それはもはや民衆の味方ではありません。それでは信心の団結とはいえないし、真実の民主主義、すなわち仏法民主主義とはならないのです。むしろ幹部になれば、それだけ責任が重くなったことを自覚していただきたい。
 きょう、この会場にくる途中、私たちの前を、議員が乗っている車が走っていた。私は常に幹部に対しては、陰で働く人を大事にしてもらいたいと、いってきております。ところが、その車に乗っていた議員は、整理にあたっている青年部員がおじきをしても、あまり自分のほうはおじぎをしない。おじぎなどは小さな問題かもしれないが、これから衆議院議員もたくさんできる予定ですし、また大幹部も何万人という数になります。しかも幹部に対しては何百万人、何千万人という学会人、すなわち日蓮正宗の信徒、民衆が注目していますし、また見習ってくるのです。私たち幹部は常にその模範にならなければなりません。したがって、細かいところまで気をくばっていくべきです。陰の人ほど暖かくめんどうをみ、かばって和気あいあいたる行進をしていかなければならない。そうでなければ、民衆はついていきませんし、必ず行き詰まってしまいます。全部同じ人間であり、同じ大聖人の子供であることを、決して忘れず、誰人に対しても、ていねいな言葉をつかっていただきたいのであります。
 せっかく学会に入りながら、退転する人がときどきおります。また仏法をしらない人が、学会を批判することもあります。信心は仏と魔との戦いであり、三障四魔が粉然として競い起こることは、大聖人の御金言に照らして明らかなことであります。したがって、正法を妨げる魔の働き、学会を批判し、また学会を利用する者がでることは当然のことです。あるいは信心がわからずして、退転する人がいることも事実です。これは、仏法の方程式でありますから別に恐れる問題ではありません。ただ、私の知っている幾つかの事例のなかに、ごく一部ではありますが、幹部や同志が、感情的に怒ったり、態度が冷たかったり、威張っていることによって、退転者を出したり、批判する人をつくる原因となっている場合があります。信心でもなく、慈愛でも親切でもなくして、自分の感情、権威によって、後輩の人を怒ったり、押さえつけたりして、そのために学会を去っていく人が出ることは考えなければなりません。また、世間の方々に対しても、わざわざ暴言を吐いて、それが、あたかも学会全体の態度のようにとられて、反感を買う場合があります。これらの非常識な態度は信心利用であり、学会利用です。学会の組織をバックにして、自分に力があるように錯覚し、暴言を吐いたり、非常識な行為に走るようなことがあっては絶対なりません。内外共に、良識ある態度であっていただきたい。
2  次に申し上げたいことは「而強毒之」ということについてですが、これは、永久に大聖人のご精神として、われわれの戦いの根本精神としていくべきです。それは大聖人の本義、大哲理においては、絶対に他と妥協せず、破折し、教えきっていくという精神であります。ただし方法論等において「而強毒之」をはきちがえて用いると、大きな誤りを犯すことになります。すなわち、なんでも強く暴言を吐き、威張った姿で他を破折しなければ、真実に大聖人の仏法を実践したとはいえないなどと考えるのは、重大な誤りであります。詮ずるところわれわれは、常識豊かな行動によって、信用を積み重ね、人生の勝利と、広宣流布の勝利を打ち立てていきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。(拍手)個人においても、学会においても、一日一日の信用の積み重ねが大事です。これが、人生の勝利であり、広宣流布の勝利なのです。この点を、よく理解していただきたいと思います。
 先日、皆さん方を代表しまして、多数の御僧侶、幹部ならびに会員の方と共にハワイの寂光山本誓寺の開院式に行ってまいりました。正式な入仏式は来年の二月に行なうことになっており、引き続いて同じところに、ロサンゼルスのエチワンダに、新寺院が完成しますので、その落慶入仏式もいたします。両寺院の入仏式には、猊下のお出ましがありますので、私が御案内してまいります。そこでご了解願いたいことは、そのときに、学会の草創期以来、陰にあって活躍し、学会を支えてきた功労ある方々を、できるだけ多く、両寺院の入仏式にお連れしたいということであります。功労者は、ある人は班長、班担当員であり、ある人は組長、組担当員であり、あるいは役職のない人もおります。近く発表され、喜び勇んだ姿も見られることと思いますが、どうか、その人たちが喜んで参加できるように、暖かく応援してあげまていただきたいのであります。(拍手)
3  次に、幹部は、名指揮者となって、指揮をとっていただきたい。ときには、学会の伝統ですから激しく活動する場合もあります。しかし、それだけではなく、正しい指導方針と目標を決め、どうすれば最も価値的に運営できるか、活動が充実した価値創造になっていくか、企画どおりの実践ができるか等々、冷静な判断、英知輝く頭脳をもって、計画を立てていただきたいのであります。ただ活動していればいい、会合をもてばいいという暗中模索であるならば、暗中の遠征をしているようなものです。一切の行動の頭脳は幹部であり、その幹部が名指動者でなければ、立派な効果をあげるこは、できない。その点をよく思索していただきたい。
 大聖人の仏法は、末法万年尽未来際の構想をもった仏法でありますから、東洋広布、そして世界広布は、長く長く考え、ゆっくり落ち着いて達成していけばよいのであります。しかし、その第一歩として、日本の安泰、幸福を築くために、その一歩として衆院選に勝利を収めなければなりません。“法華経にまさる兵法なし”また“題目にまさる武器なし”という確信と“団結にまさる大軍なし”という大確信をもって、勝利の道を力強く前進しようではありまんせんか。(大拍手)九月の幹部会のとき、再び全員が元気いっぱいの姿で、お集まりいただきたいことをお願いいたしまして、私の挨拶といたします。(拍手)

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