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日蓮大聖人・池田大作

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社会に妙法開花の実証を 「SGI」掲載

1986.1.1 「広布と人生を語る」第8巻

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1  親愛なる全世界の同志の皆さま、心から新年をお祝い申し上げます。
 本年の元旦は、この一年の出発であると同時に、一九九〇年をめざす五年間への船出でもあります。
 私は、一九七八年に、一九八〇年末から二〇〇〇年にいたる期間を四期に分けて、二十一世紀を志向する広宣流布・世界平和への路線を提示しました。本年から一九九〇年までは第二期にあたり、「社会的にも厳然たる一大平和勢力として、安定した学会の力と姿を実現しておきたい」というのが私の願いであります。
 一九九〇年は、大石寺開創七百年という希有の佳節であるとともに、創価学会創立六十周年、恩師戸田城聖先生の三十三回忌でもあります。
 世界各国においては、妙法の勢力はいまだ小さい存在であるかもしれません。しかし、皆さん方の強き信心の一念とたゆまざる広布実現への精励は、やがて妙法の大河の流れへと開けゆくものと、私は確信しております。「ローマは一日にして成らず」といいますが、永遠に崩れざる妙法の世界を築き上げることは、歴史的な大偉業であります。皆さん方は、末法万年の序文に、その不滅の大業の基盤を確立する、尊い労作業に日夜汗を流しているのです。
 御書に云く「寂光の都ならずは何くも皆苦なるべし本覚の栖を離れて何事か楽み
 なるべき、願くは『現世安穏・後生善処』の妙法を持つのみこそ只今生の妙聞・後世の弄引なるべけれ須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ他をも勧めんのみこそ今生人界の思出なるべき」(御書四六七ページ) 
 常住不滅の「寂光の都」は、御本尊を唯一無二と信じ奉る私たちの胸中に輝き現れるのであります。ほかに幸せを求めても、結局は「何くも皆苦なるべし」で、真実の幸福は得られるものではありません。
 自ら勤行唱題に励み、菩薩の化他の行を展開しつつ、妙法の大輪の華を社会に咲かせゆくときに、今度はその社会じたいが、依正不二の法理によって、「寂光の都」となっていくのであります。
 日蓮大聖人の仏法は、化石の宗教、観念の哲学ではありません。それは蘇生の宗教、行動の哲学であります。「信心即生活」「仏法即社会」の原理に基づいて、自分自身と家庭を革命し、社会と国家の活性化をはかる、生きた仏法であります。
 妙法に南無して自らの福運を開き、生命力を高揚しながら、この一年間、家庭、職場、地域、組織という信心即生活の場に実証を示し、お一人お一人が価値ある日々を送っていただきたい。
 本年も、明るく仲良く朗らかに前進してください。皆さま方のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のメッセージといたします。

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