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日蓮大聖人・池田大作

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5・3祝賀協議会  

2010.4.20 スピーチ(聖教新聞2010年上)

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1  5・3祝賀協議会が20日夜、東京・新宿区内で行われ、池田SGI会長が、大場同理事長、浅野同女性部長、杉本婦人部長、海外代表らともと共に出席し、スピーチした。
2  栄光の「5月3日」、本当におめでとう! また、ありがとう!
 日本全国、そして世界192カ国・地域の全同志と共に、最高に晴れやかな「5月3日」を迎えることができる。尊き友のご健闘に、心から感謝申し上げたい。
 きょうは、懐かしい海外の大功労の方々も、出席してくださっている。
 各国の同志の皆様に「一生涯、健康と幸福を祈ります」と、くれぐれもよろしく伝えていただきたい。
 誉れの友を心から労い、讃えながら、記念のスピーチを残させていただきたい。
3  世界広宣流布は我らが実現
 御本仏であられる日蓮大聖人は、「末法当時・南無妙法蓮華経の七字を日本国に弘むる間恐れなし、終には一閻浮提に広宣流布せん事一定なるべし」と大宣言なされた。
 大聖人の示された「一閻浮提広宣流布」を実現するために出現したのが、わが創価学会である。
 御聖訓のままに、現実に「三類の強敵」と戦い、「三障四魔」の大難を乗り越えて、世界広宣流布を進めた教団は、ほかにどこにもない。
 この一切の指揮を担い立たれたのが、初代会長・牧口常三郎先生であり、第二代会長・戸田城聖先生であられた。
 牧口先生は、戦時中、弾圧の獄中で殉教なされた。
 戸田先生も2年間の投獄に耐え抜かれ、「不惜身命」「死身弘法」を貫き通された。
 そのあとを受け継いで、不二の弟子である私が第三代会長として立って50年。
 戸田先生の遺志を継いで、どんな困難があっても、一人、厳然と戦い抜いてきた。
 50年前、海外の同志は皆無に等しかった。大仏法の存在すら、世界はほとんど知らなかったといっても、決して過言ではない。
 しかし今や、本日、代表が出席されているアメリカにも、ブラジルにも、イタリアにも、ドイツにも、コートジボワールにも、そして全世界に、澎湃と広宣流布の歓喜の金波銀波が広がった。
 各大陸の教学研鑚の高まりも素晴らしい。いったい、誰が想像できたであろうか。
 破和合僧の日顕宗の、卑劣な広布破壊の謀略にも、ことごとく打ち勝った。本当におめでとう!
 〈この4月は、ブラジルの同志が、日顕宗による一乗寺不法乗っ取りの陰謀に完全勝利してから10周年に当たる。日顕宗が「一乗寺」の不法な乗っ取りを狙った事件に対してブラジルSGI(BSGI)側が起こした裁判で、2000年4月、BSGI側完全勝訴の連邦最高裁判決が確定。BSGI側はその後も、一乗寺をめぐる裁判にすべて勝利し、現在、同寺は「ブラジル常勝会館」として、地域友好の城と輝いている〉
 私と苦楽を共にする「師弟不二」「異体同心」の同志によって、末法万年へ世界広宣流布を成し遂げゆく人類救済の和合の組織は、見事に築き上げられた。
 その大功労の方々のお名前は、広宣流布の歴史、そして世界の歴史に残ることは絶対に間違いない。
 将来、仏法を世界に弘めた「偉人」「先駆者」と謳われ、讃えられる時代が必ず来る。そう私は確信している。
 安心して、後ろを振り向かず、前へ前へと進んでいただきたい。
 創価の師弟は勝利した。完璧に勝利した。
 気高き同志に、私は「50年間、本当にありがとう!」と最敬礼して申し上げたい。
4  世界の多くの識者の方々が、学会創立80周年、私の三代会長就任50周年を、真心から祝福してくださっている。
 仏法を基調とした平和・文化・教育の運動への期待と信頼は大きい。
 御聖訓には「此の経の広宣流布することは普賢菩薩の守護なるべきなり」と仰せである。
 “普く賢い”――まさしく、普賢菩薩の力用にも通ずる、最高峰の知性の共感の広がりである。
