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日蓮大聖人・池田大作

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第65回本部幹部会 力ある民衆の指導者に成長

1965.9.27 「池田大作全集」第3巻

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1  日蓮大聖人が「行学の二道をはげみ候べし」と仰せのとおり、教学の試験につきましてはしっかり励んでください。試験があるといっても学会の教学は、あくまでも一生成仏のためであり、大聖人の弟子として、力ある民衆の指導者になるためであり、大衆の先駆を切るべき、大思想をもった指導者になるという、そういう高い目的観に立った教学の研鑽でなければならない。どうかその自覚を忘れないで、がんばってください。私は試験などはさせたくない。しかし、そういう小慈悲でいれば、私は罰をうけることになるし、皆さん方に対してもお気の毒です。教学を振興していくのも広布への大きい戦いであります。しっかり勉強してください。
 やれ公明党の応援だ、やれ民音だ、やれなになにの会合だと、たくさんの会合や活動があります。しかし「行学の二道をはげみ候べし」と日蓮大聖人は仰せであります。御書を離れてしまった信仰になったり、我見の信心になったら大変であります。このために、創立の始めから教学だけは創価学会の骨髄であります。そしてまた信心の原動力であります。決してこのことを忘れてはなりません。今年もいろいろな戦いをやりぬき、最後の教学も立派に勝ち抜いて、本年度を送っていただきたいことを、お願い申し上げます。(拍手)
 次に本日は、支部旗の返還授与式がありました。先月の幹部会のときには、多数の大幹部が任命され千六百以上の支部となり、磐石の構えになりました。王仏冥合の前進は、月々年々、重みを加え磐石の体制をさらに整えております。しかし、ここで一言申し上げておきたい。それはほかでもありませんが、ある書に「後生畏る可し」といわれています。自分は先輩であるといっても、後輩はどんどん行学の二道を進めて、先輩以上に力ある指導者に成長してまいります。また、ある本には「先人ヲ抜クハ易ク、後人ニ超サレザルハ難シ」と説いております。それはどういう意味か。先輩を抜くことはやさしい。しかし、後輩に抜かれないようにしていくことは、非常にむずかしいということです。
 支部長になった、参議院議員になった、やれ区会議員になった、大幹部になった、婦人部長に、部隊長になったといっても、それは組織上の形式のことです。それはまた過去における力と実績のうえの結果でもあります。しかし、未来はまた別であります。仏法は現当二世です。力なくして、自分が成長せずして、その立ち場にとどまっていたならば、後輩はかわいそうです。そうなったとき、どうしてもその先輩は、感情で後輩を支配していこうと思ったり、権威で支配していこうと思ったり、我見で支配しようと思ったりすることになります。また、ふまじめに、要領や政治性でうまく泳いで、自分の責任を全うしたようなかっこうをするようになってしまう。そうなってしまえばもはや天魔の所為です。そんな幹部は創価学会に一人もあってはならないのです。
 なぜかならば、創価学会は、日蓮大聖人の仏意仏勅をこうむって、信心第一に王仏冥合達成を目指す団体です。願わくは、皆さん方も後輩に抜かれれないように、また抜かれないようにするだけでなくて、積極的に、自分も成長してそれを依りどころとして、また後輩もたくさん大幹部にしていくのだという、おおらかな、大きい心をもって、団結ある前進をしていただきたいと思います。(拍手)
 昨日、ある人が本部にまいりましたときに、おもしろい話をしておりました。その知人がフランスへ行ってきたときの話です。それは、ある会社の重役ですが「創価学会はずいぶんフランスでも名が売れているよ、驚いた」といっていた。そのわけは、その人がある航空会社の事務所に行ったとき、そこの外人が、ぜひともこれを教えてくれという。見ると、ちょうど懸賞付きのクイズがあって、そのなかに“創価学会とは何か”という問題があった。その人は教えてきたと、そういう話をしていました。また、やはり昨年でありましたが、ある有名な新聞社の社長ですが「いやあ、ヨーロッパのほうをずーっと回ってきたら、おたくの人が多いので驚いた」という話をしておりました。本当は、毎月の成果報告でもわかりますように、ヨーロッパはいちばん少ないのです。(笑い)それから同じように、ある代議士であった弁護士が、ヨーロッパを回ってきて「モンマルトルへ行ったら、いっぱいいる画家のなかに、学会員の日本人画家が何人もいた。欧州の日本人のなかに会員の人が多い。とても力強く感じて帰ってきました」と語っていました。
