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各部最高協議会  

2009.3.25 スピーチ(聖教新聞2009年下)

前後
2  草創期は、今の恵まれた環境とは、まったく違う。人数も少なかった。会館も、わずかだった。建設期であるがゆえに、いろんな点で大変だった。
 嵐のような批判中傷も浴びせられた。
 そのなかで、広宣流布に立ち上がり、師弟の正義を叫び抜いた女性リーダーの一人が、全国女子部長、婦人部長を務めた多田時子さんである。
3  最後が勝負
 若き日、多田さんは、両親に先立たれ、苦しみのどん底にあった。
 しかし、信心に巡りあい、宿命転換の道を歩み始めた。私の妻も、同志として、励ましを惜しまなかった。
 多田さんは、経済苦や病苦を乗り越えながら、どんな立場になっても最後の最後まで、同志に尽くし、師弟の報恩の道を貫いていったのである。
 恩師の戸田先生は言われた。
 「目先にとらわれてはいけない。信心を立派にやり遂げていくことだ。一家も、すべて幸福になるに決まっている。信心強く、自らの生命に生き切って、幸福になり切っていけばよいのだ」
 人生は最後が大事である。途中ではない。
 戸田先生は「人生は最後の5年が勝負だ」と厳しく言われた。
 最後に勝つために、「今」があるのだ。
 信心で立派に総仕上げした人生は、安詳として、三世永遠に「幸福の軌道」に入っていく。絶対に落ちない飛行機に乗ったようなものだ。
 それが生命の法則である。御書に照らして断じて間違いない。
 ゆえに、勇気の心で進もう! そして勝とう!
4  さらに恩師の指導を紹介したい。
 戸田先生は、仕事で悩む人や、病気で悩む人に、全魂をこめて指導された。相手の命を根底から揺さぶるような励ましであった。
 恩師は言われた。
 「苦しみが大きければ大きいほど、功徳も大きい。永遠の生命から見れば、苦しい期間は、瞬間のようなものだ。仏法は生命の根本的な変革の道である。あとは勇気をもって戦うのだ」
 また、こうも指導された。
 「だれも好んで病になる人間などいない。しかし、この仏法は、生命の本質的な転換を説いている。この信心で病が治るだけではない。勝利の人生の土台ができる。永遠の福運を積むことができるのである」
 大事なのは信心である。信心さえ負けなければ、その人は、必ず勝っていける。
 何があっても、信心から、また学会から、離れてはならない。
 「事業に行き詰まって、なすすべがない。病に悩んだとしても、医者は万能ではない。ここに、日蓮大聖人の御出現の意義がある。変毒為薬の仏法の意義があるのだ」
 これが戸田先生の大確信であられた。
5  さっそうと進め
 ドイツの大詩人ゲーテは綴った。
 「君が全力を尽す気なら、自分だけの上に留まるな、一人の師のこころに従え(片山敏彦訳『ゲーテ詩集』岩波文庫、現代表記に改めた)
 私は、どこまでも戸田先生のために戦い抜いてきた。
 青春時代、私は、事業の破綻で苦境に陥った先生を支え、護り抜いた。
 先生が苦しんでいるのを喜び、嘲る人間もいた。多くの人たちが離れていった。
 先生は理事長を辞任され、いわば一会員のような存在。それこそ“一人の壮年部員”と“一人の青年部員”が必死で奮闘している――そんな状況だった。
 しかし、私は絶対に負けなかった。「断じて、師匠である戸田先生に広宣流布の指揮を執っていただくのだ」。そう決めて戦った。
 周りは敵ばかり。その中で、敢然と先生の第二代会長就任への道を開いたのである。
 その後、私は折伏でも突破口を開いた。あらゆる拡大の戦いで、歴史を残した。
 東京の大田で、神奈川の鶴見で、そして大阪でも世間が瞠目するような民衆勝利の金字塔を築いた。
 戸田先生は厳然と語っておられた。
 「信心は形式ではない。御本尊に『お願いします』『助けてください』と、本当の心でぶつかっていくのだ。師匠の教えのままに、師匠と同じ精神で、戦い抜いていくのだ。
 その熱意、その心が、信心に現れてこそ、何ものも乗り越えられるのだ」
 本当にその通りだ。私は、すべて先生のおっしゃる通りに戦ってきた。
 牧口先生、戸田先生、そして私が命がけでつくってきたのが創価学会である。
 皆さんには、この三代の「心」を受け継いで、さらに素晴らしい学会を築いていってもらいたいのだ。
6  張り切って! 生き生きと!
 ゲーテは、こうも述べている。
 「行動こそ人生だ」(内藤道雄訳「抒情歌」、『ゲーテ全集1』所収、潮出版社)
 「元気よくあれ躊躇するな」「昨日も今日も星はかがやく/頭をうなだれて ものは思うな/汝の目をば将来にむけよ」(三浦吉兵衛訳『ゲーテ全集第1巻 詩集』大東出版社、現代表記に改めた)
 「さあ ゆこう いつまでも初心忘れず/ひたすらに目的めざし颯爽と」(高橋義人訳「大切なのは」、『自然と象徴』所収、富山房百科文庫)
 どこまでも明るく、張り切って行こう!
 ああだこうだと考えてばかりいても、仕方ない。
 断じて勝つ! 私が道を開く!――そう決めて、あとはさっそうと行動するのだ。
 スカッと、さわやかに、晴れ晴れとした心で進むのだ。
 リーダーの皆様は、皆が、生き生きと前進できるように、指揮を執っていただきたい。
7  有名な御聖訓には仰せである。
 「一生はゆめの上・明日をせず・いかなる乞食には・なるとも法華経にきずをつけ給うべからず
 何があろうと、創価の誉れに生きるのだ。
 広宣流布のために――その必死の祈りが諸天を動かす。あらゆる魔軍を打ち破る。
 明年の学会創立80周年を目指し、平和と文化の大叙事詩を、誇らかに綴りゆこう!
 後世に輝きわたる師弟の大城を、ともどもに築こう!
 どうか、お体を大切に! 各地の同志の皆様にくれぐれも、よろしくお伝えください。ありがとう!

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