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日蓮大聖人・池田大作

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発刊の辞  

「広布と人生を語る」第1巻

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1   走りたり 三十五歳の 広布かな
 本年八月二十四日、入信満三十五年の佳き目を迎えた池田名誉会長は、その心境をこう詠まれた。十九歳で入信して以来、一日たりとも休むことなく、広布大願のために一筋に走り抜いてこられた、まさしく疾風怒涛のごとき三十五年間であった。
 とくに、名誉会長に就任されてからのこの三年余の間、先生は徹底して一人ひとりに光を当て、国内、国外を問わず、出会う人ごとに、また一つ一つの会合に、渾身の指導と激励を続けてこられた。人生即広布、広布即人生――それは、先生の信条の昇華を見るがごとき法戦であったといってよい。
 「立場や肩書きがどう変わろうと、たった一人になったとしても、広布のために指導者は前進するのだ」
 まさに、今日の学会の未曾有の上げ潮も、この強靭な一念に立たれた先生の不情の連続行動と、ひたすら全会員の幸せを願い、信心を開き、実践の方向を明示された数々の指導、激励があったればこそであった。
 どこまでも正法を護り、広布達成の願業を貫く学会精神とは、実にこの先生の精神にはかならないことを、私どもは、とくにこの三年余における共戦をとおし、身をもって知ることができたのである。
 本書は、その魂の指導集である。
 待望久しい指針集が、今回、先生の諸を得て「広布と人生を語る」として発刊の運びとなったことは、これほどの喜びはない。二十一世紀をめざす新たな建設の船出にあたり、この一書あれば、創価学会の未来は、さらに盤石なりと深く確信するものである。
 一つ一つの指導は、時に応じ、人に即したものではあるが、そのなかに、信仰と人生の基本と真理が、また、広布と平和と文化への展望が、深く鋭く展開されている。
 また、理不尽極まる誹謗、中傷の嵐の中で、魔の本質を看破し、確たる広布の未来を見すえて、悠然と指揮をとられた先生の洞察、大確信に、今さらのように感嘆の念を禁じ得ないのは私一人ではあるまい。
 本書は、各地での指導をはじめ、随想、青年たちへの詩、記念講演等を、年月を逐って分類、編纂し、各巻の巻頭には、折りおりの短文指導、和歌等も配するようにした。
 また、揮毫のほか、先生の撮影による写真も、多数掲載させていただいた。
 なお、膨大な量にのぼるため、本書収録の多くは要旨をまとめたものであることをご了承願いたい。
 本書を手にされるすべての読者が、さらに、みずからの信心を深め、希望と勇気に満ちみちて、ともどもに広布建設に励みゆくなかで、見事なる人生の開花をなしゆかれんことを願うものである。
 昭和五十七年十月二日 創価学会会長 秋谷栄之助

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