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第208回2月度本部幹部会 永遠に崩れぬ人材の城を

1977.2.20 「広布第二章の指針」第9巻

前後
1  人材育成に全力
 かつて戸田前会長とともに、宮城県は仙台の青葉城を訪れたことがある。このとき、城跡に立たれた前会長の話を、いまでも忘れることができない。
 それは「どんなに立派な城をつくっても、何百年間も過ぎてしまえば、このように荒城となってしまう。創価学会は永遠に崩れぬ人材の城を築いていくのだ」というものであった。
 ご存知のように創価学会は、いままでにも各分野に多士済々の人材を送り出してきた。すべては人類のためであり、社会のためである。政界をはじめ、経済界、教育界、学術・芸術外、司法外等々、その分野の第一線で活躍するわが同志――人材群の姿を思うにつけ、まことに喜びにたえたい。
 とともに、これら先輩につづく第二陣、第三陣の人材群を育て、陸続と輩出させゆくことを、私ども全幹部の最重要命題として取り組んでいくことを、互いに銘記していきたい。
 創価学会の歴史は、まだ四十七年である。しかし、人類平和への盤石なる基礎を固めつつ、今日の大発展をもたらした期間は、実質的には、ここ二十数年間であったといってよいだろう。
 世界的な仏法の大教団として、また仏法基調の平和、文化の推進団体として、かくも短時日のうちに、有史以来の大飛躍を遂げてこられたのも、妙法の力によることはとうぜんとして、皆さん方幹部の使命の自覚と、全会員の献身的な努力のたまものにほかならない。つまり、仏法の人材が多数活躍したからである。ともに、これからも仏法即社会の人材の輩出が重要であることはとうぜんの理である。
 これに関して「奇跡中の奇跡である」という、ある学者の論評も聞いた。いかなる学者であっても、この学会の真の現状、そして前進の根源を知ることができないわけである。私どもは、こうした、いまだかつてない歴史創造の主体者たる誇りに燃え、新たな広布後継の人材育成に全力をそそいでいこう。
 仏法の世界にあっては、いかなる人であれ、みんな人材なのである。この世になんらかの使命をもって生まれ合わせている地涌の戦士であり、この一点からも、この仏法がいかに人間の尊厳観を説く平等の哲理かが理解できるであろう。
 したがって全幹部は、この仏法の大乗精神にのっとり、人材を見つけ、人材を育てることを最大の眼目とし、正法久住のため、広宣流布のために、最大の尽力をしていくよう心から念願してやまない。
 人にみな使命あり、との鋭い仏法の観点から論ずるならば、私どもの周囲には幾多の人材群が存在するということを知らなくてはねらない。
 その人材を広宣流布の人材として育てるうえにおいて、もっとも留意すべきことは、幹部が感情的であったり、不公平な視野から物事を判断したり、自分の部下のごとく接していくようであっては、けっしてならない、ということである。
 この意味からも幹部は、自己には厳しく、後輩には春風のごとく思いやり深く、だれからも慕われゆく沈着な行動を貫き、魅力あふれる後継育成の指導者に大成していってほしい。自分がこれだけの人材を育てたという事実は、そのまま自身の人生を荘厳する福運となる――これが仏法の極理なのである。どうか、人それぞれに使命があることを十分に自覚し、一人ひとりを力ある妙法の師子に育てあげていってほしい。
2  今後の活動の展望
 各部の今後の活動について展望しておきたい。まず男子部と男子学生部の、いわゆる男・学一体の活動というものを、さらに一歩進めていく時代に入ったということを申し上げておきたい。男子部の人生の基礎づくりに挺身する尊い労苦を学生部が学び、また学生部の英知を男子部が吸収しつつ、互いに切磋鍛練しあっていくことこそ、より以上の価値を創造する生き方であり、これがまた時代の要請であることを知っていただきたい。
