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日蓮大聖人・池田大作

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新時代第31回本部幹部会 青年部幹部会、白蓮グループ大会、ホンドニア連邦大学名誉博士号授与式

2009.7.16 スピーチ(聖教新聞2009年下)

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2  我らは断じて屈服しない!
 ブラジルの大文豪アマード先生は、こう叫んだ。
 「この世において永遠なものは民衆」である、と(神代修訳『希望の騎士 革命児プレステス』弘文堂新社)。
 この確信の一言は、私の心の奥底に深く入り、離れることはない。
 どんな権力者も、どんな大富豪も、どんな有名人も、時の流れとともに、消え去ってしまうものだ。
 それが宇宙の法則である。
 偉大なのは、民衆である。
 真実の民衆は、いかに迫害されても、決して屈服しない。何度でも立ち上がる。
 民衆の声は、太陽の詩人のごとく闇を破る。必ずや自由の夜明けを勝ち取ることができる。
3  民衆こそ英雄なり!
 それがアマード先生の確信であった。
 永遠に勝ち栄えゆく、生命の王者──一体、それは誰か?
 それは、正義の信念のために戦う民衆である。
 まさしく、我々である。諸君である。我らこそ、本当の正義の勝利者なのである。
 皆様の大勝利 おめでとう!
4  このブラジルの知性アマード先生も、創価学会の民衆の大連帯を、強く熱く、支持してくださっていた一人である。
 〈ジョルジェ・アマード氏(1912〜2001年)は、世界的に著名な作家であり、「ブラジル文学アカデミー」の会員。
 SGI会長は1993年、同アカデミーの「在外会員」に就任している。
 1997年には、同アカデミーの創立100周年の意義を込め、氏からSGI会長に自著が届けられた。
 氏から贈られた著作は『夜の牧童』。
 この小説の冒頭には、「人生の学校に休日はない」とのブラジルの格言が引用されており、アマード氏は、「まさに、SGI会長のことを述べた言葉です」と語った。
 また著作には、「ダイサク・イケダ氏へ最大の尊敬を込めて 1997年7月、リオで」との献辞が記されている。
 さらにアマード氏はこうも語った。
 「イケダ氏は、世界的に著名な、大切な人物です。
 氏は民衆のために、民衆とともに戦うという世界的な活躍をされています。
 私も、民衆とともに戦うことのみがヒューマニズムを勝利に導く唯一の方法だと思っています」〉
 ともあれ、全国の皆様、今回の大勝利、おめでとう!
 特に、婦人部の皆様、本当にありがとう! ただただ、私は、心より、「ご苦労さま!」と申し上げ、皆様のご多幸を祈り抜いてまいります。ありがとう!
5  きょうは、ブラジルをはじめ、尊き海外の皆様、遠くから、はるか遠くから、ようこそ、お越しくださいました。
 ありがとう、ありがとう、オブリガード!(ポルトガル語で「ありがとう!」)
 私たちは、喜び勇んで、全員、立ち上がって、大拍手をもって、海外の同志をお迎え申し上げよう!〈全員が立ち上がって、大拍手を〉
 どうか、お体を大切にしてください。
6  先師・牧口先生の殉教から65年
 ここにおられる、ホンドニア連邦大学のアマラウ総長は、地球の宝アマゾンを守る地理学者です。
 「アマゾンの守り人こそ、全地球の守り人なり」と、私たちは総長に対して、最大に感謝申し上げたいのであります。
 総長と同じく地理学者であった先師・牧口先生は100年前、人類と地球環境の連関を鋭く探究し、アマゾンにもたびたび言及しております。
 先生は人道的な共生の時代を深く見つめておりました。
 先ほど総長が壇上で話されている時、「ああ、ここに牧口先生がおられれば」と、私は胸が熱くなりました。
 今年は、牧口先生の平和と正義の殉教から65年。牧口先生は、軍部権力によって、牢獄の中で命を奪われた。
 私が本日、このように貴大学から栄誉を拝受したことを、牧口先生も、どれほど喜んでおられることか。
 これこそ弟子としての最高の誉れであります。総長、本日は、まことにまことに、ありがとうございました。
7  不可能を可能に
 さて、19世紀の末から、アマゾンの奥地に分け入って、広大なブラジルを結ぶ、電気通信のネットワークを完成させた大英雄がおります。
 民衆の幸福と繁栄に人生を捧げた「人道」の勝利者であります。
 その人こそ、貴大学の名前に厳然と留められている、ホンドン先生なのであります。。
