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創価学園卒業式(東京40回・関西35回… アラグア・ビセンテナリア大学名誉教授称号授与式

2010.3.16 スピーチ(聖教新聞2010年上)

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2  すべては今から
 卒業生の皆さんは、若い。
 若さこそ宝です。
 何ものにも替えがたい無上の宝です。
 ゆえに、今がどうあれ、決して焦る必要はない。自分を卑下することもない。
 すべては、これからです。一切は、今からです。
 断じて、勝っていきなさい。幸福になっていきなさい。
 今、世界に、素晴らしい創価の城ができあがりました。
 アメリカ・オレンジ郡には、アメリカ創価大学が堂々と発展しています。
 ここに出席されたグアリスマ総長夫妻は、来日前、わざわざ、アメリカ創価大学を訪問し、学生たちと懇談もしてくださったと、うかがいました。
 ありがとうございます。
 皆さん方も、どうか、世界に羽ばたいてもらいたい。
 皆さん方のために、世界に「道」は開いておきました。創価の城は、各国に立派にそびえ立っています。
 ロシアの西シベリアには、私の名前を冠した友好庭園が広がっています。
 ロマンにあふれた壮大なスケールの庭園です。
 〈「池田大作記念友好庭園」は、西シベリアのオムスク州・カルブザ村出身の著名な社会活動家セルゲイ・フィル氏から「池田SGI会長の露日交流への貢献を讃えて命名させていただきたい」と懇請があり、2002年7月に誕生した〉
 卒業生の皆さんは、ぜひ、世界を舞台に活躍していただきたい。
 また、いつの日か、お父さん、お母さんも連れていってあげてください。
 将来、社会に出て、うんと働いて、ご両親に、世界中、ゆっくりと旅をさせてあげられるくらいの力をつけてもらいたいのです。立派になってもらいたいのです。よろしく頼みます!
3  教員の伝統
 きょうは、東京校が「第40回」、関西校が「第35回」という大きな歴史を刻む卒業式となりました。おめでとうございます!
 東西の創価小学校の皆さんも、6年間、よく立派に通い抜きました。うれしい!
 札幌創価幼稚園も、春を呼ぶ卒園式、まことに、おめでとうこざいます!
 また、いつも学園を守ってくださり、学園生がお世話になっている皆様方、本当にありがとうございます!
 教員の皆さんにも、大変にお世話になりました。
 児童・生徒を心から大事にし、成長させていくことができるならば、それが世界で最も偉大な力です。人間の王者です。
 これが創価学園の教員の伝統なのです。
 お父さん、お母さん、万歳!!
4  真心の言葉で
 ともあれ、卒業生の諸君は、親孝行であってください。
 そのために、身近なこと、小さなことを大事にしてもらいたい。
 たとえば、お父さん、お母さんへの言葉遣いです。
 皆さんが、きょうここで返事をしてくれているように、「ハイ」という気持ちのよい返事を、家に帰ってもしていってください。
 そして、お父さん、お母さんに感謝の言葉を忘れないことです。
 「お母さん、いつも、ごはんをつくってくれてありがとう」「お父さん、いつもお仕事をしてくれてありがとう」と真心の言葉をかけていける人になってもらいたい。
 皆さんの言葉一つで、両親は、喜び、安心する。皆さんの心がけ一つで、家族は、仲良く楽しく円満に過ごしていける。
 皆さん自身が聡明になるのです。
 そして、一家の「心棒」となって、思いやりにあふれた、喜びに満ちた家庭をつくっていく。それが価値創造です。
 人間が生きるうえで、一番大事なことです。それができる人をつくるのが創価教育です。
 この人間の道に学問の本質があるといってもいいくらいです。
5  師弟一体の証し
 東西の創価学園の卒業生は、皆、日本中、世界中の使命の舞台で、大活躍しています。
 きょうまでに、博士号を取得した英才は、280人となりました。
 じつは、きょうの2つの栄誉によって、私が世界の大学・学術機関から授与していただいた名誉学術称号の数は、不思議にも、学園生全体の博士号の数と、ほぼ一致しました。
 これが師弟一体の一つの証しです。
 優秀な学生を育ててくださった教員の先生方にも感謝します。本当にありがとうこざいます。
 さらに、卒業生は、法曹界、経済界、医学界、教育界、政界、スポーツ界、芸術界など各界で活躍しています。
 世界的な業績をあげゆく立派な科学者も育っています。
 きょうは、卒業生の代表も、後輩のお祝いに駆けつけてくれています。本当にありがとう!
