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日蓮大聖人・池田大作

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フランス青年特別研修会 鍛えの人生に喜びと満足

1986.7.30 「広布と人生を語る」第9巻

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1  フランスの若き広布の友の来訪を心から楽しみにしていた。皆さま方の来日を心から歓迎したい。
 フランスの今日の広布の発展は、まことにすばらしい。欧州の中心の地にあって永遠に広布史に輝きゆく、奇跡的ともいえる発展を、フランスの同志はなしとげたといってよい。その活動の先駆を切って、道を開き、永遠の基盤を築かれた青年メンバーの活躍に、私は深く敬意を表したい。いな、日蓮大聖人をはじめ日興上人、日目上人も、かならずや讃嘆してくださっているものと確信する。
 皆さま方は、経済的に苦しい年代にある人が多いと思う。しかも円高の経済情勢もあり、日本への来訪は費用の面でもたいへんな苦労があったにちがいない。そのなかを、総本山参詣のため、仏道修行のために来日されたことは、まことに尊いし、その掃き求道の信心に感動をおぼえる。信心強盛なる皆さま方を、譜天善神はかならずや守護するであろうし、皆さま方は永遠に崩れざる福徳を積んでいることを確信していただきたい。
2  「鍛える」ということは、人間にとって不可欠の、もっとも大切な要件である。古今東西を問わず、歴史のうえで、また現実のうえで、立派な価値ある仕事をなした人物というものは例外なく、人一倍、自身を厳しく鍛えあげている。政治家であれ、事業家であれ、芸術家であれ、みな同じ道理である。また、たとえ地味であっても深き人生を生きている人は、みなそれぞれの鍛えをへているものである。自らを徹底して鍛えた人のみが、それ相応の喜びと満足を得られるのである。
 しかし、これら通常の人生の鍛えは、今世のみの、限られた鍛えにすぎない。いわば目に見える現象世界での鍛えといえよう。これに対し、真実の正法による私どもの仏道修行は、それらをすべて生かしながら、より深く、より永遠なる次元での生命の鍛えなのである。
 すなわち、三世にわたる生命それじたいの鍛えであり、わが内奥の不滅の魂の鍛えである。この根本の鍛えこそ、永遠に栄え、永遠に所願満足となっていく金剛不壊の自分自身を築いていく修行なのである。どうか、皆さま方は、このことを銘記し、崩れざる自身の栄光の生命の基盤を深く、また盤石に建設していっていただきたい。
3  皆さま方は、フランスの地にあって広布の先駆をきっておられる。先駆の人とは、たとえていえば競技会や体育大会で、ゴールのテープをトップで切る人である。そこには、他の人が味わうことのできない満足と充実、すがすがしさがあるし、栄光と誉れの人生がある。しかし、そのためには、それなりの鍛えと努力、苦労があることも事実である。
 ましてフランスさらにはヨーロッパの広宣流布の先駆者である皆さま方は、競技会等でトップになったときの満足感や栄誉とはくらべることのできない、永遠にわたる幸福と満足の境涯をもつ資格のある人である。
 今、ここに出席している秋谷会長、森田理事長らも、日本の広布の草創期にあって、青年部の先駆者であり、青年のリーダーとして広布の道を切り拓いてきた。そして今や、日本いな世界の広布の大指導者として活躍している。と同じように、本日、ここに集った皆さま方も、二十年後、二十五年後には、フランスまたヨーロッパにおける広布の大指導者として成長していくにちがいないと確信してやまない。

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