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日蓮大聖人・池田大作

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第5回NSA信心懇談会 世界平和に仏法で貢献

1981.3.9 「広布と人生を語る」第1巻

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1  ハワイのこの地は、いにしえから「永遠の正義の土地」といわれている。真実究極の永遠の正義とは、妙法をおいてはない。この妙法の徒として、この地をさらに繁栄させ、豊かな世界の夢の地にしていただきたい。「法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し」の御聖訓を身をもって顕現していかれるよう祈ってやまない。
 このたびは、NSAならびに中南米の国々からご招待をいただき、心より感謝申し上げたい。皆さま方のご尽力によって、まったく無事故で、初期の目的を達成できたことに感謝申し上げる。
2  いずこの国の人も、世界の恒久平和を願望している。とうぜん、それが人類の目的であり、熱願であることはいうまでもない。その目的を達成するために、政治家は政治の次元で、教育者は教育の次元で、経済人は経済という次元で、それぞれ努力していることもまたもちろんである。
 私どもは、宗教の次元で、なかんずく日蓮大聖人の三大秘法の仏法の次元で、その恒久平和への尽力をしているのである。なかんずく私は、真の仏法を基調にして、平和、文化、教育をもって推進、貢献したいと念願している。
3  海外にあって、二十年前にまいた妙法の種が、時とともにしだいに繁茂してきたことがうれしい。まかぬ種は、生えるわけはない。いずれの国のメンバーも、多少の課題はあるにせよ、よく健気な信心に励んでいる。また、各国の執行部の方々も、いじらしいほど団結し、その国の社会へ貢献している。その姿に私は頭が下がる思いであった。
4  昨日、ロサンゼルスの中堅幹部の方々と懇談した。そのなかの一人が、鋭く厳しく次のようにいっていた。
 役職も、下のほうから一歩一歩着実に、組織活動をつみあげてきた人が、いちばん信用もできるし、人格的にも尊敬できる。庶民の苦労もわかるし、指導もまた堅実で、あたたかい。こういう人こそ、実質的な真実の広布のリーダーといえるのではないか、と。
 それに反して、はじめから目立つ存在になろうとして、自己の名聞のみを重んじて、実直な信心修行と生活態度のない人は、いくら幹部でも信用できないし、尊敬できない。日本でもアメリカでも、その原理はどこでも同じではないか、というのであった。
 私は、心から傾聴すべき言であると思った。
5  ところでハワイのNSAにおいて、無尽で大きな迷惑をうけたり、信心を疑ってしまうような事態があったとうかがった。これは、日本でも過去にいくつかあった。結局は、全部、信用を失い、損をし、つまらない目にあっている。このようなことは、個々の人のエゴの欲望から出たものであって、信心の世界には関係がないということを、全組織の人がわかっていくべきである。今後も、同じような手口もあることと思うので注意してほしい。
6  とくに幹部は、できうるかぎり多くの方々と語りあうべきである。組織のうえにあぐらをかいてはならない。そして個人指導をとおし、偉大にして正しい仏法を説き、信心のすばらしさを知らしめていくことである。その地についた実践が、とりもなおさず、自己の成長につながっていくことを知るべきである。御書があるし、機関紙もあるからといって安心してはならない。
 メンバーは、リーダーと会ったときに、そのリーダーの信心の確信、立派な姿勢、誠実な行為に打たれて、自身の信心の触発にしていく場合が多いのである。
7  ともかくメンバーは、リーダーの適切な指導を待っていることを忘れてはならない。
 指導的立場にある人は、大勢の会合で講義し、指導をすることも必要ではあるが、より多くの個々の人と会って対話をすることが大切である。上から教える会合だけではなくして、一人ひとりとじっくりと対話をしながら、胸に直接感動をあたえる個人指導、家庭指導が大切である。とくに壮年リーダーにお願いしたい。小事こそもっとも大事であることを忘れてはならない。
 多忙のなか、幹部の皆さまは、メンバーの方々からさまざまな質問をうけることもあろう。それに対して、リーダーは、忍耐強く答えてあげていただきたい。感情的になってはならない。
 仏の別号を能忍と説かれている。私どもはその門下であり、信徒である。ゆえに、これも自身の一つの修行と思って取り組んでいただきたい。
8  しかし、いくらその理屈がわかっても、しょせんは、題目を唱えることしか功徳はない。その対話も、結論するに、御本尊への勤行・唱題に導くことにある。いくら明快な理論で論じても、また相手が納得したからといっても、それだけでは意味がない。あくまでもその目的は、その人が信心、勤行を深めていくための実践につながらなければならない。
 また、指導をうける人も同じである。質問と説明だけでわかったということの繰り返しでは、観念であり、真の解決はないからである。
9  あすは、再び「開目抄」の一節をとおして、おたがいに信心を磨きたいと思っている。今回、いろいろお世話になった関係者の方々に心からの感謝の念をお伝え願いたい。
 なお、世界の国々へ姉妹交流で激励行においでくださった日本の方々にも深くお礼を申し上げたい。いずこの地にあっても、その国々の人々から、交流団の毅然とした誠実あふれる行動は、まことに立派であり、教わることが多かった、と讃嘆されていた。私も、この席を借りて、心から敬意を表するものである。
10  次の海外訪問の予定は、ソ連、ブルガリア、西ドイツ、イタリア、フランスなどとなっている。かつて約束をしながら、繁多のため、数年以上も訪問していないので、ぜひ約束を実現したいと思っている。とともに、ひきつづいて六月に、シカゴでの世界平和文化祭、ならびに当地にも再びおじゃまし、信心をいちだんと磨きゆくための談合を楽しみにしている。
 最後に、ウィリアムス理事長をはじめ、さまざまのご尽力をしてくださった方々に、心からお礼を申し上げたい。

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