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池田SGI会長にインタビュー(国際通信…  

2009.10.20 スピーチ(聖教新聞2009年下)

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5  市民社会つなぐ連帯の結び目に
 ──提言の中で、国連に「核廃絶のための有識者パネル」を創設し、核軍縮プロセスにおける市民社会のと協働体制を確保するよう呼びかけられています。池田会長は、核軍縮の分野における現在の国連と市民社会の関係を、どう評価されていますか?
 また「核兵器のない世界」を実現していく上で、市民社会がもたらす役割──なかでもSGI(創価学会インタナショナル)が果たすべき役割について、どのような考えをお持ちですか?
 世界の情勢は、国連が設立された当時からは大きく変化しており、最近は、民衆の声をいかに汲み取っていくかが時代の要請となっています。
 これまで国家の専権事項とされてきた軍縮の分野においても、市民社会が持っている専門知識やコミュニケーション能力が本格的に活用されるようになっていけば、必ずや大きな進展がみられるはずです。
 先日もメキシコで国連広報局NGO年次会議が開催されましたが、62回目となる今回、初めて「軍縮」がテーマとして取り上げられたのは、こうした趨勢を象徴するものにほかならず、誠に歓迎すべきことです。
 また近年、「人間の安全保障」の重要性が叫ばれるようになっていることも見逃せません。従来の「国家の安全保障」からは欠落してしまっていた視点、つまり、“政治的判断が人々の生活にどのように影響を及ぼすのか”という視点が、市民社会の側から明快に提供されるようになっています。国家の側も、新たな安全保障のあり方を探り、実現していくパートナーとして、市民社会を受け入れようとする兆しがあり、国連でも同様の動きがみられます。
 私はこれまで、「核兵器廃絶を求める規範の確立」とともに、「民衆の力強い意思の結集」が必要であると訴えてきました。それは、国益が複雑に絡み合い、国家主導では解決が困難といえる課題への挑戦には、市民社会の側に果たすべき大きな役割があると考えているからです。
 ゆえに市民社会の側でも、「自分たちが主体者として時代を変革させる」との強い自覚を持てるような教育や意識啓発の機会を提供していくことが大切になります。さらには、同じ志を持つ人々やNGOがそれぞれ個別に活動を進めるのではなく、連携し合い、市民社会の連帯をより強固なものにしていく必要があるのです。
 私どもには、50年にわたる核廃絶への取り組みの経験があります。これを生かし、これまで以上に市民社会における「エンパワーメント(能力開花)」のための着実な運動を展開しつつ、世界各地で真剣に活動を推進している人々やNGOと協働関係を深めていきたい。
 そして、さまざまな運動のネットワーク化を目指し、その一つの結び目としての役割を果たしたいと決意しています。

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