5  「学会はこれからいよいよ成長」
 アメリカ実践哲学協会の会長であり、世界的なベストセラー作家としても著名なルー・マリノフ博士は、「創価学会」という名称の意義について、こう語ってくださった。
 「一人一人を『価値の創造者』として尊重しゆく創価の思想こそ、人類への最大の贈り物であると、私は思っております。
 創価学会は、『人々が持つ最大の価値を引き出す』運動を進めておられます。
 会員の一人一人が、自身の価値を開き、人々のために、価値を創造する。それによって、さらに幸福を増していく。その哲学を実践されるSGIの皆様の生命の境涯の高さを、私は深く認識しております」
 鋭く温かなご理解に、心から感謝したい。
 〈さらにマリノフ博士は語っている。
 「一般的に、世界宗教の発展の歴史は、100年単位で計られるものです。しかし驚くことに、創価学会は、数十年で、これだけの大発展を成し遂げられました。
 その偉大な発展を可能にされた池田会長さんに、私たちは最大の讃辞を贈るべきです」
 「通常、組織が成長するための条件は、指導者が、常に人々に励ましを与え、気を配り、慈愛深く接し、人々と共に歩むことです。そしてそれを、休みなく続けることです。
 池田会長は、長年にわたり、その挑戦を続けてこられたのです」〉
 マリノフ博士は、こうも語ってくださった。
 「世界には、未だに多くの紛争があります。そうした紛争を克服する思想として、今、仏教思想への関心が高まっています。
 ゆえに創価学会は、今後、ますます忙しくなることでしょう。
 すなわち、人々に奉仕し、貢献する機会が増えていくということです。
 それは、よりよい世界を築く機会が増大していくということであり、学会の成長の機会が、ますます増大するということです」
 これが、創価の「立正安国」の行動に寄せられる世界の良識の声である。
 私たちの前進を、人類が待っている。
 私たちの発展を、民衆が待っている。
 私たちの勝利を、未来が待っている。
 創価学会は、平和の聖業を成しているのである。
6  常楽我浄の道を
 この50年の間には、広宣流布の途上で亡くなられた同志もおられる。私は妻と共に、朝な夕な、追善回向の題目を送らせていただいている。
 ブラジルをはじめ各国にも、広布のために尽くしてくださった偉大な先駆者の方々がおられた。
 なかんずく、広布の道なき道を切り開かれ、立派に後継者を育てられた、「広布の母」というべき尊き婦人部の皆様のことを、私は永遠に忘れない。
 御聖訓には「須臾の間に九界生死の夢の中に還り来つて」と仰せである。
 仏法の三世永遠の生死観に照らして見れば、すでに広宣流布の庭に再び生まれて、活躍されている方々も多いに違いない。
 御義口伝には、「自身法性の大地を生死生死とぐり行くなり」と述べられている。
 妙法を信受する私たちは、「法性の大地」即ち「仏界の大地」の上を、生の時も死の時も、悠然と進んでいくことができる。
 私たちの生命の軌道は、永遠に常楽我浄なのである。
 ともあれ、広宣流布の万年の大道を歩みゆく地涌の菩薩のスクラムは、一日また一日、一月また一月、一年また一年、その水かさを増している。
 もはや、この世界広宣流布の大潮流を、誰人も止めることはできない。
7  同志のために
 今回、集われた海外のリーダーには、大きな共通点がある。それは、人柄のいい「励まし」の指導者だということである。
 励ましのリーダーこそが、自分も勝ち、同志も勝ち栄えさせていくことができる。
 健闘されている同志には、「いつも、ありがとうございます」とお辞儀をし、お礼を言う。心から感謝していく。笑顔で接していく。そうすれば、一心不乱に活動してくださっている婦人部の方々も、どれほど喜ぶことか。
 どこまでも同志に尽くしていく。学会のため、広布のために労苦を惜しまない。これが本物の創価のリーダーである。
8  夫人の直言
 現在、私は、キング博士の盟友として、アメリカの人権運動を戦い抜いた、歴史学者のビンセント・ハーディング博士と対談を進めている。
 このハーディング博士が大切にされているエピソードがある。