 〈ホンドン氏は19世紀から20世紀にかけて活躍したブラジルの軍人、探検家。ブラジル奥地の調査・開発に取り組むとともに、先住民の保護に心血を注ぎ、晩年には「平和の元帥」「人間主義の元帥」と讃えられた。
 またホンドン氏は、先住民の尊厳を守るため、部下に対して「必要とあらば(自らの)死をも辞さないが、決して(相手を)殺してはならない」との教えを徹底した。この言葉は、彼を慕う先住民たちによって語り継がれ、パラグアイやウルグアイにまで伝えられた〉
 未知なるアマゾンへの「電気通信」の開設。それは、誰もが「絶対に不可能である」と思っていた、至難の大事業であった。
 ホンドン先生は、なぜ、その「まさか」を実現できたのか。
 勝利の要諦を、3点挙げるならば──
 第1に「師弟の道」を勇敢に突き進むことである。
 このホンドン先生は、困難であればあるほど、師匠と仰ぐ、ブラジルの共和制の父、ベンジャミン・コンスタン先生らの教えを、いつも心に響かせて、自分で自分を勇気づけながら戦った。
 そして、社会のため、人々のため、未来のため、一歩も引かずに、祖国の発展という、わが師匠の夢を実現していった。
 だから強かった。だから負けなかったのであります。
8  獅子奮迅の力で
 勝利の第2の要諦は、「団結の道」を聡明に貫き通すことである。
 ホンドン先生には、苦楽を共にする同志が多くいた。その固い結合は“使命を自覚する学校”と呼ばれ、先生は皆から慕われた。
 電信網建設の先頭に立つ先生は、疲れを見せず、弱音を吐かなかった。
 誇り高き使命の盟友たちを、毅然と励ましながら、皆の獅子奮迅の力を引き出し、結集していったのである。
 いかなる戦いも、団結したほうが絶対に勝つ。先人の叫びが胸に響いてくる。
 私たちも、やりましょう! 新しき勝利の峰へ、団結して進もう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
9  友の心をつかめ
 さらに、勝利の第3の要諦は「対話の道」を忍耐強く広げ続けることである。
 すなわち、ホンドン先生たちは、地元で暮らす先住民を徹底して大事にしました。
 地道な対話・交流を誠実に重ねながら、大胆に友好を広げた。
 最も苦しんでいる人々の“親友”となり、がっちり心をつかんで味方にした。ゆえに勝ちました。
 創価学会も同じです。ここに、重大な歴史の教訓がある。
 そして、この大英雄の精神を脈々と継承されゆく「人間主義の大人材城」こそ、貴・ホンドニア連邦大学なのであります。
 模範の学府です。
 まさしく、共生の時代をリードしゆく天地は、ブラジルである。心ある世界の識者は注目しております。
10  誇り高い人生を
 よりよき社会を築くため、私自身、青年時代に、愛する関西の友と大闘争に挑み、「“まさか”が実現」と謳われる、民衆の大勝利の金字塔を、堂々と打ち立てました。
 若き皆さんも、後世に胸を張れる、誇り高い人生を生きるのだ。
 この大金星を輝かせた原動力も、「師弟の道」「団結の道」「対話の道」を、最後まで祈り抜き、走り切ったことにある。
 この事実こそが、永遠の勝利の大道であることを、諸君は知っていただきたい。
11  断固として勝ちまくれ
 輝く未来を切り開くうえで、一切の根本は何か。それは「勇気」です。
 意気地なしや弱虫、卑怯者。おべっかばかり使う人間──そういう人は、偉い人間にはなれない。本当に大事なことは、何も成し遂げられない。
 私はこれまで何万、何十万、何百万という人を見てきました。堕落し、同志を裏切る人間もいた。
 こうした経験からも、私は断言できるのです。
 悪い人間に負けない。すべてに勝っていく。そのために必要なのが「勇気」です。
 勇気、そして、何ものも恐れないこと──これが日蓮大聖人の仏法の真髄です。
12  敢然と進もう!
 信心とは、勇気の異名なのです。
 地位や立場ではない。本当の勇気を持った人が偉いのです。
 私たちは、断じて恐れない「勇気」に燃えて、歌声も高らかに、明日への「希望の橋」を悠々と前進し、勝とう! 頼むよ!〈「ハイ!」と元気な返事〉
 白蓮グループの皆さん、いつもありがとう!
13  一番、大変な中で一番、清浄な花を
 アマゾンは1,000万種ともいわれる多彩な生物を育む、巨大な「生命の宝庫」です。
 このアマゾンの象徴と讃えられる花は一体、何か。
 それは、直径2メートルにもなる大きな葉を持ち、気高く咲く、“白蓮(オオオニバス)”の花なのであります。
 〈オオオニバスはスイレン科の植物で、花は開いた当初は白く、やがて赤くなる〉
 きょうは、女子部の「白蓮グループ」の大会、本当におめでとう! いつもいつも、ご苦労さま!
