Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

広布第2幕・第7回全国青年部幹部会 モンゴル文化詩歌アカデミー「天の駿馬」賞贈呈式

2008.4.12 スピーチ(聖教新聞2008年下)

前後
1  青年部の皆さん、きょうは、ご苦労様!
 この中で、モンゴルに行ったことがある人は、いますか?
 〈何人かが、元気に手を挙げた。「どうして行ったのですか?」との池田SGI会長の問いかけに、「留学です」等と答えた〉
 偉いです。ありがとう!
 モンゴルから大切なお客様をお迎えしているのに、もしだれも手を挙げなかったら、私は身の置き所がありませんでした。
 モンゴルの言葉は話せますか?〈参加者が「話せます!」と答えた〉
 すごいことです。うれしいです。
 私は、青年のころからモンゴルの詩や文学が大好きでした。モンゴルの文学者で、劇作家のロドイダムバ先生は決然と述べた。
 「人生には、用意されたものなどない。すべて努力し、戦って勝ち取らねばならない。まさに、ここにこそ、人生の素晴らしさがあるのだ」
 努力です、勝つためには。私はこの言葉を、これから戦い、指導者となりゆく、最も大事な青年部の諸君に贈りたいのです
 さらに、このロドイダムバ先生は断言しました。
 「多くの人々が団結したとき、何事にも勝利し、何事をも獲得することができる」
 なかんずく、青年の団結こそ無敵であります。だれも、かなわない。
 きょうは大勝利の青年部幹部会、おめでとう!
 青年部が盤石であれば、学会の未来は、永遠に大丈夫です。
2  私の恩師である戸田先生も、雄大な、大英雄の国モンゴルが大好きしでした。
 先生は「大作、二人して、モンゴルの大草原を馬に乗って走ってみたいな」と言われた。 忘れることはできません。先生とは、親子以上の深き縁でありました。
 私も、モンゴルの美しき平和の大地に立って、悠久の青空を仰ぎながら、恩師に詩を捧げたいと、夢を思い描いていました。
 きょうは、詩心の大国モンゴルから、世界的な詩人をお迎えし、若き日からの夢を叶えることができたような感動を覚えています。
 ただ今、私は、モンゴル文化詩歌アカデミーから、最高に意義深き栄誉を、創価の青年たちとともに拝受させていただきました。これほどの喜びはございません。
 文化の英雄であられるメンドオーヨ総裁、そして諸先生方、誠に誠にありがとうございました。
3  「言論の獅子」であられる総裁は、厳然と喝破されました。
 “正義の心は光であり、邪悪な心は闇である”
 “善き知識は創造の力であり、悪しき知恵は破壊のエネルギーとなる”
 人間の幸福も、社会の繁栄も、そして世界の平和も、この「正」と「邪」、「善」と「悪」との限りない闘争のなかで、勝ち取っていく以外にない。これが現実です。
 善人が勝たねばならない。悪人は倒さねばならない。そして、その最大最強の武器こそ「正義の言論」なのです。
 しゃべることだ。語ることだ。悪い人間を破折していくことだ。
 総裁の信頼と期待にお応えする意味からも、わが創価の青年部は、大いなる正義の言論の旗を、一段と強固に掲げゆくことを、お互いに誓い合おう! 頼むよ!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
 言論の戦いは、語って、語って、最後まで語り抜いたほうが勝つ。黙ってはいけない。引き下がってはいけない。
 前へ進むのです。叫ぶのです。師子のごとく!