 それは、ある研究会で、博士が発表を行った時のことであった。
 その会議には、夫人のローズマリーさんも一緒に参加しておられた。そして終了後、博士に、こうアドバイスしてくれたというのである。
 創価の婦人部を彷彿させるローズマリー夫人は、まず、博士の発表の際のスピーチを讃えた。
 「あなたが状況分析を得意としていることは、あなた自身が、よく知っているわね。それから人々に対して、今、さらに何をすべきか、何がうまくできていないかを指摘することも得意ね」と。
 その上で、夫人は「だけれども」と続けられたのである。
 「人々が何よりも必要としているのは“励まし”よ。
 もっと状況がよくなるように、人々を激励してあげることが大切だと思うの。
 そしてビンセント、あなたは、それを上手にできる人よ」
 この夫人の直言に、博士は目を覚ました。
 博士は「励まし」を通して、一人一人が持っている自らの偉大な力に気づかせていくことこそが、わが使命であると定めた。
 そして、その言葉を胸に、夫人が亡くなられた後も、あらゆる場所で、あらゆる方法を工夫しながら、人々を励ますことに、全力を尽くしてこられたのである。
9  調和の世界を
 この「励まし」について、私は、中国文化界の指導者である、中華文化促進会の高占祥こう・せんしょう主席とも語り合った。
 中国と日本に共通する「漢字文化」を巡る語らいの中で、私は、この文化の巨人に尋ねてみた。
 「一番好きな漢字は何でしょうか」と。
 高主席は即座に答えてくださった。
 「それは『励』の一字ですと。
 そして高主席は、中国でも翻訳・出版された私の著書『人生の座標』に記された、「『励』ましという文字には『万』の『力』とある。まさに、人々に『万』の『力』をおくるものこそ、心からの『励まし』である」との一文への共感を語ってくださったのである。
 〈高占祥主席は、こう述べていた。
 「これ(SGI会長の“励ましは万の力”との文章)を読んで、私は深い感銘を受けました。それから直ちに『万の力』はすなわち、人の心をつなぐ文化力であり、調和世界を築く親和力だと連想しました」
 「私自身、数え切れない実体験を通じて、励ましは万の力ということを、“人生教室”の中で学んだ最も大切な真理と考えております」〉
 日夜、多くの友と対話し、励ましを贈りゆく皆様方の信念と誠実の行動こそ、「平和の文化」を創造し、「調和の世界」を建設しゆく崇高な力なのである。
 厳しい経済不況が続く時代である。
 だからこそ、私たちは「励まし」という、タダであって最も価値ある「万の力」をいよいよ発揮し、明るく、朗らかに前進していきたい。
 とくに、これからの青年を徹して励まし、大いに伸ばしていきたい。
10  埼玉県が生んだ「日本の近代経済の父」渋沢栄一氏は、戸田先生も敬愛されていた大実業家である。
 氏は語っている。
 「新人が出て絶えず世の中の空気を新しくし、向上進歩を計る処に国家社会の進歩発展があり、人類の幸福増進も亦此処に育くまるるのである」(『経済と道徳』渋沢翁頌徳会、現代表記に改めた)
 わが学会には、新しい息吹に満ちた青年が陸続と育っている。創価の青年こそ、社会の発展の原動力であり、人類の幸福の推進力なのである。後継の人材を立派に育て上げ、未来へ永続する発展の流れを開いてこそ、真の勝利の指導者である。
 このことを、決して忘れないでいただきたい。
 人生も広布も歩いた人が勝つ
11  昭和26年(1951年)の4月20日、「広布の言論城」たる、わが聖教新聞が創刊されてから59星霜。
 「日本中、世界中の人に読ませたい」との恩師・戸田先生の願いの通り、皆様方のおかげで、聖教新聞は、世界に冠たる大新聞へと発展することができた。
 その最大の功労者は誰か?
 猛暑の夏を越え、厳寒の冬を耐え抜いて、来る日も来る日も読者のもとへ“正義の声”“幸の便り”を届け続けてくださった「無冠の友」──配達員の皆様にほかならない。
 また、配達員のご家族の皆様、販売店、印刷・輸送に携わってくださる方々、そして全国の新聞長、通信員、さらに聖教を守り、支え、応援してくださるすべての皆様方に、心から御礼を申し上げたい。
12  庶民英雄 万歳!
