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新時代第24回本部幹部会 青年部幹部会、池田華陽会1期生大会

2008.12.13 スピーチ(聖教新聞2008年上)

前後
1  遠くロシアの天地から来日された、ご来賓の皆様に心より感謝申し上げ、御礼のスピーチをさせていただきます。
2  友の奮闘に感謝
 私たちが敬愛してやまぬ、大文豪トルトイ先生は綴りました。
 「お母さまの顔はただでも美しかったけれど、微笑によってそれはいっそうすぱらしくなり、まるで周囲のもの全体が明るくなるようであった。
 生涯のつらく苦しいおりおりに、もしほんのちょっとでもあの笑顔を見ることができたなら、私はおそらく悲しみとはどんなものであるかをすら知らなかったであろうと思う」(中村白葉訳『トルストイ全集1』河出書房新社)
 お母さんの微笑みは、すべてを明るく照らしてくれる。お母さんの微笑みがあれば、私たちは、人生の苦しみも悲しみも、朗らかに乗り越えていくことができるのだ――。
 大文豪は、母の微笑みの光彩に、無上の宝を見出したのです。
 この激動の1年も、わが創価の母たちの微笑みが、どれほど明るく時代を照らし、どれほど朗らかに、皆を励ましてくれたことか。
 私たちは、心から感謝を表したいと思います。
 男性は皆、立ち上がって、広布の母への感謝を込めて、婦人部の皆様に最敬礼したい。
 いつも、ありがとうございます!〈ここで男性の参加者が立ち上がって、会場の婦人部の皆さんに御礼を述べると、会場から大きな拍手がわき起こった〉
 いくら男性幹部が格好をつけて、威張ってみせても、現実に広宣流布を進めてくださっているのは、まぎれもなく婦人部の皆様である。
 仏法対話も、地域友好も、婦人部の方々の地道で、懸命な活動には、誰もかなわない。
 きめこまやかに個人指導を続けておられるのも、やはり婦人部が中心である。
 広布に励む女性に対し、男性は絶対に威張ってはいけない。叱ったり、怒鳴ったりする幹部など論外である。
 法のため、友のため、学会のために、けなげに行動しておられる婦人部、女子部の皆さんを、最大に讃え、尊重していくことが、大発展、大勝利の道である。
3  断じて親孝行を
 じつは、トルストイ先生は、幼くして母を亡くしました。
 〈ちょうど2歳になるころ。文豪は、母の面影を求め、作品を通して母の愛を宣揚した〉
 私がお会いした、偉大なる文豪ショーロホフ先生も、最愛の母を戦争の空襲によって奪われました。
 それだけに、お二人の大文学には、「世界のお母さんたちの幸福を願い、そして人類の平和を祈る心が深く深く込められていると感じてなりません。
 きょうは、わが未来部の代表も集いました。
 高等部、中等部の若き皆さん、本当にご苦労さま!
 お休みのところ、よく来たね。成績は大丈夫かな。
 若いということ自体が、一番の財産だ。
 電車賃が足りない時は、一駅や二駅は“マラソン”で。そのくらいの心で、朗らかにいくのです。
 青春時代は、悩みが尽きないものだ。
 だからこそ、先輩は、後輩を大事にしてあげてほしい。何か困っていることはないか、悩んでいることはないか、相談にも乗ってあげてもらいたい。うんと応援してあげるのです。
 親を一番、大事に! 後輩をまた一番、大事に! これが、「人道」の出発です。
 それから、男性は、女性を大事に! なかんずく、全員が、お母さんを大事に! これが、人生の「根本」です。
 親孝行ができないような人は、偉くなってもニセモノです。決して、「一流」にはなれない。
 これは、長い人生を生きてきて、数多くの人を見てきた私の結論です。
 とにかく、言葉に尽くせないほどお世話になってきた親を、見くだしたり、けなしたり、バカにするようなことがあれば、とんでもないことです。
 それは、断じて人間の行為ではない。動物以下です。
 本当に親孝行した人が、本当に偉くなっていくのです。
 また、たとえ今はできなくても、いつか親孝行をするんだ、必ず恩返しをしていくんだという心を持つ人が、最後は人生を勝っていくのです。
 世界の一流の人は、皆、親孝行を忘れません。きょうお越しくださったロシアの先生方もそうです。
 また、お父さん、お母さんがいない人は、わが胸中の父母を大事にしてほしい。その心こそが、自分自身を伸ばし、強く大きくしていく限りない力となるからです。
4  「成長」ありて「勝利」あり!
