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日蓮大聖人・池田大作

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関西本部幹部会 慈愛に満ちた指導

1966.1.29 「池田大作全集」第3巻

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1  皆さん、本年もよろしくお願いいたします。そしてこの一年間も無事故で楽しく逞しく悠々と前進されるよう、心から切望いたします。
 東京と関西は、経済の面でも、政治の面でも、その他あらゆる面でも好一対であり、互いに引き離すことのできない国土世間ですが、それは学会においても同じであります。学会はまず東京に始まり、次に深く強い前進の基盤を築いたのは関西であります。なんといってもこの二つが日本の広宣流布の大きい軸であります。したがって、なにも東京に遠慮することはありません。関西は関西で思う存分に実践していっていただきたい。大御本尊のもとに、全部の地方がおのおのの国土世間で、その国土世間の広宣流布のために進んでいけばそれでよいのであります。“常勝関西”は、広宣流布のその日まで東京勢には絶対に負けてはいけません。(拍手)
 私が念願することは、関西は現在の最高幹部に続く二陣、三陣が出てもらいたいということであり、このことは学会全体にとっても同じであります。学会はいますごいスピードで前進しており、学会の一年は他の団体の十年に相当し、一か月が一年です。したがって全体としても、現在の最高幹部に続く第二陣、第三陣の最高幹部が出なければなりません。先輩の最高幹部を尊敬していくことは大切でありますが、同時に皆さん方自身が、すでにそれらの先輩と同じ使命に立ち、同じ力をもった幹部であると自覚してもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。(拍手)大幹部ならびに理事室が、質量共にもっともっと必要なのです。これが時代の要求です。そうでなければ創価学会の前進も、公明党の発展も、王仏冥合の仕上げも大勢が遅れてしまいます。
 折伏がたくさんできることはうれしいことです。しかし一面からは、会員がふえればそれだけ私の心配もふえます。それは最高責任者としての当然の義務であると自覚しております。これからも学会は急速に伸び、会員もどんどんふえるのですから、皆さん方が十倍も二十倍も成長して、皆さん方が尊敬している大幹部と同じように、幅広く深い人材になっていただきたいのです。これが私のいつわらざる、心からの念願であります。頼り根性ではなく、皆さん方自身が、後輩に頼られるよき兄でありよき姉であっていただきたい。なんでも最高幹部の立ち場で相談にのってあげ、また指導しきっていける人になってください。
 ある週刊誌に全く事実無根のデマが書かれました。こういったたぐいの記事はこれから多くなるでしょうが、そのためにいちいち紛動されるようなことがあってはなりません。もしそうしたことがあったならば、すぐに本部のほうへ問い合わせて疑問を晴らすようにしてください。またある新聞では、学会のなかで主流派と反主流派が争って深刻になってきているとか、たくさんの派閥ができているとかいっているのです。しかし、学会の御本尊を根本とした異体同心の団結は微動だもしません。また、学会の次の後継者は誰かと、いろいろ憶測をしておるむきもありますが、本当にご苦労な話です。(笑い)学会が強大になり名前が知れ渡ってきますと、どうしても、他の団体と同じように見ようとしたり、想像でなんとか定義づけようとしたり、また外からなんとか攪乱しようとする動きが起こり、この傾向は、これからは、いっそう強くなると思います。
 しかし、創価学会は盤石であり絶対に崩れません。もしも、創価学会の前進、王仏冥合の前進を利用して、名聞名利に走り、学会の本流から離れて派閥をつくるようなことがあれば、その行動は五老僧の姿であり、その人は阿鼻叫喚地獄です。そんな人が学会のなかにいるはずはありません。皆さんは安心して、日蓮大聖人の仰せどおりに進んでください。それが創価学会の大精神です。(拍手)これからは一年ごとに学会の存在、公明党の活動に世界のスポットライトが当てられるのは必然です。さらに信心強盛に、一生成仏とそしてまた広宣流布という崇高な目的に向かって、堅い堅い鉄の団結をもって前進しようではありませんか。(拍手)
2  私はまだ若く、これからです。跡継ぎどころか、皆さん方のお子さんまでめんどうをみていかなければならない年齢であり、その気持ちでおります。そして、学会は盤石のなかの盤石の体制にあります。絶対である御本尊を根本に、異体同心で信心根本に進んでいくならば、学会も皆さん方の一家も個人個人も、全部きちんと、大繁栄のほうへ大興隆のほうへと、御本尊が進めてくださることは間違いありません。私は悠々たる自信をもっております。
 私は皆さん方の指導者であり、皆さん方が幸せになり、立派な信心を貫き通していけるようにすることが、私の責務です。幹部の人たちは一生懸命、慈愛のこもった親切な指導をして下さっておりますが、私が皆さんを思う一念からみればまだ何十分の一、何百分の一であり、天地雲泥の相違です。これが私の強さであり、誰人たりともどうしようもないことです。ですから、一日も早く私と同じようになり、大勢の人を指導してもらいたいというのが、私の最高幹部に対する念願であり指導なのです。なによりも強いのは信心と慈愛であり、これにまさるものはありません。百の説法など誰にでもできます。どうか後輩に対し、官僚主義でなく細かいところまで気をつかってあげていただきたいと思います。
 時計には長針と短針と秒針があり、その三つが調和されて、初めて時計としての価値があります。それを大幹部になったからといって大物ぶるのは、たとえば短針だけで秒針が動かないのと同じようなもので、それでは幹部の資格はありません。忙しいあまりに、幹部が指導をないがしろにするようなことがあってはなりません。求道心に燃えて真剣に求めてくる人には、どんなときでも親切に話をし指導をしてあげるべきであり、それが仏法です。「一切の法は皆是れ仏法」ですから、社会性も人間性もそして常識も、全部、仏法に収まっているのです。
 仏法のことを話すのだから、相手を何時間も立たせたままでもかまわない、というような気持ちではいけません。また民主主義ですから、指導者は、みんなが喜ぶように話していこうと考えるのが本当の姿であり、それが境智冥合したところの真の民主主義なのです。礼儀正しく道理正しく、小さいところに気をつかってあげることが大切であり、それが機微というものです。それによって学会を支えていくことになるのです。お互いに人間ですが、人間が人間を本当に満足させ喜ばせるのが仏法であり、このことは座談会でも同じです。ちょっとした言葉の使い方で、反感ももたれるし、逆に賛成もされます。言葉に気をつけながら、包容力をもった指導と折伏戦を実践していっていただきたいと思います。(拍手)
 最後に申し上げたいことは、夜は早く寝るようにしていただきたいことです。それを寝不足をし、朝なかなか目が覚めないようではなりません。そんな生活は長続きしません。寝不足で仕事ができなくなったり、事故を起こすようなことだけはしないでください。仏法は道理です。男性の人はもちろん、女性の人も長生きをしていく信心、リズム正しい生活をする源泉の信心、そして皆さん方が積んだ題目、善根、福運を、お子さん方に悠々と与えきっていける確信ある信心を、着実に、一日一日、一年一年、行なっていっていただきたいと思うのです。夜、休める人は生命力があるのであり、休めない人は惰性に流されているのです。大事なときに人より何十倍も活躍するためには、ふだんリズム正しい一日一日を送り、体力をたくわえておくことです。
 では、今年もどうかお元気で。支部、地区の皆さん方にもよろしくお伝えください。

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