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日蓮大聖人・池田大作

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創価女子会館開館記念勤行会 一人立つ自体顕照の信者たれ

1997.12.27 「広布第二章の指針」第11巻

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1  福運の法理
 この福運山創価女子会館は、広宣流布のため、二十七年間にわたって行進してきた女子部の歴史の結晶であり、福運を象徴する法城である。どうかこの皆さん方の新法城を、今後の広宣流布の拠点とし、新たな使命と責任をもって折伏、指導、人材育成等々に、おおいに活用しつつ、社会にその流れをつくっていっていただきたい。
 福運というものは、人生の幸福を築く最大の要件である。
 どんなに学問があり、また立派な家屋に住み、有名であったとしても、それらはすべていつ崩れるかもしれない相対的な幸福の条件である。これに対して、真実の幸福を築くためには”金”はどこまでも”金”であるごとく、絶対に崩れることも、変わることもない福運の法理が必要となってくる。
 世間でも福運のある人とか、福運のない人とかいわれる場合もあるが、それらは本来、相対的で無常のものであるうえ、とくにいまのような乱世の社会は、依正不二でそれらの福運を消滅させてしまう環境であるといってよい。
 日蓮大聖人は、万年の未来までの衆生に対して、福運を積み開く源泉として「南無妙法蓮華経」という宇宙の根本法をお授けくださったのである。この福運を積むための仏道修行だけは、惜しみなく実践しぬいていただきたい。
 しょせん真実の幸福とは、世間の毀誉褒貶を超えて、南無妙法蓮華経を唱えに唱えぬいたときに得られる生命の充実感のなかにこそあるということを知っていただきたい。
 これからの長い人生を生きる女子部にとって、いまは福運を積むための、もっとも大切な基本習得の時期ともいえよう。中学、高校時代が社会に巣立ちゆくための基本の蓄積時代であるのと同じく、皆さんにとっては、いまの青春時代こそ、福運の因を強固に築く時期である。
 どうか、このためにも朝夕の勤行のときには、心静かに深く、心願満足の信心をしぬいていただきたい。
2  真剣な信心
 戸田前会長は、仏法とは真剣勝負である、とよくいっておられた。宿命打開のため、広宣流布のため、そして大福運を積んでいくための真剣な信心のあるところに、福運が芽を出し、花を咲かせ、木の実をつけていくのである。
 また、「麻畝まほの性」という原理のごとく、われわれ凡夫は、一人では我見に陥ったりして、容易に持続の信仰ができない。ゆえに和合僧の組織のなかで互いに錬磨しあい、激励しあいながら前進していくことが大切なのである。
 私どもの仏法の世界は、信心を教え、信心で勉強し、信心を広めていく団体である。この求道者の集まりが、わが学会であるがゆえに、小さなことで文句を言いあったり、感情的に批判しあうことは愚かである。すべてが信心を深めるためであり、信心即生活の実践を進めていく世界であることを自覚すれば、それ以外のことは、枝葉の問題である。
 とかく大勢になると、根本精神が忘れられ、信心が薄くなるおそれも出てくる。広宣流布をめざす以上、多数になることは当然であるが、だからといって、そのために信心が薄くなることは絶対にあってはならない。
 大勢になったということは、結果である。どこまでも”一人立つ”という自体顕照の信心が本因なのである。したがって、どんなに大勢になったとしても、またいかなる苦難の時代になり、厳しい環境と直面しようとも”一人立つ”との自立の強盛なる信心だけは絶対に失ってはならない。信心は時とともに強くなっていくのが、まことの信仰者なのである。
 信心には、情熱が必要である。また明朗であることも必要である。情熱があるところに、信心も進み、宿命も打開され、折伏もでき、広宣流布の道も開けていくのである。また陰気な人には、人はついてこない。明朗な人に、人は寄ってくる。
 したがって、情熱のある人、明朗な人は、それぞれの地域の広宣流布においても、着実ねる進歩と成長の実証を残しているといってよい。
3  研修道場について
 次に、研修道場について一言申し上げたい。これまで先輩幹部からも話を聞いておられると思うが、いまから十数年前、箱根研修所ができたとき、御法主日達上人猊下より「三学道場」という揮毫をいただいた。この揮毫にちなんで、各方面にある研修所を、研修道場と改称することにしたわけである。
 寺院では宗門のあらゆる儀式が行われ、会館では、勤行、指導ならびに広布の運営に関する諸行事が行われている。
 研修道場を建設した理由は、この膨大な会員同志のために、次代を担う指導者の育成が急速に要請されてきたからである。市街地にある会館等では、思うぞんぶん、読経、唱題できないこともあった。また、夕刻の少ない時間では、充実した幹部の養成もできないということで、各方面からの強い希望と要望のもと、研修道場が設けられてきたわけである。したがって、これまでも数十人を単位とし、多いときは百人ぐらいで、勤行、御書の学習、信心の指導を全力で行ってきていることはご承知のとおりであるが、今後さらに充実した研修による人材育成が要請されており、おおいに活用し、成果をあげていっていただきたい。
4  ともかく戸田前会長は、実践の二字を忘れた人は、おおいなる福運は開けないであろう――といわれていた。かつての女子部の先輩幹部の多くは、現在の婦人部の中枢幹部となっている。これと同じく、現在の女子部の皆さん方が、次の世代の婦人部のリーダーになっていくことが、広宣流布発展のうえで理想的な流れであることを銘記されたい。
 今後の皆さん方のご活躍を心より祈ってやまない。

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