 ともあれ、青年部幹部会の開催、おめでとう!
 この1年間、本当によく戦った。青年部の若きリーダーの諸君が、あらゆる広布の闘争に率先して頑張った。
 大勝利の1年となった。一人一人が大きく成長した。
 「大勝利」と「成長」は、一体不二なのです。
 君たちが、さらに成長してくれれば、未来の学会は、もっと素晴らしくなる。未来の世界は、もっと美しく輝いていく。
 諸君が将来を決定するのです。これからの時代が私は本当に楽しみです。
5  皆の幸福の為に生きてこそ幸福
 トルストイ先生は、愛する青年たちに、こう語られた。
 「生命は幸福の為めに我々に与えられて居る」(深見尚行訳「互に愛せよ」、『トルストイ全集第18巻』所収、岩波書店。現代表記に改めた)
 人間は、皆、幸福になるために生まれてきたのだ。仏法では「心こそ大切」と説く。魂が満たされなければ、真の幸福はない。
 だからこそ、皆を幸福にするために、わが生命を使うのだ。
 偉大な文豪の眼差しには、仏法者と同じ人間愛が光る。トルストイ文学も、ショーロホフ文学も、「生命の幸福の道」を示したものである。
 その精神の遺産を厳然と継承されゆく、人類の宝のご家族を、私たちは、熱烈に、真剣に、歓迎申し上げようではありませんか。
 ただ今、私は、皆様方を代表し、何よりも意義深き栄誉を拝受いたしました。誠に、誠に、ありがとうございます。
 〈席上、SGI会長に対して、第1号の「トルストイの時代」賞と、「ショーロホフ生誕100周年記念メダル」が贈られた〉
 世界の誉れの同志とともに、謹んでお受けいたします。
 この世で同志がいることは、本当に尊く、強く、幸福なことである。
 同志――それは何よりも、人生の向上の源泉となる。嵐の時の助け合いの力となる。
 お父さん、お母さんを大事にするのは当然のこととして、かけがえのない同志を大事にすることだ。たくさん同志のいる人が、一番、幸福なのである。
6  芸術部の皆さん、ようこそ!
 若々しく、元気いっぱいに活躍しておられる皆さんの姿を拝見し、本当にうれしい。 いつも、ありがとう!
 海外の皆様も、はるばる、ようこそおいでくださった。
 ヨーロッパの皆様! アメリカの皆様! ブラジルの皆様! 台湾の皆様! マレーシアの皆様! 韓国の皆様! そして、16カ国・地域の同志の皆様!
 ありがとう! 寒い中、本当に、ようこそいらっしゃった。
 どうか楽しく、お体を大事に、ゆっくりしていっていただきたい。
7  激流を越えて
 トルストイ先生の名作『戦争と平和』。読んだことのある人はいますか?〈会場から多くの手が上がった〉
 内容は聞かないから、心配しなくてもいい。
 『戦争と平和』は200年前、ナポレオン軍がロシアに攻め入った時代が舞台である。
 荒れ狂う動乱の激流の中で、真摯な青年が、いかに悩み、いかに苦難を勝ち越えていくか。
 試練に打ち勝つ「青年の勝利」が、この大河小説の主題の一つであるといってよい。
 『戦争と平和』には、トルストイの分身とも言われる青年主人公のピエールが、「至る所で、全力を尽くして悪と愚かさを圧迫し、才能と善を守るべきだ」(藤沼貴訳、岩波文庫)と訴える場面があります。
 悪を断じて追撃せよ! 力ある人材と高潔の人を護れ!――こうした学会精神と響き合う言葉です。トルストイの名前は「レフ」。恐れなきライオン――「獅子」の意味である。「師子」は仏法上も深い意義がある。
 私は、「男は師子であれ!」「人生は師子のごとく!」と申し上げたい。
8  強敵こそ善知識
 トルストイは記しています。
 「試練こそ私にはこよなく有難い」(ビリューコフ著、原久一郎訳『大トルストイ』勁草書房)
 また、「苦難に耐えることを知る人間は、不幸になるわけがない」というのが彼の信念でした。その通りと思う。
 私の人生も、そうだった。戸田先生も、そうおっしゃった。
 青年ならば、苦難にぶつかっていくことだ。試練に挑んでいくことだ。要領よく生きて、何で本物の人間ができるだろうか。
 苦労をして働く。広布のために戦う。時には、いじめられる。それでも前進を続けていく。そして勝つ。
