Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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「5・3」記念関西の各賞合同受賞式 常勝関西に栄光あれ

1986.5.1 「広布と人生を語る」第8巻

前後
1  思い起こせば昭和三十一年、この関西の地にあって大法戦を展開した。そのさい、多くの同志の方々とともに戦って見事な大勝利を飾ることができ、今日の常勝関西の完璧なる土台を築くことができた。私は、そのときともに戦った多くの友、同志のことは生涯、忘れることができない。
 そのなかには、すでに逝去された方もいる。また、年配になられた人もいる。さらに今でも元気に活躍されている人も多い。ほんとうにご苦労をかけたことを心から感謝するものである。
 それはまさに、労苦をともにしながら、常勝関西の広布のために、生命をきざんでの戦いであった。その広布をめざした魂の結晶が、関西の「国土世間」の土台となっていると確信する。またそれが「因果倶時」で、今日の大発展の関西を築きあげてきたと思えてならない。私は、つねに関西の地で、苦楽をともにしながら戦ってきた方々が偲ばれてならないし、そうした方々の栄光と一家の繁栄、そして永遠なる常楽我浄の人生を、御本尊に深く祈念させていただいている。
2  ある学者が、この関西の地を評して、昭和三十年代は「地面の物理的沈下」の時代、四十年代は「経済活動の沈下」、五十年代は「文化の沈下」の時代とし、六十年代ははたしてどういう時代になるのか、と分析しているが、たしかにそうした側面があるといえる。
 しかし、時代の推移を超えて「生命の世紀」を築き、広宣流布を成し遂げていこうとする、わが日蓮正宗創価学会の関西だけは、上昇に上昇を重ねている。
 日蓮大聖人の仏漁は「事の一念三千」の大法であり、三世間を包含するがゆえに、この妙漁のカは、「五陰世間」、「衆生世間」はとうぜんのこととして、「国土世間」にまで及び、上昇の軌跡を描きゆくのである。
3  大阪の新副都心をめざす地域に西日本一の超高層双子ビルが完成したのをはじめ、本州と四国を結ぶ”世界一のつり橋”となる明石大橋や、関西新空港の着工も間近いという。また、一九九〇年には、大阪で「国際花と緑の博覧会」(花の万博)が開かれる。このほか、関西文化学術研究都市も建設されると聞いている。
 こうしたことからも、関西の国土世間は第二期の段階に入っているような気がしてならない。
 と同時に、わが”常勝関西”も国土世間の発展を担いつつ、いよいよ第二期ともいうべき新たな発展段階に入っていただきたいことを念願するものである。
4  基本にかえり、基本から出発
 なにごとにも、おろそかにしてはならない ”基本”というものがある。生活においても、書道、音楽等の芸術の世界や、ラグビー、テニス、卓球などスポーツの実践においても、また学術の世界にあっても、およそ、ありとあらゆる人間の営みにおいて、大切な基本というものが存在する。
 この ”基本”というものが、きちんとできているかどうか。これが万般において、大事のなかの大事となるのである。
 基本のない生活、行動というものは、いつかかならず崩れていく。けっして長続きしない。一時的に、また外見ではよいように見えたとしても、”基本”の徹底と深化のないところに、真実の勝利というものはない。すなわち、正しき道理と法則に則った確実なる進歩、前進のうえに、崩れざる勝利を築いていくことができるのである。このことを深く銘記していただきたい。
 そうしたさまざまな次元における”基本”の大切さはとうぜんのことである。しかし、それ以上に重要なのは、生命の基本、人生の基本である。そして、それらの根底となる”信心の基本”こそ、いっさいの基本中の基本なのである。
 すべての根本となる”信心の基本”とは何か。それは、日々の勤行である。
 基本となる勤行をおろそかにしている人は、たとえ、どんなに弁舌さわやかであり、組織の表面で華やかに振る舞い、格好よく見えたとしても、けっして長続きするものではない。学会の世界はどこまでも純粋な信心の世界であるからだ。一時的に活躍しているように見えても、広布の前進からいつのまにか後退し、消えてしまう人は、かならずといっていいほど勤行をおろそかにしている。勤行を怠るようになると、いつしか信心の話がわからなくなる。どんな指導も生命に入らなくなってしまうものだ。
 逆に、日々の勤行をきちんと実践しゆく人は強い。すなわち広宣流布の大目的に生きぬく学会精神にのっとって、勤行に励み、そのうえに行学の二道に精進しきっていく。そうした基本を堅持した人は、たとえ一時的には遠回りのようにみえ、また地味であっても、最後はかならず勝利者となっている。また、広布と人生の栄冠を勝ち取っていく人である。そして永遠にわたっての真実の満足を得ていけるのである。
 その意味において、どうか本日の晴れの受賞者の方々、また若き広布のリーダーの皆さんは、生涯、この”信心の基本”に徹していっていただきたい。つねに”基本にかえり”、また”基本から出発する”という、着実にして盤石なる人生と広布の歩みを、強く自覚しっつ前進していっていただきたい。

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