6  負けじ魂を!
 ベネズエラの大文豪・バラルト先生は謳った。
 「嵐を越えると、大空は一層、輝きを増す」
 「試練や苦難を乗り越えてこそ、心は感謝にあふれ、より鮮烈に幸せを感じることができる」
 皆さん、改めて卒業、おめでとう!
 皆、負けじ魂で、よく頑張った。
 これからも頑張れ!
 2年前、世界は、金融危機に見舞われました。
 深刻な経済不況が打ち続くなか、お父さんやお母さんは、皆さんを学園へ送り出してくださったのです。
 どれほど、ご苦労があったことか。
 ここで、最大の感謝を込めて、全員で、「お父さん、お母さん万歳」と叫ぼう!〈卒業生の合図で、高らかに万歳三唱した〉
 おめでとう! お父さんも、お母さんも、皆さんも、断じて勝ちました。また、勝つ道を進んでいるのです。それをきょうは、確信してください。
 本日、お迎えした総長ご夫妻も、ご両親への感謝を忘れず、学びに学んでこられた大秀才です。
 そして、尊き父母の誠実な心を受け継いで、信念の社会貢献を果たしてこられたのです。
 貴国の歴史学者、アリスティデス・ロハス先生は語った。
 「たゆみない学びの努力が、精神を豊かにし、強くする」と。
 わが学園生も「勉学第一」「健康第一」で、親孝行の偉大なる指導者になってください!〈「ハイ」と誓いの声〉
 うれしいね。約束しよう!
7  学園生こそ誇り
 気高き教育哲学者であられる総長が命を賭して創立された貴大学は、「創造の力を育む大学」として輝きわたる名門校であります。
 この貴大学から賜った最大の栄誉を、私と妻は、恩師である牧口先生、戸田先生に捧げさせていただきたい。
 そして、愛する学園生が「創造の力」を未来に発揮しゆく象徴として拝受させていただきます。総長、誠に誠に、ありがとうございました。
 大学、学園をつくり、発展させることが、いかに困難の連続であるか。総長は、その道を歩んでこられました。
 この苦労は、創立者でなければ分からないでしょう。まさに死闘です。
 創立者でもあられる総長が、最も誇りとしておられることは、いったい何か。
 それは、卒業生が、社会の発展のため、大活躍していることです。
 私の最高の誇りも学園生です。君たちが勝利するためならば、私は、いかなる労苦も惜しみません。
 どうか、立派になってもらいたい。ご両親を喜ばせ、そして日本中をびっくりさせるくらいに、偉くなってもらいたい。
 きょうの誓いを一生、忘れてはいけない。頼むよ!〈「ハイ」と決意の声〉
8  努力と一念で
 グアリスマ総長が尊敬してやまない、貴国の平和の指導者ウスラル・ピエトリ先生は、言われました。
 「人生は、無限の可能性に満ちている」
 「未来は、待つべきものではなく、自分自身が選びとり、建設するものなのである」と。
 若き君たちの生命には、宇宙大の可能性がある。人を羨んだり妬んだりする必要など、まったくない。
 努力です。一念です。絶対に勝てないわけがない。まずは勉強で立派な成績を残して、お父さん、お母さんに喜んでもらうことだ。
 自分らしく、これからの挑戦で、未来の勝利を必ず創っていくのです。その心で進むのが真の勝利者です。幸福者です。頑張ってください!〈「ハイ!」と元気な返事〉
 君たちが打って出る社会は、激しく揺れ動いている。嘘つきや傲慢な人間もいる。それが現実だ。
 時には、いやになることも、たじろぐこともあるかもしれない。しかし、ヨーロッパで学んだグアリスマ総長が尊敬する、ドイツの大哲学者カントは叫びました。
 「人間の内には、あらゆる禍いに立ち向かう心の能力がある」(御子柴善之訳「コリンズ道徳哲学」、『カント全集20』所収、岩波書店)
 「困難な取り組みに対しても決然として力強くなくてはならない」(同)
 この言葉を、きょうは皆さんに贈りたい。
 牧口先生が平和のために投獄された獄中で、最後まで学んでおられたのも、このカントです。
 価値創造のために一番、大切なものは何か。それは「勇気」です。悪と戦い、正しいことをやり抜く「勇気」です。幸福をつかみ取る「勇気」です。
 意気地なしでは幸福にはなれない。人生に勝つことはできない。
 臆病者には何も創造できません。どんなに口がうまくても、嘘つきであったり、行動しない人は、何も価値を創造することはできない。
 貴大学が立つアラグア州の人々は“我らの美しき旗は勇気なり”と胸を張ってこられました。
9  師匠への報恩
