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日蓮大聖人・池田大作

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第1回世界教学最高会議 信心のための教学を

1981.1.14 「広布と人生を語る」第1巻

前後
1  本日は、NSAをはじめ、各国の代表の方々にお集まりいただき、第一回世界教学最高会議を開くことになった。これは、すでに第一章ともいうべき二十年間で多くの教学陣の体制をととのえてきたが、広布第二章に入り、ここで再び、これからの教学についての基本精神を確認したいからである。
2  あまりにも有名であり重要な諸法実相抄の「一閻浮提第一の御本尊を信じさせ給へ、あひかまへて・あひかまへて・信心つよく候て三仏の守護をかうむらせ給うべし、行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし」と仰せの一節は、日蓮大聖人の正統の門下として、また日蓮正宗のメンバーとして、これほど大切な信心修行の指導はないことを知らなければならない。
3  日蓮正宗創価学会の根本中の根本は、一閻浮提総与の本門戒壇の大御本尊であることはいうまでもない。しかもその大御本尊は、日蓮正宗に厳然とおわします。そして宗祖日蓮大聖人より第二祖日興上人、第三祖日目上人と代々の御法主上人猊下が法水瀉瓶・血脈相承され、現在は、第六十七世日顕上人猊下に、いっさい受け継がれているのである。ゆえに私どもは、日顕上人猊下の御指南を拝しつつ、正宗の伝統と法義をふまえながら、勇んでそれぞれの国で、それぞれの地域で、信心向上のための教学を研鑽し、おおいに広宣流布に邁進していただきたい。
4  「行学の二道をはげみ候べし……」の「行」とは、実践であり、自行化他にわたる唱題・折伏のことである。「学」とは、教学である。この行学に励みゆく者こそ、真実の正宗の信徒であり、日蓮大聖人の門下である。励まなければ日蓮大聖人の御聖訓に反するといってよい。また、この二道を終始、実践しなければ、もはや仏法とはいえない、との仰せである。
 その行学も「信心よりをこるべく候」との仰せをよくよく銘記されたい。信心とは、本門戒壇の大御本尊を絶対と信じたてまつり、いかなる脅し、いかなる迫害、いかなる誘惑があったとしても、絶対、不退にして屈せず、ひたぶるに御本尊を受持したてまつり、広宣流布に邁進していくことである。
5  行学は、信心を機軸にした、車の両輪である。
 したがって、いくら教学のみを知っていても、実践がなければ、偏った状態である。過去にも、そのような傾向におちいり、われ偉しと思い高ぶり、正信の人々からもその心を見ぬかれて、退していった人もときにはいた。
 教学といってせ苦手の人もあろう。しかし、教学は観念で覚えるものではない。教学を学んでいこうという信心の姿勢に意義があることはいうまでもない。
 また、私たちは、いわゆる職業的仏教学者をめざすのでもない。信心と広宣流布推進のための、成仏への教学であることを知らなければならない。
 したがって、教学のみがいくらすぐれていたとしても、信心がなければ、大聖人の御聖訓に反してしまうのである。それでは、信心のための教学ではなくして、自分自身の慢心と虚栄のための教学となってしまう。また、人々を軽してわれ高しと思う教学であるならば、もはや大聖人の仰せの精神ではないということを忘れてはならない。よくよく、この厳しき一点をはき違えないでいただきたい。
 戸田先生の指導にもあるとおり、信心が進めば行学が要請されるし、行学が進めば信心はいちだんと深まっていくのである。
6  日蓮正宗では、日蓮大聖人を末法の御本仏と仰ぎたてまつるが、他宗は御本仏と仰がず、菩薩として立てる。これは根本的な相違であり、われわれのたもつ仏法が唯一最高であるゆえんはここにある。
 とくに、海外のこれからの時代においては、各人が大御本尊の功力を満喫しながら、この甚深にして難解の御書を学び、さらに、あらゆる階層の人々に信心の確信を広げつつ、進んでいかれんことを祈ってやまない。
7  ここで具体的な提案を申し上げる。この一年、まず各国、各方面で協議会にもとづいて、月に一回「教学の日」または「教学研鑽の日」を決めて、おおいなる教学の振興に力をいれていただきたいと考えるがいかがであろうか。(全員賛成の挙手)
 いままでの教学陣をさらに整備し、信行学をともにすぐれたリーダーであることを基準として、御宗門とも相談しながら、新しい教区の認定証を交付することと提案したい。(全員賛成の挙手) 
 御書は深遠なるがゆえに、全巻にわたっての各国語の翻訳は、残念ながら、まだ完成していない。したがって今後、本日参集のリーダーの方々をはじめ、多くの教学陣のなかから“現代の羅什三蔵”ともいうべき翻訳陣を養成していただきたい。
 そして厳格にして見事なる世界広布のための翻訳が進みゆくように願ってやまない。(ハワイ会館)

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