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東南アジア青年部研修会修了式 若き諸君よ、東南アジアの指導者に育て

1984.7.20 「広布と人生を語る」第6巻

前後
1  諸君の前途を心から御本尊に御祈念させていただいた。来日にあたっては、経済的にも大変だったと思うが、総本山に参詣され、広宣流布のための研修を行い、本日立派に終了されたことを、私は心からたたえたい。
 諸君の前途は無限に開けている。洋々たるものであり、信仰を根本にした苦労は、すべてが自分自身の建設につながるものである。
 年配になると、自分の保身のため、利害のため、身も心も濁りやすいものだ。そのような人には、過去はあっても未来はとぼしいといえよう。それは天然の理でもある。ゆえに若き諸君が、次の時代を受け継いでいかなければならないのである。
 その意味でも、生命の財宝をいやがうえにも輝かし、つねに、未来に伸びゆく進歩と成長の人であってもらいたい。諸君には、いまは苦しくとも、あらゆる満足の人生が待っている。その未来の一つひとつを獲得していくための偉大なる信仰であることを知っていただきたい。
2  本日は、平凡にして、ささやかな日にみえるかもしれない。しかし、三十年後、四十年後と歳月の経過とともに、この日が、諸君の国々にとって、また諸君の人生にとって、光輝ある歴史の日となることを、私は断言しておきたい。
 日本においても、三十数年前、若き男女青年が、妙法のもと、人生の師である戸田城聖先生のもとに集った。そのときの人数は、ちょうど、ここに集ったメンバーの数と同じく数百人であった。
 それが今日では、何百万人を擁する、日本、いな世界一の青年平和集団、正しき信仰を持った模範の集団となっている。その歴史的事実から、同じ方程式で、御本尊に照らされ、信心の偉大なる力によって、三十年後、四十年後にはかならず各国において、この日がいかに歴史的な日であったかが、実証されていくにちがいない。
3  私の入信は十九歳のときであった。以来、戸田先生に、妙法と信心のすばらしさ、人生のあり方を教わった。そして、妙法は永遠不滅にして、宇宙の根本法であることを、長い信行の実践のなかで、明瞭につかむことができた。すばらしい人生の師・戸田先生に会えたがゆえに、仏法の偉大さもわかったのである。
 必然のことであったが、かずかずの非難、中傷、大難もあった。しかし、どこまでも戸田先生の指導どおりに、私は、創価学会の広宣の大道に、この身を捧げてきたつもりである。
 以来入信して三十七年――。無学で体も弱く、貧困であった私は、妙法の御力と、戸田先生の指導、薫育のおかげで、人間革命の証を示すことができたと信じている。
 諸君は、私以上の成長と前進、人間革命の実証をしゆくことはまちがいないと信ずる。
4  御本尊は絶対であられる。しかし、功徳は信心の厚薄、強弱によるのである。それは自分自身の一念の問題であることを知っていただきたい。
 御聖訓にあるように、法は「人」によって弘まるのである。ゆえに、信心している個々人が、社会で、職場で、バカにされるような存在であってはいけない。“努力”と“信心”と“向上心”をもって、人格をみがきにみがき、立派に成長していくことが大事なのである。
 とともに、一生涯、信心を貫いていくことだ。「一生成仏」の信心であり、生涯、信心を貫いてこそ、初めて信心したといえる。途中で退転しては、真実の信心とはいえないのである。
 個人も、一家も、会社も、団体も、さらには一国も、栄枯盛衰という時の流れはまぬかれえない。栄えてた人も、時代とともに滅びる。また、大繁栄していた国が、いまでは衰微している姿も、現実に見られるとおりである。
 と同じ原理で、日本の国も過去においては、傲慢にも他国を侵略した時代があった。しかし、それは永く続かなかった。今の繁栄も、どこまでも続くかはわからないものである。
 諸君の国は、諸君たちが守り、担い、繁栄させていくしかない。どうか、そのためにも、まず自身が力をもち、二十年、三十年、五十年先は、社会のあらゆる分野に、あらゆる開創において立派に成長し、人々の幸福と社会の繁栄の基盤を築いていってほしいのである。
 私は、東南アジアの国々が、日本以上に栄えていくことを、心から御祈念申し上げるものである。
5  使命を果たす人は栄光の人
 仏法の眼から見るならば、諸君は今、諸君の国の広宣流布のため、久遠元初に誓って生まれてきたのである。諸君は、それぞれの国の広宣流布の偉大なるリーダーであることを確信していただきたい。
 誓いを果たす人、使命を果たす人は栄光の人である。果たさぬ人は、敗北の人となってしまう。
 ともあれ、その国で題目を唱える人が多くなればなるほど、あらゆる機能が順調に発揮され、国は不思議と繁栄するものである。
 日本の国をみても、終戦時は最大に貧しい国であった。敗戦の荒野に戸田先生が一人立ち上がって、日蓮正宗を外護申し上げ、創価学会を再建し、そして年々、多くの同志が題目を唱えるようになってきた。ゆえに、日本はすべての機能が、よい方向へ、よい方向へと発揮され、今日の不思議なほどの繁栄がなされたのである。
 諸君は、この力ある大法を知っているがゆえに、いまは無名であっても唱題の力によって、立派に国を繁栄させていく原動力になっているのである。また、各国の柱のような存在であると、自覚されたい。
6  諸君の力によって、その国に題目を唱える人が多くなれば、つまり仏法が流布していけば、その国は「立正安国」の法軌に入ったといってよい。
 しかし、一国が「安国」であるためには、当然のことであるが、外の国国も「安国」でなければならないし、そうでなければ真実の平和と安定はない。それぞれの国が、すべて「立正安国」となったときに、真実の世界平和――世界の「立正安国」が実現するわけであり、これを仏国土というのである。
 その世界の「立正安国」の足元を固めるのは、それぞれの国であり、各国の足元を固めゆくのは、それぞれの国の個々の信仰者である。その意味でも、諸君こそ、自国の「立正安国」と、世界の永遠にして崩れざる「立正安国」の崇高な担い手なのである。
 どうか人生と信心の先輩を大切にしつつ、諸君が早く生い立ち、その国の広布のいっさいを光景していただきたい。
 また、あくまでも、その国の法律、風土、慣習、文化を、最大に大切にしていくべきである。それらを土台にしての広宣流布の運動であることを、けっして忘れないでいただきたい。
7  諸君は、諸君の国を絶対に戦乱に陥れてはならない。そのためにも祈りに祈ることである。妙法の力用が無限であり、仏子である諸君の祈りがあれば、諸君の国は、平和と安定と繁栄の方向へ回転しゆくことを確信されたい。
 正法受持の諸君は、何ものをも乗り越える力があることを知らねばならない。また、仏子の祈りがあるところ、ありとあらゆる功徳がわいてくることを確信されたい。
 最後に、各国のリーダーと育ちゆく諸君の一生涯の栄光と、諸君の国の繁栄、無事安隠を祈り、本日の心からなるメッセージとさせていただく。

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