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复旦大学図書贈呈式でのあいさつ  

1978.9.13 「広布第二章の指針」第14巻

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1  尊敬する蘇歩青先生ならびにご列席の复旦大学の諸先生。ふたたび复旦大学を訪問することができ、また皆さまから心あたたまる歓迎をうけ、一同を代表して心より御礼申し上げます。たいへんありがとうございます。
 今回の第四次訪中団については「日中平和友好条約」の締結の時といっしょになりました。一九六八年九月、私は断絶していた日中の国交正常化と永続的な平和友好を訴えました。以来十年。その間のさまざまの曲折を思うとき感無量の思いがいたします。
 そして同時に、日中関係も新たな第二章に入る、いよいよこれからだという未来への洋々たる決意と期待がいや増すのでございます。
 今回も私の真心として、自然科学関係の専門書等、日本の書籍一千冊を寄贈させていただきたいとぞんじます。四つの現代化をめざされる貴大学の皆さま方に、少しでもお役に立てば――との願いをこめました。
 中国と日本とは戦争という不幸な時代もありました。しかし、平和の時代の人々の往来は、両国の文化の発展に大きく寄与してきました。
 古くは日本から遣隋使や遣唐使が貴国の先進的な文化を学びました。
 近くは二十世紀に入ってからも、貴国の偉大な指導者であられた故周恩来総理をはじめ多くの方々が日本に留学されました。また一九〇四年に仙台医学専門学校に学んだ魯迅先生と解剖学教授であった藤野先生との心あたたまる交流は、日中の国境を超えた友誼を象徴するエピソードです。
 蘇歩青学長もまた、仙台の東北大学で学ばれたとうかがっております。
 こうした教育面の交流は両国の文化を豊かにし、明るい未来創造の大きな力になっていきます。
 ”人類の平和を守るフォートレスに!”という願いをこめて創立された創価大学には、貴国の留学生も日本語習得をめざし真剣な勉学に励んでおります。
 構内には故周総理を偲ぶ「周桜」があります。また日中の学生が力をあわせて開拓した農場があります。私はここを「日中友誼農場」と名づけました。今年は新たに二人の女子留学生が創価大学にこられています。
 これからも多くの方々が来学されることを熱烈に歓迎いたします。
 私はこうした地道な交流のなかにこそ、一人ひとりの心のなかに友情と信頼の絆が結ばれていき、それが未来に、絢欄たる友誼の花を咲かせていく原因となっていくことを確信しております。
 私は、いまは目立たなくともよい、コツコツと文化と教育の交流の道を歩んでいく決意です。
 とくに教育は、国の未来を決定しゆくもっとも大切な分野です。お互いによい面を学びあい、優れた点を取り入れていく――こうした教育交流の広がりは、これからますます大事であり、ともに力を合わせて進んでまいりたいと念願しております。
 最後に、蘇歩青先生はじめ諸先生のご健康と复旦大学のますますの発展を祈念し、私のあいさつとさせていただきます。

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