 3年前(2007年)の9月、聖教新聞は創刊「16,000号」を迎えた。
 その9月7日付は、新時代第10回の本部幹部会を報ずる紙面であった。
 「我らこそ生命の世紀の希望!」「本門の弟子よ 未来を頼む」との力強い見出しが躍る1面に、私はペンで綴った。
 「聖教新聞 広布勝利の新聞! 一万六千号 万歳! 万歳!」「尊き配達員の 庶民英雄 万歳!」と記させていただいた。
 仏の誉れのお使いとして、毎日毎朝、一軒、また一軒と希望の便りを届けてくださる皆様方である。
 その尊い姿を思い浮かべつつ、「絶対に無事故であれ!」「ますます健康幸福であれ!」と、私も妻も、皆様と一緒に歩き、一緒に配達させていただく思いで、懸命にお題目を送っている。
 聖教新聞は現在、16,900号を超えた。
 今年の7月12日には、また一つ大きい山を登撃して、創刊「17,000号」の金字塔となる予定である。そして明年は、創刊60周年の佳節を迎える。
 「聖教新聞の創始者・戸田先生の命そのものである正義の言論城よ、さらに偉大な民衆勝利の大城と輝け」と、私は叫びたい。
13  縁する全ての人を幸せに!
 私も少年時代、新聞配達を経験した。
 荘厳な朝の光に包まれ、新鮮な空気を吸いながらの配達は、何ともいえず爽快だった。
 時には、眠い日や体調が悪くて休みたいと思う朝もあった。特に雨や嵐の日は、つらかった。雪で滑って、新聞が地面に散らばってしまったこともある。
 だが、大変な時こそ、「自分は人が経験していない修行をしているんだ」とファイトがわいた。
 新聞配達は苦労も多いが、一方で、新鮮な発見と出会いに満ちている。
 配達をして初めて知る街の風景、春夏秋冬、移り変わってゆく自然、そして配達先や道行く人々との新しい出会いがある。
 私自身、配達をしていた時、温かく励ましていただいた、配達先の若いご夫婦との出会いは、今も忘れない。
 アメリカの民衆詩人ホイットマンは謳っている。
 「ぼくは思う この道の上で出会うものなら何で あれぼくはきっと好きになり」「ぼくは思う ぼくと会う人は誰であれ きっと幸福になるにちがいないと」(酒本雅之訳『草の葉(上)』岩波文庫)
 縁するすべての人を幸せに──真心あふれる「無冠の友」の振る舞いには、友人読者からも、感動の声が寄せられている。
 「聖教新聞は中身もいいが、配達する方々が実に素晴らしい。あいさつ、笑顔、振る舞いが、とてもさわやかだ」と。
 海外からお迎えした高名な学者の先生が、若き日、日本に留学中、声をかけてくれた聖教配達員の方の振る舞いに感動した思い出を語ってくださったことも、忘れられない。
14  配達や集金は、地道な陰の戦いに見えるかもしれない。
 だが、見る人は必ず見ているものだ。
 「無冠の友」こそ、実は「創価学会の顔」なのである。
 清々しいあいさつ、明るい笑顔から、学会理解、仏法理解の輪が広がっていくのだ。
 その意味で「配達即折伏」であり、「配達即広宣流布」である。
 また、人生は“快晴”の日ばかりではない。雨の日もあれば、嵐が吹き荒れることもあるだろう。
 しかし、無冠の友の皆様は、人々に「福徳」と「希望」と「勝利」を届けておられる。
 その皆様の人生が、因果の理法に照らして「福徳」に満ちあふれないわけがない。
 「希望」に輝かないわけがない。
 必ず「勝利」の人生を歩むことができる。
 日蓮大聖人は「陰徳あれば陽報あり」と記しておられる。
 尊き“折伏の行者”に、何よりも御本仏の「冥の照覧」は絶対に間違いない。
15  毎朝の配達距離は地球16周分!
