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日蓮大聖人・池田大作

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SGI十三か国・地域の合同研修会 各国の平和と栄光と繁栄の前進を

1986.4.4 「広布と人生を語る」第8巻

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1  仏法は道理なり
 本日は「仏法は道理なり」との法理について少々申し上げたい。私どもが信奉する日蓮大聖人の仏法は、生活法の根本である。また、生命力の根源の法である。幸福に、正しく生きぬいていくための人生の原動力なのである。
 人間はつねにさまざまな希望をもち、願いをいだいて生きているが、かならずしも思いどおりの人生になっていくものではない。幸せになろうと願っても、不幸の方向へと宿命に流されてしまう場合がある。立派な人生を生きようと誓っても、道を誤ってしまうこともある。
 しかし、この日蓮正宗の御本尊を受持し、信心強盛に、唱題根本の人生を粘り強く生きぬいていったときには、かならずやいっさいの世間の善悪を超克して、もっとも正しき生命の傾向性、”我”というものを盤石につくっていくことができる。すなわち、人間としてこれ以上のすばらしき偉大な人生はない、との証を輝かせつつ生ききっていくことができるのである。その根源の法が妙法なのである。
2  仏法は道理である。信心したからといってけっして特別な人生を送っていくわけではない。特殊な生活のあり方になっていくのでもない。もっとも常識豊かな、良識的な生活のなかに仏法の真実のあり方がある。一日一日、どこまでも題目を唱えつつ、各国の模範の国民、市民となり、良識ある人生と、家庭を築いていくところにあるのである。ゆえに、その人間としての道理の生き方のなかに、仏法のいっさいが含まれていることをけっして忘れてはならない。
 仕事中に折伏をしたり、非常識な姿で強引な布教をしたり、そうした反社会的、非常識な行動は、大きなまちがいである。また信仰を理由に夫婦、兄弟、親族間等で仲たがいをしたりすることも大きな誤りである。
 仕事をしているときは仕事が目的なのであり、布教する時間ではない。また、あくまで麗しい和楽の家庭をつくるための信心であることを忘れてはならない。どこまでも常識と人間性豊かに、また包容力豊かに、伸びのびと、あたたかな心ですべての人々に接していっていただきたい。そしてだれがみても、「ああ良識豊かな立派な人だ」「あの家庭は朗らかで仲の良い、すばらしい家庭だ」と讃嘆される皆さま方になっていただきたいのである。
 ともあれ一日一日を、生きいきとした輝く生命で、伸びのびと、明るく、楽しく、力強く、正しい人生即信仰の姿であってほしい。そうであってこそ、人々を納得させゆくことができるのである。
 どうか弘教にあっては、心豊かな信仰の実証を広げつつ、無理なく、堂堂と、常識豊かな実践が大切であることを知ってほしい。
3  皆さま方は、これからの末法万年尽未来際への永遠の広布の基礎をつくっていくべき先駆者であられる。礎は完壁にして盤石なものにしていかなければならない。ゆえに、この「仏法は道理」との正しき方軌を深く銘記していただきたいのである。
 要するに”朗らかな人生”を生きるための信心であっていただきたい。そのために”朗らかな信仰”を貫いていただきたい。”朗らかな布教”を実践していただきたい。とともに”朗らかな生活””朗らかな日々”を、希望に燃えて生きぬいていっていただきたいことを、私は心から念願したい。
4  一人また一人と確実な広布を
 世界には、キリスト教やイスラム教の信者が数多くいる。また共産主義の人も多い。一方、仏教にあっても、小乗教を信奉する人は東南アジアを中心に多いし、各宗派の人々の数も多い。そうした世界の他宗教の信徒の数と対比するとき、日蓮正宗創価学会の現状は、まだまだ小さな存在であるといわざるをえない。世界への妙法流布はこれからなのである。だからこそ、広布の洋々たる将来が、いよいよ楽しみなのである。
 たとえば、金持ちであるからといって、人生が楽しく、幸せとはかぎらない。死後もその財産をもっていくわけにはいかない。この世で富裕を誇示しても何にもならない。むしろ清貧の人のほうが将来に希望をもち、はつらつと生活し、幸せな場合があるものだ。
 それと同じように、日蓮正宗創価学会は、世界的にはまだ小さい存在かもしれない。しかし、日蓮大聖人の仏法は、仏教の根本中の根本法であり、日蓮正宗の大御本尊は、いっさいの根本であられる。ゆえに、御本尊を信奉する私どもの広布の未来は、広く、大きく開けていることを確信されたい。
 そのことは御書にも明確に説かれており、絶対にまちがいない。一人また一人と確実に広がりゆくのが正法の方程式であるからである。けっしてあせってはならない。あせると完壁な土台ができない場合が多いからだ。
 いまはわが胸中に三世にわたる揺るぎなき生命の宮殿を開きながら、一人また一人と、現実生活のなかで仏法の実証を示していくことが、未来永遠にわたる確実なる広布の土台を築いていることを忘れないでいただきたい。
 御本尊に唱題できることじたいが絶対的な幸福の証である。ここに生活万般にわたる勝利と前進、さらには洋々たる無限の未来を開いていく根本の因がある。皆さま方のご多幸を心から祈るとともに、各国の平和と栄光と繁栄を心から祈りたい。

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