Nichiren・Ikeda
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静岡創価学会記念勤行会
人材を鍛え人材をみがこう
1977.7.23 「広布第二章の指針」第11巻
前後
1 来月の二十四日で、私も、入信三十年を迎えるにいたった。時の流れは速いものである。入会当時のことについては、小説「人間革命」にも詳しく書いてきたが、当時の創価学会は、まったく微々たる存在であった。しかし日蓮大聖人の仏法を、この五濁乱世の末法に広宣流布していくことは、このうえない名誉であるとともに、難事中の難事であることを、私なりに覚知していた。
したがって、この仏法広宣の途上においては、批判、中傷も競い起こるであろうし、波乱万丈の大難の人生となるにちがいない――と。入会の当初は、幾度も心のなかで煩悶したのも事実である。しかし、戸田城聖先生という一個の人間指導者との出会いをとおして、揺るぎない不動の信念に貫かれるようになったわけである。
戸田前会長の卓越した指導理念に接した方は、皆さんのなかにもおられるであろうし、よくご存知のことと思うが、この恩師が、私が入会して一、二年のころに語った一言が、いまも忘れえぬものとなっている。
それは”創価学会は、けっして満足すべき状態ではないかもしれない。であるならば、自分で理想の学会を築けばいいではないか”というものであった。私は、この一点からも、戸田前会長の雅量の大きさに驚嘆し、かつ創価学会のあり方を心から納得することができたのである。
以来三十年、私は前会長、そして牧口初代会長の示したあらゆる構想の実現のため、同志とともに、全身全魂を尽くしてきたつもりである。この意味においては、なんの悔いもない心境である。
2 恩師と歩み、恩師の構想実現に走りぬいた三十年間の私自身の歴史と同様に、皆さんもまた、同じく信仰三十年を目標に、自分自身として、今世の使命を悔いなく成就していただきたいことを、心から念願するものである。いわんや、すでに、皆さんは十年、二十年と信仰を続けてこられた、学会の柱ともいうべき方々である。また、三十年前と今日を比較してみるならば、われわれは、あまりにも恵まれた世界で活躍していることが実感できよう。
であるならば、これだけの創価の同志が、いちだんと団結を強め、おのおのの立場で三十年後をめざしていった場合、そこには、いままでに倍する輝かしい大偉業が達成されるであろうことは、絶対に間違いないと申し上げておきたい。
3 その意味からも、私自身の決意として、これからは人材の教育を最大の使命として、この一生を終わりたいと念じている。総じては、全員が人材であるが、一人ひとりを鍛え、磨くことなくしては、ほんものの人材は育たないことを銘記したい。
一般的にいっても、量の拡大のみを目的とした行き方には、真の永続性はない。永続的広布の観点からいっても、いよいよこれからは、一人の力を五倍、十倍にみがき、伸ばす作業が、なににもまして重要な段階に入っていることを、深く自覚していただきたい。
4 広布の将来を展望したとき、万代の礎を堅固ならしめるうえからも、学会の本流に呼吸を合わせつつ、あせらず、着実、堅実に、二十一世紀、さらには二十二世紀への流れを、より盤石にする基盤を、それぞれの地域で築いていくことが肝要といえる。
この時代即応の、仏法実践の作業にこそ、おのおのの福運を輝かせゆく仏道修行即人間革命の軌道も一切含まれているわけで、皆さん方は、この崇高な労働に挺していけることに、最大の誇りと確信をもっていただきたい。
静岡創価学会のいっそうの繁栄へ、新たな前進を開始していかれんことを、心より期待して、本日の指導としたい。(要旨)