 創刊前、新聞の名前をどうするか、検討した時のことである。
 戸田先生は「将来のことを考え、たとえば『宇宙新聞』なんてどうだい」と笑いながら言われていた。
 先生の心意気は気宇壮大であられた。
 それから18年後の1969年(昭和44年)。アポロ11号で人類初の月面着陸に成功し、歴史的な足跡をしるしたアームストロング船長は言った。
 「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては巨大な一つの飛躍だ」(『人類が月を歩いた アポロ11号の全記録』毎日新聞社)。あまりにも有名な言葉である。
 私たち個人の一歩の歩幅は、1㍍にも満たない。しかし、日本全国の無冠の友が毎朝、配達のために移動する距離は、合計すれば、およそ地球16周分にも及ぶとうかがった。
 さらには、販売店、輸送業者の皆様の移動距離も含めると、何と地球から月の間を往復できてしまう計算になるのである。
 これが毎日積み重なれば、皆様が弛みなく歩み通された「幸福の道」「栄光の道」「勝利の道」は太陽系の彼方にまで至るだろう。
 宇宙のリズムに則った皆様の活躍もまた、地球大、いな、宇宙大のスケールで展開されているのである。
16  西アジアでコーカサス地方南部に広がる「文化の大国」アルメニアの箴言に、こうある。
 「多くを知るのは、より長く生きた人ではなく、より多く自分の足で歩いた人である」
 人生は、歩いた人が勝つ。いわんや広宣流布のために歩いた分だけ、生命の威光勢力が増す。境涯が広がる。福運が積まれる。
 今、全国の同志が、広宣流布の勝利のために、深く祈り、大きく動き、はつらつと歩んでくださっている。
 その歩みを、仏天は厳然と守り讃えておられる。
17  真実の師子吼を
 新聞の使命とは何か?
 生涯、ペンの勇者として、新聞を武器に正義の言論戦を展開した、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁は語られた。
 「新聞は毎日、また常に、民衆の光輝ある力のために、現在と未来の間に立って、歴史の行進を先取りする。そして世界の地平線へ、鋭きまなざしを広げていく」
 ──常に民衆と共に、歴史の行進の先頭に立て。人々の鋭き眼を、世界へ大きく広げゆけ、と。
 アタイデ総裁は、民主主義を守るため、独裁政権にペンの力で立ち向かった。
 3度の投獄、3年間の国外追放にも屈せず、終戦後は「世界人権宣言」の起草にも尽力した“人道の闘士”であられた。
 私がお会いした時、総裁は、すでに94歳。
 それでもなお、現役で、連日、何本も記事を書き続けておられた。
 民衆を守るため、逝去されるまで、正義を叫び続け、断じてペンを離そうとはされなかったのである。「本物の獅子」であった。
 アタイデ総裁とほぼ同じ年代だった戸田先生も、聖教新聞の創刊以来、自ら先頭に立って、小説『人間革命』やコラムの「寸鉄」、論文などを執筆され、縦横無尽に言論戦を展開してくださった。
 そのもとで訓練を受けた私も、「学会の真実の歴史を残してみせる」「会員の皆さんが喜ぶならば」と、胸中で恩師と対話を重ねながら、今日まで休みなく、心血を注いで正義のペンを執り続けている。
 名曲「剣の舞」などで知られるアルメニアの大音楽家ハチャトゥリヤンは語った。
 「誠実さは、輝かしいものすべてを受入れ、賞賛すること、悪を激烈に否定し、悪と戦うことのうちにある」(ティグラノフG.G.著、宮下トモ子・菊池嘉人訳『ハチャトゥリヤン・その作品と生涯』新読書社)
 私たちの人生においても、また言論戦にあっても、善を宣揚し、邪悪を破折してこそ、真実の信頼が得られる。
 聖教は真実を師子吼する正義の新聞である。
18  きょうは、アフリカ・コートジボワールSGI(創価学会インタナショナル)の代表も集まってくださった。
 連日の研修、本当にご苦労さまでした。
 皆、幸福に!
 一生涯、幸福に!
 毎日、私は、妻とともに、お題目を送っています。皆さんが勝つために!
 お会いできて、本当にうれしい。皆さん、お元気で! ありがとう!
 〈ここでコートジボワールの友が立ち上がり、広宣流布への決意を込めて、元気に掛け声を響かせた。
 「先生と共に、私たちコートジボワールSGIは、広布のために前進する準備ができています!」「私たちコートジボワールSGIは、真の友情を築く準備ができています!」
 「イタイドウシン(異体同心)!」「ビクトワール(勝利)!」〉
19  ありがとう! 本当にありがとう!