 それが全部、自分自身の訓練となり、財産となるのです。
 仏法でも、“強敵”こそ、自分を強く大きく鍛えてくれる“第一の味方”であると教えている。仏になるための「善知識」なのである。
 トルストイは、政治の権力による弾圧にも、宗教の権威による破門にも、卑劣な虚偽の中傷にも、絶対に屈しなかった。
 「屈しない」ことが勝利である。永遠の勝利だ。
 屈してはならない。私も何があっても、絶対に屈しなかった。
 師子王である戸田先生に薫陶された直弟子は、何ものにも負けないからです。
 戸田先生のもとで、私は先生の事業の再建のために奔走し、弘教の先頭に立った。師匠を誹謗中傷する人間とは、言論の力で断じて戦い抜いた。
 ふがいない先輩など頼りにせず、自分が全責任を担い立った。若き皆様もまた、そうあっていただきたい。
 人生は戦いです。戦ってこそ、不動の自分ができるのです。
9  トルストイは、仏教についても学んでおりました。
 とくに釈尊が、社会に打って出て、各地を歩きに歩き、語りに語って、迫害のなか、平和と正義の法を弘め抜いた姿に、トルストイは感嘆していたのであります。
 打って出る――すべてはそこから始まる。
 だれかの後ろに隠れて、うまくやっていこうという姿であってはならない。
 自ら社会に打って出て、堂々と正義を叫び抜くのである。
 「真実をもって虚偽に克て」との仏典の一節も、トルストイは書き残しておりました。(北御門二郎訳『文読む日々』ちくま文庫)
 これが、トルストイの一つの結論です。
 虚偽の人間とは、徹して戦い抜く――こう決意して、いざという時に、君たち青年が立ち上がってもらいたい。
 「なすべき大切な使命」とは何か。
 トルストイは、青年に伝えました。
 それは、「持てる力の限りを尽くして、わが身に知り得た真実を世界に広めながら、生き抜いていくことである」と。
 これこそ、創価学会の精神ではないか。世界広布の人生ではないか。
 理想を目指す人には生きがいがある。
 その理想を実現しゆく方程式を、トルストイは示唆してくれているといえよう。
 経済危機に揺れる世界は、一段と不安を深めている。「これではいけない」と、平和と繁栄の確かな哲学を求め始めた。
 わが青年部の皆さん!
 「生命の尊厳」そして「人間革命」の希望の哲学を、生き生きと、大確信をもって、これからも、さらに力強く大師子吼していこうではありませんか! 勇気をもって!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 自他ともの幸福のために、敢然と生き抜いてこそ、「心の財第一なり」と、大満足の人生になるのだ。
 一人も、学会から臆病者を出してはならない。
10  自分を鍛え抜け
 トルストイ先生が「獅子」であるならば、モスクワでお会いしたショーロホフ先生は、「大鷲」の風格をもっておられました。
 大切な“雛”のごとき次代の人材を、どう育てるか――ショーロホフ先生は叫ばれた。「(大鷲は)ひなたちに翼をひろげさせ、下降はさせず、高度だけをかせがせ、完全に力つきるまで上へ上へとひなたちを追いたて、いっそう高く高く上昇させていく」(F・ビリュコーフ編、秋山勝弘訳、横田瑞穂監修『ショーロホフと現代』モスクワ・ブログレス出版所)
 それでこそ、若鷲たちは天空を舞い飛ぶことができるのだ。
 青年よ、厳しき鍛錬を通して、本物の大鷲に育て! 高く高く飛翔せよ!――こう慈愛をこめて見守っていかれた。大文豪の視線は鋭く、また温かい。
 皆さんもご存じの通り、日蓮仏法では、こう宣言されている。
 「地走る者の王たり師子王のごとし・空飛ぶ者の王たり鷲のごとし
 芸術部、スポーツ部の皆さんも、重ねて、きょうはお忙しいなか、ありがとう! 多くの同志とともに、待っておりました!
 同志が皆、喜んでいます。ぜひまた、おいでいただきたい。立派な方々ばかりである。
 全員で応援しよう。
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