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ルーマニアでの歓迎宴 世界平和のために友好交流を

1983.6.6 「広布と人生を語る」第5巻

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1  尊敬するルーマニア社会主義共和国の指導者の皆さん、本日、私ども創価学会訪問団に心あたたまる歓迎宴の催しを開いてくださり、一行を代表して衷心より御礼申し上げます。
 ブカレストのもっとも美しい季節にお招きをいただき、このように両国の友好の歴史的な第一歩をしるさせていただき、ほんとうにありがとうございます。
2  昨日は、仏法者として、ルーマニア建国の指導者の眠る国家英雄の碑に献花し、ご冥福を心より祈ってまいりました。またルーマニアのあすを担う若き力・ピオネール少年団の代表とも、交歓してまいりました。そしてきょうは、今回の初訪問を実現してくださいました民主主義社会主義統一戦線(FDUS)の代表の方々と、長時間にわたって意見の交換ができ、うれしく思っております。
 なお、今朝はシュテファン・アンドレイ外務大臣とも、イランにご出発の前、約三十分にわたって会見できましたことも、感謝しております。
 ともあれ、ブカレスト滞在三日間でお会いしたすべての方々に共通して感じますことは、外国からの訪問者に対し、じつにあたたかなまなざしをもって迎えてくださることです。
 かつて日本でルーマニア大使と会談した折、ルーマニア人の気質について「われわれは人と接するときにはつねに笑みを忘れない。いかなる状況のなかでも、それは習慣となっている」と語っておられたひとことが、印象深く残っております。現在のルーマニアの著しい発展の源泉も、一次元からみるならば、この明るい民族性によるものではないかと思っているしだいです。
3  きょう六日は、私ども創価学会の創設者である牧口常三郎初代会長の生誕百十二年の記念日であります。牧口初代会長は、暴虐なファッショ権力の弾圧によって獄死しました。また戸田第二代会長も二年間の牢獄生活をおくり、迫害の連続でありました。世界に二度と軍国主義の横暴を許してはならないというのが、私どもの信念であります。
 ルーマニアの偉大な指導者、チャウシェスク大統領閣下も、ファッショ権力の弾圧により、若き日を獄中におくられたとうかがっております。私どもは、幾多の試練を乗り越え、己が信念を貫かれた建国の労苦に対し、甚深の敬意を表するひとりであります。
 わが創価学会は、仏法を基調として、平和・文化・教育の推進をはかりゆく行動の団体であります。その第一の課題は、平和であります。私はそのために日本国中をまわり、世界をまわっております。とくに日本においては右傾化の恐れもあり、つねに私は迫害を受けながら戦っております。
 ともあれ、平和こそ人類の悲願であります。それを阻害している最大の要因は、不信感に尽きると思います。私は、この人類の厚いカベとなっている“不信”を溶解させるものこそ、教育、文化、と民間の親しい交流にあると信じて世界をまわっております。
 まずおたがいに人間であるという、この平凡にして素朴な発想基盤に立ち、貴国の方々と率直に語りあい、友好交流を深めてまいりたいと念願しております。とともに、貴国の明るい民族性、建国の息吹、誠実にして公平な理解、あたたかい厚意を、日本の民衆に伝えるよう最大の努力をはらってまいるつもりであります。
4  なお本日は、在ルーマニアの日本大使館の長谷川大使にもお忙しいところおいでいただき、心より感謝申し上げます。
 最後に、今回の初訪問にさいし、かずかずの友情をさしのべてくださいましたことに、心より「ムルツメスク(ありがとう)」と申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

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