 コートジボワールの有名な箴言に、「針の通ったところは糸も通っていく」(北村孝一編『世界ことわざ辞典』東京堂出版)とある。
 大事なのはリーダーの率先の行動である。
 さらに貴国の格言には、「雨が降っても降らなくても、井戸端はいつも濡れている」(鈴木裕之「コートジボワールのことわざ」、『世界ことわざ大事典』所収、大修館書店)とある。
 どんな困難な状態でも、必ず希望はあるという意味である。
 わがコートジボワールSGIの偉大な友も、勇気ある対話で、地域に「希望の泉」を、社会に「平和の道」を、国土に「繁栄の光」を広げておられる。妙法という無敵の宝剣を掲げて進んでおられる。
 あまりにも尊い使命の方々である。皆で讃嘆の拍手を贈りたい!
20  いよいよ、5月3日「創価学会母の日」が巡り来る。
 この日を祝福して、アメリカを代表する女性詩人のサーラ・ワイダー博士(米エマソン協会前会長)が、「大白蓮華」の5月号に「声」を寄せてくださった。
 ワイダー博士は、「創価学会の日」である5月3日を、創価の女性に最大の感謝を捧げる意義を込めて、「創価学会母の日」と定めたことに対し、こう語ってくださっている。
 「それは本当に、心揺さぶられる決定です。その決定は、すべての女性にとっての大いなる希望となるものです。いな人類にとっての希望と言っでもいいでしょう」
 さらに、ワイダー博士は語られている。
 「私は、創価学会の女性たちに無限の希望を抱いております。
 とりわけ、女性たちの助け合い、励まし合いに満ちた姿は印象的です。
 創価学会の女性たちには、世代を超え、また文化を超えた結びつきがあります。
 平和の文化の建設のためには、こうした深く、普遍的な次元での、心と心の結びつきが不可欠なのです。
 人生において、希望の灯が必要となった時、私は必ず、創価学会の女性たちの輝く姿を思い起こすことでしょう」
 まさに今い全国の婦人部が、さっそうと行動されている。
 「世界第一の創価の婦人部、万歳! 万歳! 万歳!」と、私たちは声を大にして叫びたい。
21  「困難の中にこそ理想への道が!」
 さて、イタリアの桂冠詩人ピエール・パオロ・ヴェルジェーリオ(1370〜1444年)は、世界最古の総合大学・ボローニャ大学で教壇に立った一人である。
 私自身、ボローニャ大学にお招きいただき、講演した歴史は忘れがたい。
 イタリアの同志の大前進も、頼もしいかぎりだ。
 このヴェルジェーリオは雄々しく語った。
 「極端な困難のなかで理想への道がひらけるのが人間の本性」と(前之園幸一郎訳「子どものすぐれた諸習慣ならびに自由諸学芸について」、『イタリア・ルネッサンス期教育論』所収、明治図書出版)。
 仏法では、「難来るを以て安楽」、「大悪をこれば大善きたる」等と説かれる。
 何があろうと、広布の山を不屈の負けじ魂で登りゆく、世界の全同志の無事安穏を、私も妻も、真剣に祈り続けている。
 いやまして、「立正安国」の妙法の大光を、私たちは赫々と放ってまいりたい。
22  きょうは、ドイツからも、尊き友がお越しくださっている。
 ドイツの信念の作家ルートヴィヒ・レン(1889〜1979年)は、ファシズムなどとの戦い中で、報道関係者から「諸君は勝つだろうか」と質問された。
 そのとき、彼はこう答えたのである。
 「勝つかって? 勝たねばならぬのだよ! 正義のために!」(佐藤晃一著「抵抗の歴史」、『ドイツ抵抗文学』所収、東京大学出版会)
 広宣流布は「正義の中の正義」である。
 ゆえに断固として勝ちまくるのだ。
 これが、「仏法勝負」の真髄である。
 終わりに、昭和35年(1960年)の5月3日、第三代会長就任の日を記念して詠んだ歌を、全同志にお贈りし、私のスピーチとしたい。
  晴れやかに
    仏の大軍
      進みゆく
    世界一なる
      創価 成るかな
 きょうは、お疲れのところ、ありがとう! 皆さんのご健康を祈ります!

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