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日蓮大聖人・池田大作

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牧口初代会長生誕106年記念勤行会 ”社会の信用”即”広布の姿”

1977.6.6 「広布第二章の指針」第10巻

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1  われわれは、御本仏日蓮大聖人のご遺命どおり、一貫して折伏、弘教に生き、広宣流布を進めてきた。それはとりもなおさず、楽土日本の建設のためであり、戦争のない平和な世界をつくるための、真剣にして誠実な開道の歴史であった。
 無名の庶民の汗と涙の連帯と誠意の行動によって築かれた、この尊い学会の歴史は、けっして名聞名利や利害の関係でつくられたものではない。先師牧口初代会長、恩師戸田前会長の死身弘法の精神、すなわち信心の極理ともいえる学会精神を継承してきたがゆえの結晶にほかならない。
 したがって皆さん方は、この偉大なる精神を継承し、勇敢に実践してきた、”仏子の世界”に名を連ねる名誉と確信をもっていただきたい。
2  戸田先生がよく「世間法」「国法」「仏法」という、いわゆる三法律をものごとの基準を見極める尺度とされていたことを思い出す。この三法律をもって個人個人の人生を考えてみた場合、時として国法律や世間法律にふれて失敗するようなことがあるかもしれない。しかしわれらは、あくまでも仏法者としての賢者の姿勢を貫き、失敗があった場合には心から反省し、それを変毒為薬して前進の糧としていく強い信念を失ってはならない。しかし、知りながら国法律や世間法律にそむき、社会から非難を受けていくような独善的行為は、広布即社会という道理に反するものである。
 ともかくわれわれは、社会のだれからも慕われ、信頼されていく人生でなくてはならない。信用厚く、そのことにより社会をリードしていくことが「信心即生活」「仏法即社会」の証明であり、この実践が広宣流布の姿であることを深く肝に銘じていただきたい。
 宇宙究極の法である仏法をたもち、実践しているという事実のうえにおいて、われわれは世界一の幸せ者といえよう。もとより、法華経法師品に「猶多怨嫉」と説かれているとおり、仏法弘通に諸難が競い起こることは必然である。だが、これを莞爾として受け止め、乗り越えてこそ、永遠の確固たる幸せの境涯も確立されるのである。
 長い人生の途上には、有為転変の波浪にのみこまれるようなこともあるだろう。しかし、殉教の精神に徹した人の生涯は、たとえ一時的には敗北を喫したようにみえても、御本仏の絶大なる称賛をうけることは必定であり、永遠の次元から論じた場合には勝利の実証があらわれてくることも、絶対に間違いない。
 熱原三烈士をはじめ、四条金吾などの姿が、七百年たった今日に燦然とその光彩を放っているのは、なによりの先例といえよう。
3  御本尊には、上行、無辺行、浄行、安立行の本化の四菩薩がしたためられている。「観心本尊抄」に「上行・無辺行・浄行・安立行等は我等が己心の菩薩なり」と説かれているとおり、この四菩薩の境涯を、われわれは信心によって自らの生命に常楽我浄の四徳として現じていくことができるのである。広宣流布の大地に根を張り、御仏意のままに進んでいる幹部として、皆さん方はもはやすでに、この四徳を現ずべき最高の生命的境涯に入っていることを、ともどもに確信しあっていただきたい。
 とくに、御本尊の上位に四菩薩がしたためられているが、これは甚深の意義をはらんだ法理と拝する。どうか皆さん方も、透徹した信心の眼で、この偉大なる仏法上の実相を如実知見し、自らの大福運と名誉ある立揚を自覚していかれるよう、心から念願してやまない。
4  創価学会が、なにゆえに幾多の試練を乗り越え、今日の未脅有の広布の歴史を開くことができたのか――。それは、なによりも、御本尊根本、御書第一という、御本仏日蓮大聖人に直結の軌道を、不届の実践で歩んできたがゆえであると申し上げたい。
 創価学会が、大聖人以来七百年にして初めて、事実のうえで妙法広宣の証明をなしつつある根本理由は、ここに求められるのである。すなわち、御本尊、御書に直結したいき方のなかにのみ、一切の次元を超え、また一切を包容しながら、仏法を時代、社会に開く普遍性がはらまれていることを知っていただきたい。
 たしかに、大聖人の教えは七百年のあいだ、厳然と存在してきた。しかし、大聖人の仏法を、御本尊、御書を原点として、現実的な意味で広宣流布と一生成仏という明確な目標のもとに具体的に展開し、実践の方途を示した先駆者は、牧口初代会長であったといえよう。
 初代会長は、生誕も、存在も、凡夫そのものの姿ではあるが、現実に、あの戦前のたいへんな権力状況のなかで、敢然と慈折広布の道を開かれたことじたい、すでに人間王者の姿にほかならないであろう。
 その意味からも、われらは、永久に牧口初代会長の遺徳を宣揚し、その生誕を盛大に祝っていきたい。(要旨)

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