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日蓮大聖人・池田大作

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イタリア、関西、長野の合同研修会 青春の勲章は不退の信仰に

1985.7.31 「広布と人生を語る」第7巻

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1  イタリアの青年部を迎えての研修会を行うことができ、ほんとうにうれしい。今回の研修で新しい歴史を一ページができ上がったような気がする。
2  ある歌手の歌に「青春の勲章はくじけない心」という一節があった。その歌詞にはさまざまな意味があるように思う。
 青春時代に色心ともに鍛えなかった人は、四十代、五十代になって自分自身の信念、理想も崩れ、人生の敗北者となってしまうことが多々ある。逆に青春時代に苦労し、色心を錬磨しながら進んだ人は、四十代、五十代でその力が大きく花開いていくことは、私のこれまでの人生の経験のうえからみても結論されることである。
3  世界の一流の人、いわゆる成功者といわれる人は人一倍苦労し、努力もし、勉強もしているものである。けっして要領では人生に勝てない。社会にも勝てない――これは、すべての人々の人生における共通の結論でもあろう。
 もちろん、いくら努力し、苦労しても、人生には“宿命”という問題がある。しかし、その宿命まで打開し、みずからの運命を開き、最高の境涯とされる“真如の都”である仏界を湧現し、無量無辺にわたる功徳爛漫の人生を築いていくのが妙法の信仰である。ゆえに、妙法への信仰が、人生のもっとも根本的な意義をなしていることも忘れないでいただきたい。
 日蓮大聖人の仏法を信じ行じていることは、あらゆる宿命の打開とあらゆる苦労を最高度に生かしきっていける源泉なのである。
4  イタリアの若きリーダーである皆さん方が、信仰に励み、仕事に励み、イタリアの繁栄のために活動していることは、これ以上、尊い人生はない。すばらしいことである。
 その活動のうえに、生活をあくまでも大切にし、社会のなかに信仰を息づかせていっていただきたい。そうでないと、その尊い偉業も人々から信用されなくなってくる。信仰は即社会であるがゆえに、社会から離れていくようなことがあってはならない。
5  日蓮大聖人の仏法がイタリアにまで広がり、多くの若きリーダーが仏道修行と広
 布に励んでいる。メンバー数においてはアメリカ、ブラジル、東南アジアから比べると少ないかもしれないが、しかし、「千里の道も一歩から」である。今日の皆さんの活動は、歴史に残る不朽の大偉業の“第一歩”ともいうべきであり、将来のまちがいなき大発展への因果倶時の働きとなっているのである。その誇りと自覚だけは失わないでいただきたい。
 刹那的な楽しみを求めて浅くはかない人生を生きていく人もいるだろう。しかし、深く永遠性の仏法に則って、数多くの苦悩している若人たちに、人生のゆくべき道を教え、人々を幸福への確かな道へと導いていく――この人生の行き方こそ、若労は多くても何千億倍も尊い青春であり、人生であると申し上げておきたい。
6  日蓮大聖人の仏法は一生成仏の教えである。青春時代には信仰をしたが、それ以後は退転をしてもよいというものではない。これから、四十代、五十代、さらに六十代、七十代と信心を貫いて、長い人生を、最高に価値のある、有意義なものとしていただきたい。
 たとえ苦労があっても、それは将来に大きく花を咲かせていくための苦労であり、それが煩悩則菩提の仏法の功力であることを確信していただきたい。
 とくに青春時代の苦労と生きいきとした行動は、すべて長い人生の土台となっていくのである。どうか、一生涯、信心をしぬいていくことが、信仰の根本姿勢であり、立派な完成の人生を築いていくことを深く銘記していただきたい。
 ゆえに青春の勲章は、生涯の栄冠に通じていくものでなければ価値がないし、その意味で真実の青春の勲章は、不退転の青春信仰者に贈られるものであると申し上げたい。

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