4  「弟子の英知は師から生まれる」
 さて、この中でモンゴルの箴言を何か知っている人はいますか?〈参加者の一人が手を挙げ、「友人のある人は草原と同じ。友人のない人は掌と同じ」というモンゴルのことわざを紹介した〉
 ありがとう! 私も、その言葉を言おうと思っていた。先に言われたので、言えなくなってしまった。
 モンゴルの珠玉の箴言に、「親は身体をつくるが、師匠は心をつくる」とあります。
 さらに、「ランプの灯りは、油から生まれる。弟子の英知は、師匠から生まれる」ともある。
 師匠を持つ人生が、どれほど強く、明るいか。幸せか。
 総裁も、貴国の偉大なる国民詩人ヤボーホラン先生を人生と文学の師匠と仰がれ、その師恩に応えてこられました。
 偉大であるがゆえに、嫉妬の中傷を浴びせられ、攻撃された師匠。総裁は弟子の自覚をもって、世界にヤボーホラン先生の名を宣揚してこられたのです。
 この一点です。この一点があるかないかで、人生の深さ、真実の勝利の人であるか否かが決まる。
 そして2006年に総裁は、貴国での歴史的な「世界詩人会議」を、議長として、堂々と大成功に導かれました。
 それはまさに、“モンゴルの詩を世界に”というヤボーホラン先生の遺言を実現したものとしして、言論界から賞讃されたとうかがっております。
5  言論の光を放て
 師匠が中傷批判された時に、弟子は戦うのです。私は戸田先生が中傷されたなら、すべて抗議に行き、戦いました。詫び状をとったこともあった。
 戸田先生は、ともに入獄した牧口先生に感謝し、「あなた(牧口先生)の慈悲の広大無辺は、わたくしを牢獄まで連れていってくださいました」とおっしゃった。
 この心を持つ人が、真実の人生を歩む、本当に偉大な人だと私は思う。皆にも、この美しき心の道を進んでほしい。
 これまで、総裁自身も心ない誹謗を受けてこられたこともあるでしょう。しかし総裁は、悪意の攻撃を圧倒する言論の光を、社会に放ってこられた。
 この誇り高きモンゴルの言論人の勝利と栄光に、私たちは喝采をお贈りしたい。
 私も若き日から、言論の戦いを貫き通してきた一人であります。
 体調を崩し、高熱のある時も、1枚、また1枚と原稿を書き綴ってまいりました。
 朝方までかかったこともあった。疲れと熱で手が動かず、妻に口述筆記してもらったこともあった。毎日、戸田先生を護るために、学会を護るために書いた。
 そうして発刊してきた著作や対談集等は、今や、モンゴル語をはじめ、世界40言語にわたり、国内外合わせて2,300点を超えたのであります。
 皆も、語ってほしい。書いてほしい。
 私は肺病で苦しみ、30歳までに死ぬ体だと言われていたが、戸田先生は“なんとかしたい”“俺に代わって長生きしてほしい”とまで言ってくださった。
 肺病で、思うように学べなかった人間が、師弟に生きたおかげで、これだけの仕事を残すことができた。
 これらの仕事に込めた心も、方法も、全部、君たちに譲り託しゆく精神の遺産であると思い、この話をさせていただきました。
 勝つのだ。勝ち残すのだ。
 そして、仏法を壊す悪人は叩き出していただきたい。〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
6  題目を朗々と!
 仏法では「三障四魔」という障害があらわれた時、「賢者はよろこび愚者は退く」と説かれている。
 迫害にあった時に、逃げる人が多いのが現実です。皆さんは、賢者の中の大賢者として、喜び勇んで苦難を勝ち越えていただきたい。
 きょうは、各界で活躍する友も出席している。
 生き生きと光る存在になるためには、どの分野であれ、題目が根本だ。すべての立ち居振る舞いに、その人自身があらわれる。
 勝ちたいのかどうなのか、中途半端ではなく、ピン! と胸を張って、「私は学会員です!」「創価学会は大事な存在です!」という心で戦っていただきたい。
 その時、周りもまた「ああ、あの人には頑張ってもらいたい」と思うものです。
 勝てるように、元気で戦えるように、祈ることだ。そして、勝っても負けても、また祈るのだ。
 また、きょうはフレッシュな新社会人、新入生の皆さん、未来部の友も参加されている。
 ご健闘を祈ります!