 私も、どんなに迫害されようとも、師匠である戸田先生から託された「勇気の旗」を高らかに掲げて、一切を勝ち抜いてきました。
 世界中で勝利の証しを打ち立ててきました。私は一庶民です。一人の平凡な青年として立ち上がり、すべてに勝ってきました。
 この勇気の三色旗を、私はきょう、学園生の一人一人に託し、差し上げたいのです。
 今は経済的に大変でも、苦しくても、最後の最後に勝てばいい。
 いずれは偉くなって、お父さん、お母さんに恩返しをしてもらいたい。楽をさせてあげてほしい。
 「将来は、大きい家を建てて、住んでもらうからね」──そう言えるくらいの皆さんになってもらいたい。
 私も親孝行をしました。実家は海苔の製造業を営んでおり、真冬の朝早くから起きて、仕事を手伝ったこともある。
 大人になってからも、親を大事にしました。何の悔いもありません。
 また私は師匠である戸田先生に対しても尽くし抜きました。先生の事業が破綻した時は、朝から晩まで働きました。夜遅くなってしまい、先生のお宅に泊めていただいたこともある。
 大変な日々でした。でも、師匠がいるということが、どれほど幸せなことか。私は、そのことを深く感じていました。
 体が弱く、30歳まで生きられないといわれた私が、師匠の後を継ぎ、世界を舞台に歴史を残すことができた。
 私は師匠への報恩という点でも、何の悔いもない。
 皆さんも、こういう人生を歩んでもらいたいのです。
10  人間革命の歴史を綴れ
 関西校には、中国・冰心ひょうしん文学館の、お懐かしい王館長先生ご夫妻がお越しくださいました。
 誠にありがとうございます。
 私と妻も敬愛してやまぬ「中国文学の母」謝冰心しゃ・ひょうしん先生は、言われました。
 「咲き誇る花に対して、人々はただ、その鮮やかな姿に感嘆するだけだ。
 しかし、その花の芽は、奮闘の涙の泉に浸って育ったのだ」と。
 君たちも今は焦る必要はありません。
 若いのです。
 少しぐらい、成績が悪い時があっても、大丈夫だ。
 忍耐強く、わが道を歩み、親孝行していけばいいのです。
 そして、根を深く張って、幸福と勝利へ、自らの人間革命の歴史を綴っていくのです。
 いいですね!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 皆さんの時代です。
 桜も厳しい冬を耐え、時を待って咲き薫る。
 青春時代も同じです。勉強し、苦労し、時を待って偉くなる。幸福になる。
 君たちも「今に見よ!」と一日また一日、成長し、自分自身を革命しながら、勝利の“学園桜”を断固として咲かせていってください。
 皆さんの勝利を、私は祈り信じています。頑張ってください!
11  粘り勝て!
 11年前、私は皆さん方の創立者として、貴国ベネズエラから、栄えある「アンドレス・ベージョ最高位勲章」を叙勲いただきました。
 この文化の勲章に、その名前が冠された大教育者ベージョ先生の獅子吼を、愛する君たちに贈りたい。
 ベージョ先生は叫ばれました。
 「自分自身が向上すれば、より良き社会に貢献できる。
 人々の幸福に貢献すれば、自分自身も幸福になれる」
 その通りの人生を歩んでこられた、英知光る総長ご夫妻に、ここで、全員で大拍手を贈りましょう!(大柏手)
 総長ご夫妻はじめ世界の知性が、学園生に絶大なる期待を寄せてくださっております。
 人類の幸福のため、永遠の平和のため、大きな大きな強く明るい心で、使命と栄光の青春を、勝ち進んでいってください。
 皆、一度しかない人生です。勝利して、お父さん、お母さんに喜んでもらうのです。
 中国の謝冰心先生は“真の友は、わが心の空を彩る、かけがえのない星である”と言われました。
 君たちは、世界一の学園の友情を誇りとしながら、21世紀の天空に「希望」と「正義」と「勝利」の金の星を堂々と輝かせていってください!
 勝ちましょう! 粘り勝ちましょう!
 そして、人生を楽しんで、愉快に、お父さん、お母さん、きょうだいを包んでいってください。
 一人、立派な人が立てば、皆が幸福になります。
 頼むよ!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 結びに、敬愛する貴大学の限りない大発展をお祈り申し上げ、私と妻の御礼とさせていただきます。
 ベネズエラ、万歳! 学園生、万歳!

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