 さらに、壮年部の方々に申し上げたいことは、人生の総仕上げのためにも「自分として、これで満足である」といえる確固たる実証を残すためにも、いちだんの精進と成長をお願いしたい。そして、地域の後輩の人材育成のための”灯台”となっていかれるよう心から祈ってやまない。
 すでに指導者の心構えとしての指針を発表しているとおり、婦人部、女子部に対しては、地道ながらも、もっとも尊くして大切な大人材であるということを鋭く認識し、最大に大切にし、応援し、また守りきっていく模範の幹部であっていただきたい。また深く尊敬しあい、支援しあっていくことこそ、新時代の指導者の要件であることを銘記されたい。
 永年にわたって広布のため、学会のために活躍してこられた年配の方々に対しても、先輩、後輩という麗しい友情と人間性の発露をもって、尊敬していく生き方を忘れてはならない。また現在、病床等にふしている人たちにも、真心を込めていたわり、あたたかく励まし、人間主義の大道をともどもに歩みゆく幹部であってほしい。
 ただし幹部は、社会悪を引き起こしたり、学会を利用しようとする人間に対しては、正義のうえから鋭くそれを見ぬく鑑識眼を曇らせてはならない。これは人材登用の基本である。こうした善悪の判別を厳しくしつつ、学会は「広布第三章」――すなわち二十一世紀からの新展開にそなえ、いまからその地道な”人づくり”を堅実に積み上げていこう。
3  私が会長に就任した昭和三十五年五月から、今日までの十七年間において、私どもが唱えた題目の数はどのぐらいになるであろうか。これはあくまでも概算であるが、一人が一日平均千五百遍唱えたとするならば、なんと百六十兆遍にもなるという結果がでた。実際には、これ以上にねるかもしれないが、かならずや御本仏日蓮大聖人も、お喜びになっているものと信ずる。
 この偉大な題目の功徳を現実社会に顕現し、わが身が即「当体蓮華」であるという仏界証明の方途を教えてくださった人が、われらの恩師戸田前会長であったわけである。
 将来の構想となるが、仮称「広布題目の塔」を建立する計画が着々と進んでいることを報告しておきたい。どうか幹部の皆さん方も、百六十兆遍もの題日を唱えた学会の大功徳を確信し、また、そのような依正不二の境涯となって、ゆうゆうと一生成仏への精進を続けていってほしい。
4  次に十九日の全国県長会議でも決議された春季彼岸追善法要の実施について付言したい。これは、全国の会員からの強い要望をふまえ、慎重な協議の結果、春季・秋季の年二回、本年からの伝統行事としていくことに決定したものである。したがって、寺院での儀式は従来どおりお願いし、学会としても追善法要の勤行儀式を厳粛に行っていきたい。
 最後に、会合は価値的に運営し、推進していくようお願いしたい。ムダな時間を省き、労少なく功多くしていくという”時間革命”に徹していただきたい。とくに多人数の会合における幹部の話もできるだけ短くするよう心がけ、時固を最大限に価値的に使っていくことが、時代性をわきまえた指導者のいき方と銘記されたい。
 広布は長期の遠征である。疲れたらよく休み、生活を大切にする習慣を身につけなくてはならない。したがって、会合の終了時問である八時半の厳守もさらに定着させ、日日、余裕をもって仏道修行に励んでいけるよう細心の配慮をめぐらせていこう。
 ただし、重要な会議、個人指導等においては力をそそいでいくことは当然のことである。
 仏法上の責任はすべて悟達に通ずる――これを根底において自覚することが重要である。この原理を避けては、もはや空転となり、真面目な会員が苦しんでしまうということに、よくよく留音心されたい。
 すべては自分自身の人間革命のためであり、福運を積みゆく仏道修行となるわけで、この五十展転の大功徳を確信してほしい。
 ともかく、皆さん方幹部は、法のため、社会のため、子孫のため、先祖のためにいちだんの強盛なる信心に徹し、苦楽をともにしながら前進していっていただきたい。(要旨)

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