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日蓮大聖人・池田大作

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12月度男子部幹部会 偉大な指導者に育て

1965.12.23 「池田大作全集」第3巻

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1  この一年間、本当によく戦ってくださいました。本日は、その労苦に対し、心から感謝し、お礼を述べにまいりました。(拍手)
 私どもの前進は、仏意仏勅の実現を目指しているのであり、個人や学会の利害、名誉のためではありません。したがって、御本仏日蓮大聖人の弟子として、今世においてなさねばならない使命をもった私たちでありますから、来年一年も、どうか私共に、宗教革命に、政治革命に、文化革命に、また新しい決意で勇敢に前進していただきたいと、心から念願するものであります。(拍手)
 私は、同志がかわいい。今日のこの暗黒の世界では、為政者も指導者も、その大部分の人が、自己の利害のみを考え、民衆のこと、不幸な人々のことはなにも考えていないのが実情であります。これに対し私どもは、忙しいなかを、何の報酬を求めるのでもなく、純粋な奉仕の一念に燃えて、社会でどうしようもない不幸な人々を、なんとか救おうと一生懸命に戦っております。その尊い美しい心をもちながら、誰にも認められず、反対にあらゆる攻撃をうけながら戦っている弟子が、同志が、友だちがいじめられることに対しては、私は最高の怒りをもつものであります。
 ここで、申し上げたいことは、私は会長に就任したときに、恩師戸田前会長の七回忌、すなわち昨年四月までは、私が学会の屋根となり、暑い日も寒い日も、それから寒い風も嵐も、全部、私一人でうけていきますから、その間に学会員がみんなすくすくと成長し、勉強してほしいと、こう話し、実践してきたつもりであります。それに応えて、皆さん方も立派に成長され大変うれしく思っております。(拍手)
 そこで、昨年からは、私は今度は根っ子になると決めました。私は表面には出ないで大地に根を張り、学会という大樹をしっかり支えて参りますから、皆さん方は幹となり、枝となり、花となり、すくすくと成長し、栄えて、平和楽土の建設を目指して、世界に自分の持てる力を宣揚していただきたいと思っております。それがいまの私の位置であり、希望であり、確信であり、決意であります。(拍手)
 現在では、公明党の参議院議員二十人のうち十人が青年部の出身であり、理事室も四百数十人の約半分が、青年部出身者であります。これらを考えていった場合、いま根本的訓練をうけている男子部員があらゆる分野で育って、創価学会のそしてまた王仏冥合の戦列に出てもらうまでは、その布石ができるまでは、私は歯をくいしばって、根っ子となってがんばっていこうという気持ちであります。それまでは、どんなことがあっても、私は陰で皆さん方を応援し、苦労を真っ向からうけて戦ってまいりますから、そのつもりで成長していただきたい。これを心からお願いするものであります。(拍手)
 次に申し上げたいことは、去る青年部総会の席上で申し上げたデモのことであります。もしも、佐藤内閣が強行手段に出て、是が非でも小選挙区制を実現しようとするのであれば、私が戦いの先頭を切りますから、そのときは、最高の力を発揮して総決起していただきたいのであります。(拍手)私は皆さんに迷惑をかけたくありませんし、たとえ一人たりとも犠牲者は出したくない。この精神は生涯変わりません。しかし、小選挙区制の問題は、あまりにも国民を愚ろうしており、わが民主政治を完全に破壊するものであります。しかもその目的は公明党の衆院進出を阻止するためであり、そのよなうことは断じて許すわけにはいかないのであります。早く日本の国の安定を図りたい――この精神を貫いている学会を、そのへんの無節操な、小さな宗教団体と混同して弾圧しようとしても、そうはいきません。いままで、創価学会を小バカにし、公明党を批判してきた世の識者に、深刻な理解を与えきっていけるチャンスであるがゆえに、私はあえて申し上げるのであります。法華経に勝る兵法なしです。かつてのメーデーのデモ行進の百倍、千倍の気勢をあけようではないですか。(拍手)
 仏法は勝負です。一度立ち上がったならば、絶対に負けてはいけません。私は時も考えないで戦い、負けて、諸君が困るような、安易な指揮はとりません。時が熟するまでは、どんなにけなされようと、たたかれようと、勝つ見込みのない戦いはいたしません。そしていざ戦うとなったならば、あらゆる観点から総合的にみて、確信をもって旗を上げますから、そのときは安心して戦ってください。(拍手)
 日本の国の安泰のために、どこから見ても正しい政治であったならば、党派を超越して、政府を守り、応援するのがあたりまえであると思います。政治に対して反対のための反対は絶対にいけないし、これからの民主政治はもっと高い次元に立って、行なっていかなければいけないというのが私の根本の精神であり、考え方です。しかし、来年、もし民主政治に反する小選挙区制強行の動きがあれば、私は断じて戦うつもりであり、これはいま申し上げたとおりであります。
 衆院選の候補の推薦については、来年の五月三日に、正式にもう一度発表いたします。またその前後に、公明党の大会でも発表になりますので、それまで待っていただきたい。今のところ、来年の末に衆議院の解散があることはほぼ間違いない空気であります。その場合には、二年前の総会で発表になった人数ぐらいは、推薦したいと思っております。ただし、創価学会推薦、公明党公認の議員なら全員当選するなどというジンクスはありません。そういうことは気にしないでいきたいと思います。全部当選しなければならないという考えでなく、重点主義で、何人ぐらいという目算を立てていますから、そのときは安心して応援してあげてください。(拍手)
 諸君はこれから学会の幹部として、同志や後輩から尊敬され、あるいは外部からお世辞をいわれたり、また逆に批判されることがりあるかもしれませんが、内外共にどれほどおだてられようと、またけなされようと、信心強盛に、自分らしく、伸びのびと、大目標に向かって進んでいただきたいと思います。特に、内部において、厳しく指導してくれる人がいないと、組織のうえに乗って流され、自分自身が怠惰になってしまう場合があります。それは恐るべき魔の誘惑であります。しぜんのうちに中堅幹部になり、大幹部になり、理事になり、みんなに擁護され、尊敬されて、それで、もし自分に厳しくしないで調子にのったならば、もはやその人は、真の指導者としての資格はありません。また同志、後輩のめんどうを真剣にみようとしなければ、それは実像ではなくて虚像です。本当に後輩をかわいがり、同志を真心こめて親切に指導していく幹部、指導者には、それだけの実相、実証があるものです。
 真実の信心がなく要領よく泳いでいる人の生活、生命には、やはその信心の果が実相、実証として無言のうちに反映されるものです。それを忘れていては因果の理法をわきまえている仏道修行者とはいえないし、偉大なる力ある指導者には育ちません。真心があり、包容力があり、それであって威厳をもち、礼儀正しく、本当にいい人柄だ、なにを話してもよく理解してくれる、あの人ならなにを相談しても安心だうれしいと、こういわれる人になっていこうではありませんか。(拍手)
 一人一人が信心の英雄になり、偉大なる指導者になることです。どうかよいお正月をお迎えになって、来年一年、題目をしっかりあげて、学会にしっかりつききって、社会にしっかり根を張って、一年間を、また勝ち取っていただきたいことをお願い申し上げます。

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