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日蓮大聖人・池田大作

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第5回各部代表懇親会 厳しき環境に自分を鍛えよ

1978.3.27 「広布第二章の指針」第13巻

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1  時代の変遷には、かならず開拓、建設、安定という段階があるといってよい。大なり小なり、歴史の流れはそのようなリズムがあるものだ。
 初代会長の時代と第二代会長の時代とは違っていた。また、第二代会長の時代と私の時代とは、時代も変わってきている。信心、精神は不変であっても、時代の流れによって、あらわれる形は異なる。これを無視することは愚である。
 ゆえに諸君は、精神的伝統を継承することは当然であるが、開拓、建設という次元においては、それぞれの時代にもっとも必要とされることを、みずから開拓し創造していくべきであることを忘れてはならない。
 根本は大御本尊への信仰心であり、大聖人の教えどおりの実践である。したがって、僧俗の和合を堅持し、同時に社会のなかにあって、社会と協調しながら信心を深めつつ、仏法の拡大を新しく考え、実践していっていただきたいのである。
 諸君は、過去の歴史のみならず、現在の流れもいちばんよく知っている。また、未来をどのように築いていくかという知性ももっている。諸君は、そうした時の流れを現在に融合させ、かつ大勢の民衆のためにもっとも価値的に結晶させていかなくてはならない。「不確実の時代」ともいわれるこの社会にあって、時の流れを広布の伸展に対応させながら、いかに一人の犠牲もなく、恒久性を樹立していくか。ここに、諸君の最大の任務があることをけっして忘れてはならない。
2  われわれも、広布のために幾度も難をうけた。それを信心と団結で、かならず打開して、さた。そのたびに飛躍した。その経験を通しながら人材が出てきた。
 この原理は、これからも変わらないであろう。腹を決め、使命感に立って難を打開していく姿にのみ、崇高な信心と偉大な成長がある。
3  信心、信心といっても――信心即社会である。観念の信心はありえない。厳しき現実社会のなかで戦い、努力し、信頼をえていくことが大切となるのである。また、一切法皆是仏法であるから、現実社会のなかで最大最高の人智を尽くすべきことも当然の理である。
 たしかに信心は根本であり、強盛でなければならない。そのうえで現実生活にあっては、鋭く賢明な所作、行為であってほしい。
4  人間というものは、しょせん、強いようで弱いものである。生活環境をはじめ、その他すべての条件が満たされていくと、いつしか目的を見失い、堕落していくものである。ともかく堕落は容易であるが、建設は難事中の難事といってよい。
 広宣流布という大目的に生きるわれわれは、堕落してはならない。また、現在は安楽ではないとしても、環境の厳しさが自分を鍛えてくれる。そして、厳しさに耐えた現実の実践が、やがて将来に大きく福運の花と開いていくであろう。
 どうか諸君は、この崇高な広布の流れを永続させていくことを生涯の命題として、後継者らしくその方向を生みだしながら、確信をもって遂行にあたっていくようお願い申し上げ、本日の指導とさせていただく。

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