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日蓮大聖人・池田大作

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東京第四総合本部幹部会 生活の上に実証

1965.12.15 「池田大作全集」第3巻

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1  本年一年、大変にご苦労さまでした。どうかよいお正月を迎え、また来年一年、朗らかに福運を積みながら、人生をエンジョイしきっていってください。
 われわれ凡夫はありのままでいい。大切なのは本当の信心のほとばしりであり、同志を引き立て後輩を成長させていこうという真心、慈愛、情熱です。これが相手の人と境智冥合して前進への源泉力となるのであります。信心のうえで、要領主義やふまじめであったならば、功徳は消えます。信心のこと、学会のことだけは、まじめにしなくてはいけない。まじめに学会で生きてゆかなければならない。その人は、生活の上で、必ず大勝利の実証をうることができます。
 小説「人間革命」の本につきましては、皆さんが買ってくださったことに対して、まずお礼申し上げます。本の印税等は、班長、班担当員さん以上の記念撮影の費用にしたいと思っております。これが私の気持ちです。
 ちょうど「人間革命」が出版された前後から“人間”という言葉が流行してきております。「人間の運命」という本が出ましたが、人間の運命といっても妙法で解決する以外にない。いくら本に書いても、一生成仏するための目的からみるならば、それはほんの一部分の解決法にすぎない。人間の運命の打開は何か、それは御本尊への信心です。そして実践は何か、それは学会の活動です。
 それから「人間の心得」という本も出ました。だが人間の心得でいちばん大事なことは、御本尊を持つことです。信心ほど大事な心得はない。どんな心得をもっていても、宿命にはかなわないのです。やはりこのテーマも究極のところは御本尊、そして学会の実践しかないのです。
 それから「人間の建設」という対談もありました。人間の建設といっても、本当の建設は、本有の当体蓮華を実証することであり、理即から究竟即にいたるには、妙法しかない。御本尊しかありません。そうでなければ、建設したつもりであっても、砂上の楼閣であり、ただの観念論です。本当の建設とはどういうことか。それは人間革命しきって、その実証を生活のうえに、生命のうえに出していくのでなかったならば、空論にすぎないと思うのです。「人間とは何か」という本もあります。人間とは何か、人間の本質は事の一念三千です。空仮中の三諦、法報応の三身、これ以上の本質はありません。あとは観念論で、生命の本質の一部分を示すにすぎないのです。その他いろいろ論じられておりますが“人間とは”という問題、“人間”という意味、この究極の解決、根本的解決法、実践法は、所詮は、三大秘法の御本尊に題目を唱えて、広宣流布に進む以外にないと断言できるのであります。(拍手)
 「持戒の功徳は寿命長存なることを得」(涅槃経)とあります。皆さん方は、どうか長生きをしきっていってください。そして、その功徳善根、福運を、壮年の場合には奥さん、お子さんに、お孫さんに、全部、回向しきっていける汝自身の当体を確立していただきたいのであります。それを事の一念三千の当体とも、妙法蓮華経の当体とも名づることができるのです。それだけが私のお願いであります。そして、楽しく、力強く、勇気をもって信心していってもらいたいのです。信心がなくなったならば福運は積めません。世界広布だ、衆院選だ、――そのようなことより、私の本心は、皆さん方が健康で、生活革命をして、一家だんらんし、文化的に、それであって信心は強固に進んでいける、生きていけるご一家ができれば、最高の満足です。これが代々の会長の慈愛であり、真心です。(拍手)
 ただそうなるためには立正安国という原理があるのです。立正安国というのは、個人の幸福と社会の繁栄という両方を意味しており、これが、両方マッチしなければ、真実の、永久の個人の幸福はないのです。したがって題目をあげ、宿命転換のために折伏するのが個人の立ち場であり、たとえてみれば自転です。今度は、社会の繁栄、または王仏冥合という大目的の達成のために、学会の組織の中で、後輩のめんどうをみたり、または連係を取り合って、一つの尊い目的に進んでいるのが公転の立ち場になるのです。しかも、その王仏冥合の目的に進むための組織の中で活動をすることが、個人の信心の、そしてまた宿命転換の福運を積んでいく、何倍かのクサビになり、加速度を与える推進力になるのです。
 したがって、両方の活動がなければ、日蓮大聖人の立正安国の精神にのっとった信心にはなりませんし、王仏冥合という大聖人の仏意仏勅のうえに立った信心にはならないのです。これだけは、大聖人の仰せであり、それを行動に具現しているのが、学会の姿なのです。したがって、皆さん方の宿命転換の加速度のためだということを自覚して、学会活動にがんばってください。
 来年は特に、全員が教学部員になり、また助師は講師に、講師は助教授補に、助教授補は助教授に、助教授は教授補に、教授補は教授にと、一段ずつ成長していく戦いを勝ち取っていただきたい。これが人間革命の足跡であり実相になります。これを約束し、これを目標にしてください。(拍手)これに準じて、ある人は、たとえば教学では一級上への前進ができなくても、組織のうえで一段階前進できたというのでもいいし、または、その他の違った面で自分は一級前進したということでも、けっこうです。
 題目はこのまえの本部の幹部会で提案したとおり、自分のためですから、百万遍をあげてまいりましょう。百万遍の題目をあげ、本当に自分の悩みを訴え、成長を御本尊に願っていけば、人が変わり、顔色がよくなり、なにをやっても、だんだん一つの福運のほうへ向かっていけます。それで来年の年末には、余裕綽々たる生活を築ききっていただきたいと思います。(拍手)
 財界筋、金融界筋、経済評論家筋に、ずっと聞いてみましても、来年は明るい見通しはございません。物価が上がるでしょうが、それに相応して給料が上がるわけではありませんし、その他国債が発行されるなど、いろいろなことがあって、見通しとしては少しも明るい材料がないのです。予算の補正も本来ならば、今年中に終るわけなのに、まだ終わりそうにないし、国家経済はもっと混乱しそうです。そのような暗い世相であればあるだけ皆さんは雄々しく“黎明”の心をもって信心し、一年間、悠々と我此土安穏になりきっていただきたい。そしてまた未来の偉大な礎を、生活の、信心の基盤をつくっていっていただきたいと思うのです。
 じっくりと着実に、地味に生活をし、地味に学会活動を展開しながら、来年一年も“黎明の年”らしく、個人も学会も、大勝利に終わったといえる戦いをしようではありませんか。

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