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学生部、鼓笛隊合同総会 その道の王者、王女に

1986.8.31 「広布と人生を語る」第10巻

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1  先日、若手の教育者として活躍している青年たちと懇談した。その折、小学校の教員をしている青年がこう言っていた。「私は自分のクラスの子供たちを、大切な二十一世紀のリーダーであり、未来に輝く”王子””王女”であると確信している。その意味で、私は彼らをはぐくむ”王様”であると自負している」と。
 また、その兄である高校の教員は、「私は、自分は目立たない陰の存在でよい、愛する高校生たちを立派な社会貢献の人に育てたい。社会になんらかの意味で価値を与え”一隅を照らす”人物を輩出していきたいと思っている。その意味では、私も自らの道に生きゆく”王者”だとの気概をもっている」と語っていた。
 私は、この話を、まことにさわやかな思いで聞いた。
 世の中には争いの絶えぬ暗い人生もある。また堕落した卑しい生き方も少なくない。しかし、きょう集った皆さんは、自分なりの道で、すがすがしい”王者””王女”の境涯を開いていっていただきたい。
 学生部の諸君であれば”数学の王者””経済学の王者”そして”学問の王者”等々、人々を”なるほど”と納得せしめるカと信念をもった人へと自身を鍛えていってほしい。
2  これまでも私は、微力ではあるが、仏法を基調とした平和・文化・教育の運動を、全力で推進してきたつもりである。
 今、私は、未来を担いゆく高校生、中学生、そして小学生を対象として、それぞれ創作短篇『アレクサンドロスの決断』『ヒロシマへの旅』『太平洋にかける虹』の連載を続けている。さらに、小学校低学年向けの童話も構想中である。これらの作品が、いかなる評価を受けるかほわからないが、若き友の成長の塩にでもなればとの思いで、最善を尽くしているつもりである。
 また、人類の英知の遺産を後世に残したいとの願いから、これまで数多くの世界の著名人と対談し、その対談集も刊行してきた。
 歴史家のトインビー博士とは、一週間にわたり語らいを続けた。その内容は『二十一世紀への対話』としてまとめられ、現在、五か国語に翻訳されている。
 このほか、アカデミー・フランセーズ会員である美術史家のルネ・ユイグ氏とは『闇は暁を求めて』、ローマ・クラブ創設者のぺッチェイ博士とは『二十一世紀への警鐘』、オックスフォード大学のウィルソン教授と『社会と宗教』、行動する作家アンドレ・マルロー氏と『人間革命と人間の条件』、クーデンホーフ・カレルギー伯と『文明・西と東』――こうした対談集を、世に問うてきた。
 さらに、モスクワ大学のログノフ総長、インド文化関係評議会副会長のカラン・シン博士、フランスのエジプト学の権威ルクラン教授、ブルガリアの芸術博士であるジュロバ女史、敦煌研究院の常書鴻名誉院長との対談集も進んでいる。
 また、近日中には、アメリカの元国務長官キッシンジャー博士とも、七年来の約束であった対談を行うことになっているし、明年初頭には”アメリカの良心”として知られるノーマン・カズンズ教授とも対話をする予定になっている。
 こうした対談の仕事をはじめ、これまでの私の著作活動等に対し、このほどケニア口承文学協会から、同協会初の「文学賞」が授与されることにもなった。
3  私がこうした著作、対話を重ねてきたのも、若き後継の友らの限りなき未来のため、また平和と諸君の活躍への道を確実に開いていくためである。何があろうとも、私は信念と誓いの道を進み、未来のために大きく道を開いていく決意である。この私の率直な思いを、諸君らに知っていただき、また後継の道を走る諸君らが、さらに平和と文化の道を世界へと広げてゆかれんことを心から願って、本日は私の活動の一端を紹介したわけである。
 どうか、今後とも諸君らは、自己に厳しく、勉学と信心の錬磨に励んでいただきたい。とくに、学生部の諸君には、若き日の粘り強い学問の研鑽を、心からお願いしたい。
 また鼓笛隊の皆さまも、お父さん、お母さんに心から安心してもらえるような、清らかな心のよき娘であり、いずこにあっても明るい笑顔を絶やさぬ幸の ”王女”と輝いていただきたい。

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