 なぜ、そのようなことを申し上げるかといいますと、私はきょう、高等部員に対して大白蓮華十一月号の巻頭言を書かせていただいた。高校生でもあるし、まだ若いし、いままではあまり学会のことをうんぬんして、訓練、教育はしたくない気持ちがあった。しかし高等部員は見ていてなかなか立派です。頭はいいし、勤行はきちんとするし、演説はうまいし、教学はもう「御義口伝」あたりを、すらすら勉強しているし、驚きました。いくつもそうしたことを私は聞いておりますし、見ております。そこで、いよいよ時がきたことを感じて、ことし高等部の結成をしたわけであります。中等部、少年部の結成についても理由は同じです。それで「鳳雛よ未来に羽ばたけ」という題名で、巻頭言を書いたのです。ということは、私は、最後の王仏冥合の総仕上げは、どうしても高等部の年齢の人たちであると信じております。彼らは福子であり、いわずしてなんでも知っております。いよいよ時がきたのです。本当に心の中で喜んでおります。それが全部、皆さん方のお子さんです。
 その高等部員ならびに中等部員は、いまは勉学第一にして、しっかり勉強するのは当然でありますが、皆さんは公私共に、信心を根底に応援してあげていただきたい。そして、その高等部員や中等部員に将来、立派にバトンタッチをして、さらに創価学会の大発展を期するために、かつは王仏冥合の総仕上げを完成すべく、それまでお互いにがんばろうではありませんか。(拍手)
 したがって、われわれには偉大なる希望があります。他の団体や集団には、もうその希望がない。みんな後継者難で行き詰まっております。だが学会には次の人材が待っております。それまで壮年の方々も、婦人部の方々も、体を大事にして、広宣流布のために、次の子供にバトンタッチするために、体をいたわって、健康で長生きをしていただきたい。題目をしっかりあげて、安心しきってこの一生を終われるように、また終るまでがんばっていただきたい。このことが、私の心からのお願いでございます。
 私も使命があって長生きすれば、皆さん方のお子さんを、全魂を打ち込んで育ててまいります。お子さん方を総結集して、できうるならば、最後の総仕上げまで、私が指揮をとってまいりますから、お子さん方を全部、創価学会につけるように指導してください。(拍手)私は、そのお子さん方を日本は当然のこと、全世界に羽ばたくようにあらゆる道を開いておりますし、またこれからも切り開いてまいります。
 いまでは、アメリカ、そしてまた南米、欧州、東南アジア、共産圏等々、ありとあらゆる国々で、創価学会のことが報道されてきております。テレビならびに新聞等を合計すれば、二百回、否、二百数十回以上の報道がされてきております。これは本当に大変なことなのです。学会の立ち場はそれほど世界に広がっております。
 ある人が、学校の関係で一週間か二週間イタリアのずーっと奥のほうへ行ったのです。ところが小さい町に本屋があって、そこで本を見たら、創価学会のことがたくさん出ていたので、それをおみやげに持って帰ってきましたと私に話しておりました。(笑い)それから私はこのあいだノルウェーに行ってまいりました。そこで運転手の人が広げていた雑誌をのぞいて見ると、なんと、私の顔が出ているのです。(笑い)こうしたことは枚挙にいとまがない。いまでもそうとうテレビなどの取材がきています。このまえパリに行ったとき、絵を買いました。その画家が「あなたを見たことがある」というのです。その半月か一か月前にテレビの三十分番組みに私が出ていたのです。そういうわけで、こちらはなにも知らないと思っているけれども、向こうは知ってきている場合があるのです。こうして世界広布への機運が絶えず拡大していることを知ってください。
 あとは、私は高等部員を育て、しっかり勉強させて、逞しく成長させて、学会の跡継ぎにしていきます。この人たちを一閻浮提総与の大御本尊――大仏法にふさわしく、一閻浮提即世界の指導者として活躍させたい。こういう気持ちであります。
 (拍手)なにも日本だけの広宣流布ではない、日本がまず第一でありますけれども、大聖人の指針はもっと遠く、もっと大きい。ですから、お子さん方に、次の後輩に一切を託すまでは元気でがんばっていただきたい。きょうはこれだけを申し上げまして激励といたします。十月の幹部会のときには、また全員が晴ればれしい顔で元気いっぱいに集まりましょう。

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