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練馬区第二回記念懇親会 信心指導こそ広布の潤滑油

1984.12.14 「広布と人生を語る」第6巻

前後
1  この練馬も、昨年の二月の第一回懇談会で、互いに決意しあい、約束しあった目標を、立派に完遂された。その労苦に対し、心から敬意を表したい。
 この1年間も、終わりに近づいた。同じ1年間といっても、五年分にも、十年分にも、充実し価値あるものとする人もいるし、逆に、平々凡々と、何の価値もなく無意味な一年を送ってしまった人もいるだろう。なかには、大勢の人に迷惑をかけっぱなしの一年間であった人もいるかもしれない。
 その意味で、私どもは幸いにも、最高の大方たる日蓮大聖人の仏方を信奉し、広宣流布に進みゆく人生であり、まことにすばらしい一年を送ることができた。生活を、家庭を、そして自分を大切にしながら、信心によって有意義な、そして価値ある一年の年輪を刻んでいけることは、なんと幸せなことであろうか。
2  練馬も、同志の方々の深い信心と、強き一念の行動によって、偉大なる歴史を築いてこれられた。その功徳も大であると信ずる。また、若き光景の分部副男子部長、外松区書記長等の人材群も続いている。これからもとうぜん、印南区本部長は重鎮として、練馬広布に走ってきた大塚区副本部長を軸に、異体同心の決断で前進をお願いしたい。
 団結は力である。大きい目標と連動の力をもった団結には、それぞれの力が、加算ではなく、掛け算による力となり、発展となることを知ってほしい。
 そして、三人の区長も区本部長と同じ責任と資格で学会本部と直結し、連動していくようにお願いしたい。一人の区長の連結よりも、三人、四人の区長に広がった連結は、すばらしい発展力を発揮していくからである。
 学会本部には、秋谷会長も健康を回復し、式をとっている。多くの副会長も、皆さまの親しい最高幹部も多数いる。ゆえに遠慮なく、連絡、報告をし、指導を受けて、呼吸をあわせながらの前進をお願いしたい。そこには、全会員のためへの活性が倍増されていくことはまちがいないからである。
3  この数年間は大きな嵐の連続であった。しかし見事にすべてを乗り越え、広布の前進ができた。その勝ちきった姿を見届けるかのように、安心しきって去された方々もおられる。未曾有の連続の法戦であるがゆえに疲れ、病にふした人もいる。
 ともあれ、私は一時休戦している「忘れ得ぬ同志」を来春のよき日から再開し、この方々のことを後世のために書き記したいと思っている。
 信心なき人にも長寿の人もいる。健康の人もいる、また短命の人もいる。と同じく、信心していても長寿の人もいれば、病弱な人、また、短命の人もいる。「生」「老」「病」「死」は不変の真理である。信心がなくても経済的には裕福な人もいるし、信心があっても貧しい人もいるだろう。
 しかし、仏法に説く真実の内面の幸せというものは、けっして、一時的な外面からはかることのできない深さがあるのである。
 ここで大事なことは、信心なる人と信心なき人の決定的な差としていえることは、かならず、一生涯という尺度、三世という尺度からみた場合には“幸福”と“満足”への方向づけだてはまちがいないという事実の法理なのである。
 信心の目から、また仏法で説く法眼、眼の次元から、信解していくならば、それぞれの信心の厚薄によることは当然のことながら、去された方々は、経文のごとく「更賜寿命」となっているのは、絶対に事実なのである。
4  本年の入信者は二十七万世帯を超える。まことにすばらしい日蓮正宗創価学会の発展の姿である。大御本尊の御意向は、中天の太陽のごとく、燦燦と輝いている。その功徳を満喫しながら、明年も前進していっていただきたい。
 また、新入信者のうち、薬四十三パーセントが青年である。青年部の活躍、成長はまことにめざましい。二十一世紀の大部隊に躍り出る青年部後継の人材の流れは、明確にでき上がったと、私は心から喜び、安心もしている。
 その広布の上げ潮の中で、明年は創立五十五周年を迎える。さらに、五年後の創立六十周年には、大石寺開創七百年の佳節を迎えることとなる。この素晴らしきこれからの五年間の見事なる出発をと決意していしだいである。
5  足元を固め着実な前進
 すべてにおいて「小事」が「大事」である。火災、交通事故への注意、家庭内の和、近隣との礼儀や信頼関係、職場での良識豊かなる振る舞いや人間関係等々、細かに思える点を大事にし、足元を固めていくことが、大切なのである。
 華々しい大きな会合での指導や講演もとうぜん大切である。勇ましく広布への式をとりゆく活動もとうぜん大切である。しかし、その半面、さまざまな会合や登山会や諸行事にあって、小さな注意を払っていくことは、さらに大事であることを忘れてはならない。
 たとえば、会合で室内が暑い場合には、窓を開けて新鮮な空気を入れるなど、幹部は全参加者のために、あらゆる角度から気を配っていくことを忘れてはならない。
 私ども幹部の責務は、すべてにわたって安全と無事故に留意、配慮していくことである。細かいことにむとんちゃくで、これでよしとの増上漫の姿は、まことのリーダーではない。さらに、陰で辛労を尽くしている方々のことをけっして忘れないでいただきたいことを切望する。
6  学会本部でも各地の会館でも、個人面接の指導を行っている。これは、まことに地道であるが最大に重要な行事であること私は思っている。私も個人指導をしばしばするが、これほど疲れるものはない。本人にとっての人生の岐路に立つ解決であると思うと、その責任のため、神経が疲れる。この席を借りて、今年も個人指導の面接にあった幹部の方々に心から御礼申し上げたい。
 私どもはなやめる友の指導者である。信心についての指導、人生の問題、生活の問題、社会にあっての問題等々、その適切な指導は、まことに重要であり、これこそ広宣流布を推進しゆく潤滑油であると申し上げたい。
 つねに指導にあたっては、相手が納得するよう解決をしていかねばならない。勝って気ままの、こちらだけの話では、相手には通じないからである。新時代の指導者の要件は、つねに優しく、つねに確信をもち、つねに包容力をもち、そして明快に納得できるように指導を行っていくことである。
 そのためには、私もそうであるが、幹部は自分自身を鍛え、磨いていかねばならない。
 練馬は、人材の層もまことに厚い。明年も明確な目標を縦、自信をもって一年間の前進をお願いしたい。朗らかに、また朗らかに上機の境涯で日々の生活と法戦を念願し、私の本日の話としたい。

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