 皆が来てくれて、うれしい。広布に戦った人の名は、永遠に輝くことを知っていただきたい。
 そして、ご両親を大切にして、丁寧な言葉遺いで接してあげてください。また、朗々と題目をあげて、礼儀正しく進んでいってください。
7  ヤボーホラン先生は、素晴らしき女性には、悲しみの木にも花を咲かせ、実を結ばせるような力が秘められているとし、「女性こそ美の母である。ゆえに、一切にまさる美を自身がそなえている」と謳っておられます。
 まさに、女子部の皆さん方の姿そのものであります。
 本日は、総裁のご令嬢も出席してくださいました。ありがとうございます。そのお名前(ムンフザヤ)には、「永遠の幸運」という素晴らしい意義があるとうかがっております。
 「目先」の幸運ではない。目先の幸運は、一現象にすぎません。大事なのは「永遠」の幸福です。そのための仏法です。そこに、究極の人生の勝利者の姿がある。
 そして、自分だけではない。お父さんもお母さんも、家族も、友人も、縁するすべての人々の生命に、幸福の花を咲かせてあげたい。咲かせていこう――そのために正しい信仰がある。仏法がある。若き日の仏道修行があるのです。皆が仏の境涯になっていくことができるのです。
 うれしいことに、きょう、私は「天の駿馬」という最高の名前を冠した栄誉を頂戴しました。ありがとうございます。
 私は青春時代、ドイツの大詩人シラーの詩を恩師・戸田先生に暗唱してお聞かせした。そのシラーの歌「騎手の歌」の一節が今、深く思い起こされてなりません。
 それは――
 「いざ戦友よ、馬に乗れ、馬に乗れ!」
 「胸を張って、戦いに打って出よ! 若さは沸き立つ。命も激しく燃え立つ。命ある限り、快活に進め!」
 こういう詩句であります。
 快活に前進しよう! 人はどうあれ、自分の道をゆけ
8  人類は、今まさに、哲学と情熱の青年たちが、天の駿馬に乗って躍り出ることを願っている。切望しております。
 世間には、エゴに凝り固まった人間もいる。格好だけ、人気取り――そういう人間も多い。だからこそ世界は、君たちの登場を待ち望んでいるのです。十方の仏菩薩も応援している。頑張ってください!
 人はどうあれ、自分は自分の道をゆくのです。
9  私が若き日から心に刻んできた、モンゴルの箴言をいくつか、大切な大切な青年部の諸君に贈らせていただきたい。
 まず、「意志がある人には、能力がある。目的がある人には、道が開かれる」。
 “必ず勝つ!”と決めた青年の一念ほど、強い力はない。
 さらに「子が幸せであれば、母も幸せである。母が心から誇りに思える子どもであれ!」と。
 どうか、真の親孝行を頼みます! いいね!〈「ハイ!」と返事が〉
 ウソをついてはいけないよ!〈再度、会場から大きな力強い返事が〉
10  勇敢な声で勝て
 わが青年部の皆さんに、私は未来を託したい。
 戸田先生にとって、「わが青年部」といえば、私のことだった。
 何かあるたびに、「大作を見よ!」「大作に続け!」と叫ばれた。
 また、「大作が俺の前に来て、どんな鋭い質問をするか。俺のほうが困っている」とおっしゃることもあった。それでも先生は、何を聞いても教えてくださった。
 “一緒に馬に乗る”夢はかなわなかったが、ともに飛行機に乗った。
 「大作、厚田村へ行こうな」――先生の故郷にお供したことも、忘れ得ぬ思い出である。
 不二の心。不二の行動。そういう師弟でなければならない。
 ともあれ、わが青年部は、青年の国モンゴルの若人とも心を結びゆくことを決意して、世界に「友情の大草原」を広げていくのだ。“遠いから関係ない”という考えではいけない。
 新時代の平和と正義の旋風を、駿馬に乗って駆けるごとく、さっそうと巻き起こすのだ。
 若き君よ! 貴女よ!
 我々の勇敢な声が、一切を勝利させていくのだ――そういう題目を! 声を!
 そういう人生を! 青春を!〈「ハイ!」と元気な返事が〉
 結びに、人類の「詩心の宝の殿堂」であられる貴アカデミーの未来永遠の大発展を、私は、また、私たちは、心からお祈り申し上げ、御礼のスピーチとさせていただきます。
 バヤルララー!(モンゴル語で「ありがとうございました!」)

1
1