 アマゾンの“白蓮”には別名があります。それは「勝利の女王」という名前です。
 私は、こうした意味も考えて、女子部に“白蓮”という名を贈らせていただいた。
 一番、大変な泥の中から、一番、清らかな花を咲かせるのが白蓮です。すごいことです。“世界一の花”だ。
 人間の偉さ、女性の最高の幸福の姿が、そこに象徴されている。
 まさに、わが創価の女性こそ「勝利の女王です。私たちは、その活躍に最敬礼し、心からの感謝と賞讃を捧げたい。
14  悔いなき人生
 どうか、一人として苦難に負けないでいただきたい。
 誰にでも苦難はある。また、どんなに幸せそうに見えても、苦労のない人間などいません。
 苦難に負けず、朗らかに、そして健康で、幸福の花を咲かせきっていく。
 これが戦いです。そのための題目です。正しい信心を貫く人が、悔いなき人生を飾っていけるのです。
 皆さんに、絶対に幸福になってもらいたい──これが、私と妻の一心不乱の祈りです。
 それには信心しかない。必ず勝てるのです。皆さんは、幸福への最高の“武器”を持っているのですから。
 「女子部、万歳!」と私は声を大にして、申し上げたい。
15  全員が「万歳」を
 きょうは、青年部幹部会も、おめでとう!
 うれしい。本当に、青年部は、よく健闘してくれている。
 見事な歴史を残してきた。
 仏法も、人生も、すべて善を打ち立てるための戦いだ。「どうせ戦うならば、痛快に、堂々と勝ちゆけ!」と私は申し上げたい。
 新たな決勝点は、我らの前にある。全員が大勝利して、心晴れ晴れと、「万歳!」を叫びたい。
16  あらためて、きようは、ホンドニア連邦大学ご一行の皆様、本当によくお越しくださいました。
 私には、きょう拝受した名誉博士号を捧げたい人がいます。
 一人は、大教育者で、私の師匠の師匠である牧口先生。先ほども申し上げました。
 そして、もう一人は、イギリスの大歴史学者、トインビー博士であります。
 博士は、私を、わが子のように、かわいがってくださいました。
 対談も行い、世界に残しました。
 博士のご自宅にうかがった時には、まるで国家の指導者を迎えるがごとく大事にしていただいた。
 対談後も、「池田会長はお元気ですか」と気にかけ、終生、心を寄せ続けてくださったことは、忘れることができない。
 博士は、真の知性でした。本当に固い友情の絆を結びました。
 〈トインビー博士は、対談終了の翌年である1974年(昭和49年)5月の池田SGI会長の初訪中に際しても、その直前に、「日本のためにも、中国のためにも、いな、全世界の人びとのためにも大きな意味をもっている」と期待を寄せている〉
17  「勝利の前には必ず試練が」
 ブラジルの大言論人であるフェルナンド・サビーノの叫びを、青年部の諸君に贈りたい。
 「勝利の前には、必ず試練がある。ゆえに我らは、試練さえも、新たな道を開く突破口とするのだ」
 青年部の皆さん!
 すべてにわたって、全員、頼むよ!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
18  青年とともに進めば若くなる
 壮年部の皆さんも、ご苦労さま!
 たとえ年齢を重ねても、元気のない声ではいけない。生き生きと語るのだ。
 たしかに壮年は、苦労が多いかもしれない。家に帰れば、奥さんに叱られ、娘には責められる。職場でも、若い人から疎んじられる──そう嘆く人もいたようだ。
 壮年部は、凱旋将軍のごとく胸を張って、朗らかに進もう!
 青年と一緒に、全力をあげて戦おう!
 その人こそが、若い生命になる。その人が幸福なのである。
 今こそ、壮年部が立ち上がるのだ。
 我らは、「断固として勝ちまくれ!」を合言葉に、創立80周年へ突進してまいりたい。
 一家にあっても、青年が立ち、“親父”も立てば、その波動は計り知れない。
 青年部が立ち上がるのは当然のことだ。そこに、壮年部も立ち上がれば、学会は、2倍、3倍、いな、それ以上の偉大な力を発揮していける。
 これを、どうか肝に銘じてもらいたい。
19  壮年は千人力!
 壮年部は、心まで老けてはいけない。信心が停滞してはだめだ。若々しく、社会で勝ちゆくことである。
 私は、壮年部を激励したい。
 広布の太陽・婦人部は、元気いっぱいに頑張ってくれている。男子部も走っている。女子部も輝いている。青年部は大丈夫だ。あとは、壮年部が一番大事である。
 壮年部が本気になれば、一人で千人をも率いていけるからだ。
 最後の勝利は、壮年部で決まる。
 ここに焦点を定めてまいりたい。
20  偉大なる勢いで
 ブラジルの大作家ギマランエス・ローザは言った。
 「流れる川は、いつも新しい」と。
 簡明だが、深い意がある。精神の大河また同じだ。
 いつも新しく流れ続ける雄大なるアマゾン川のごとく、わが愛する母校であるホンドニア連邦大学が、これからも隆々たる大発展をされゆくことを、心からお祈り申し上げたい。
 そして我らも、世界第一の王者の川・アマゾンのごとく、何ものも恐れず、負けない、偉大なる勢いで、勝利また勝利の大前進をすることを、固く固く決意し合って、私の御礼のあいさつとさせていただきます。
 オブリガード!(ポルトガル語で「ありがとう!」) 皆さん、お体を大切に! ありがとう!

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