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全国会員の皆さまへ 聖教掲載

1979.4.25 「広布と人生を語る」第1巻

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2  第一は、私自身、会長に就任して以来十九年、一人の人間の存在期間としてはあまりに長すぎるということであります。その間、皆さま方にはご無理を願ったり、ご迷惑をおかけしたり、まことに申しわけなく思っております。私にとっても悔い多く、反省多き昨今でありますが、私も、正法広布のため、また恩師の理想実現のために、活躍させていただいたつもりであります。
 しかし、正直いって体も限界にきております。生来、病弱な体を大御本尊の偉大な功力と皆さま方の真心の応援で、ここまで健康にしていただきました。その大恩のためにも、まだまだご奉公していかねばならないと決意しておりますが、学会の恒久的安定を考えると、私がまだ健康でいるあいだに次にバトンタッチし、その新しい学会が、御宗門のため、社会のため、会員諸氏のために、活動していく姿を見守らせていただくことがいちばん正しいと、ここ数年来、熟慮してまいりました。
 そしてここに、北絛新会長をはじめ、牧口、戸田の二代会長の門下生を重鎮とし、二十一世紀を託す青年の人材が続々と勢ぞろいした今日こそ、そのもっともふさわしい時期であると考えたのであります。
3  また第二に、四十五年以来の懸案であった社会と時代の要請に応える学会の制度、機構の改革も、ここ十年来の着実な積み重により、着々と具体化し、それらをふまえた会則も、多方面の方々と相談しながらこのほど制定されるはこびとなり、次代へ向けて全員で協議しあって進みゆける一つの段階の体制もととのうことができました。その理由からも、これからは、学会の前途に対し、会の運営については安心して託せる展望ができたからであります。
4  さらに第三として、これは少し個人的なわがままになるかと思いますが、私自身も近年、仏法を基調とした平和と文化、教育の推進に微力ながらそそいでまいりました。この広宣流布の一次元の活動は、今後、日本のため、世界の平和のため、ぜひ、さらなる道を開いておきたいと念願しております。それには、時間的にも余裕をいただきたい。また、いっしょに活躍してきた、全国にわたる功労者のご家庭にも、激励やらお見舞いにうかがえればと願っております。そのほか執筆等も、自由にさせていただきたいと思っております。
 なお、このさい会長辞任とあわせて、私は二十二日、御法日達上人猊下に法華講総講頭の辞任を申し出ました。これは、近年、御宗門との関係で、皆さま方に多大なご心労をおかけし、御法主上人猊下のご宸襟を悩まし申し上げてきたことに対し、過去の経過のいっさいの責任をとらせていただくものであります。明二十六日には総本山に参詣し、御法主上人猊下に辞表を提出申し上げる予定であります。
 これに対し、もったいなくも御法主上人猊下よりは、その日に名誉総講頭の辞令をさしあげたいとのありがたいお言葉をたまわりました。これも猊下の深いご慈悲のたまものであり、なおいっそうご奉公させていただく覚悟であります。
 また、今後については、今回、最高教導会議の設置も決まり、御宗門の指導を十分にうけて協議願いながら、和合の道をつくっていくことになっておりますので、この点、よろしくご了解お願い申し上げます。
5  私の辞任にあたって率直な気持ちを述べさせていただきましたが、どうか皆さまにおかれましては、この私の気持ちをご理解していただきたいと念ずるものであります。
 新たに到来する八〇年代へ向かって、御宗門をはじめとし、社会、世界に、信頼と安定の創価学会をば、新会長を中心に立派にもり立てていただきたいことを、衷心よりお願い申し上げるものであります。
 以上、簡潔ではありますが、私の意思をそのまま述べさせていただきます。

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