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創価大学第34回・創価女子短期大学第2… アラバエフ記念キルギス国立大学「名誉博士号」授与式

2008.3.21 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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1  卒業おめでとう!
 皆さん方は、たくさんの国立大学、有名な私立大学があるなかで、私が創立した創価大学、創価女子短期大学に勇んで来てくださり、立派に卒業してくださった。
 心より感謝申し上げます。卒業おめでとう!
 これから、皆さんは、社会に出て、幸福になり、勝利者になり、正義のために戦い、人生の誓いを果たし抜いていってもらいたい。
 そして、皆さんのお父さん、お母さんから、「ああ、よかった! わが子を創大、短大に行かせてよかった!」と言っていただくまで、私は、皆さんのことを祈って祈って祈り抜いていきます! それが「創立者の心」です。頑張れ!
2  卒業生の植樹を
 本日、卒業される創価大学34期生、創価女子短期大学22期生、大学院生、通教生、留学生の皆さん、晴れの卒業、重ねて、おめでとうございます!
 きょうの卒業式を記念して、皆さんに“贈り物”を発表したい。
 このほど、創価大学に新しい「グラウンド」が誕生することになりました。
 グラウンドは、天然芝で、立派なクラブハウスも完備されています。
 場所は、「緑の丘」の北西に位置する。栄光門から車で7〜8分。グラウンドからは、創大本部棟も、よく見えます。
 残念ながら、卒業生の皆さんの在学中には間に合わなかったことを、大変に申し訳なく思っています。
 このグラウンドに、私は、真っ先に創大34期生、短大22期生の「卒業生の桜」を植樹させていただきたい。
 さらに、アメリカ創価大学と創価学園の「卒業生の木」、「父母の木」、「教員の木」、「職員の木」も植樹させていただきます。
 ともあれ、皆さんは、母校の建設と発展を、いつまでも見守り続けていただきたい。
 私は、創価同窓の皆さんの「健康第一」と「文武両道」の前進を、いつまでも祈り続けてまいります。
 〈この新グラウンドは、教員、職員、学生の総意で、「池田記念グラウンド」と命名された〉
3  今回、卒業する皆さん、また卒業生のご父母の皆様方のお名前を、私は、インドのデリー郊外にある広大な「創価菩提樹園」に永久に保管させていただくことを提案したい。
 本日の式典に出席されたロケッシュ・チャンドラ博士は、智慧と勇気の木である菩提樹について、こう語られた。
 「菩提樹は、生命と光、そして天上の炎のエネルギーと同義であると考えられています。また菩提樹は、自身の生命の強固な大地の奥深く、しっかりと根を張る生き方の象徴でもあります」(栗原淑江訳『わが心の師池田大作』鳳書院)と。
 このインドの菩提樹園をはじめ、世界中に創価の文化の城を築いてありますから、卒業生の皆さんは、うんと働いて、ぜひ、ご家族を連れていって差し上げてください。
 きょうは、それを約束したいと思うが、どうだろうか。〈「はい!」と力強い返事が〉
4  さらに今回の卒業式を祝して、次の一首を添えて、創価大学の学長室に記念の時計を置かせていただきたいと思います。
  偉大なる
    指導者 育てむ
      創大の
    学長室に
      光り輝け
 大学の先生方には、大学の未来を、そして創大生、短大生を、なにとぞ、よろしくお願いします。すべては教員で決まるからです。
5  語学を学び抜け
 これから多くの人は、社会に出ていくでしょうが、一つ、皆さんにお願いしたいことがあります。
 私の80年の人生における最大の後悔は、英語をはじめとする語学を勉強できなかったことです。
 勉強は一生です。語学は、徹して学び続けていただきたい。
 私は、36年前、イギリスの大歴史家トインビー博士と対談を始めました。
 2年越し、40時間に及んだ語らいは、対談集『21世紀への対話』に結実。幸いにも、これまで、大きな反響を広げてきました。〈『21世紀への対話』は、これまで世界27言語で出版。ある識者は、「人類の教科書」と讃え、多くの指導者の“座右の書”となるなど世界的名著との評価が寄せられている〉
 トインビー博士との語らいは、政治、経済、哲学、文学、教育、環境、さらに仏法の生命論や宿業論など、あらゆる次元に及びました。
 博士は、日本の万葉集や源氏物語、竹取物語、古事記などもよくご存じで、詳しく勉強されていた。驚きました。
 話の内容が高度で、テーマは多岐にわたり、3人の通訳が準備していましたが、それでも追いつかない。
 私も、自分で英語ができないこと、語学ができないことが悔やまれてなりませんでした。
 勉強しなければいけない。語学を勉強しない人は、時代に取り残されます。大きな仕事はできません。
 ましてや現代のような国際化の時代にあっては、恥をかくだけです。
 まずは英語です。さらにまた、さまざまな語学にも挑戦していただきたい。
 創価大学、女子短大でも、語学には力を入れていますが、一日中、家でも、学校でも、英語漬けで暮らす――そのくらい徹底して勉強していなければ、本当の力はつかないとも言われている。
 ともあれ、徹して語学に力を注いでまいりたい。教職員の皆さんも、よろしく頼みます。
6  トインビー博士は、対談の終わりに、遺言のごとく私に言われました。
 「私は、いくつかの大学から名誉称号を受章しましたが、あなたは私よりも、必ず将来、多くの名誉称号を受けるでしょう」と。
 博士のおっしゃった通り、私がお受けした世界の大学・学術機関等からの名誉学術称号は、きょうで「231」となりました。皆様方のおかげであります。
 この栄誉を私は、謹んでトインビー博士にお伝えしたい。また、初代の牧口会長、二代の戸田会長にご報告申し上げたいのです。
7  創大への期待
 対話といえば、先日、小説『新・人間革命』にも書きましたが、戦後の日本を代表する政治家の一人、佐藤栄作総理との語らいも忘れられません。
 佐藤総理から、私が招かれて、鎌倉の別邸を訪問したのは、昭和41年(1966年)の1月8日。
 佐藤総理は64歳、私は38歳でした。
 約3時間半にわたり、これからの日本の動向、世界平和の展望について、二人きりで、じっくりと語り合いました。寛子夫人の真心の夕食もごちそうになりました。
 今後の抱負を尋ねられ、私は、答えました。
 「大学をつくります。大事なのは教育です」と。総理も深くうなずいて、賛同してくださいました。
 その鎌倉の別邸には、吉田茂元総理の写真が飾ってありました。〈名誉会長には吉田茂元総理の遺品が令孫から届けられている〉
 その写真を見て、佐藤総理は、「私の師匠です!」と誇り高く言われた。
 師匠をほめ讃え、自負できる人は幸せです。
 師弟の道を貫く魂と魂は、深く共鳴するものです。
 〈小説『新・人間革命』の連載に際して、佐藤総理の子息である佐藤信二氏から、次のような声が寄せられている。
 「名誉会長と父は年齢的には父子ほどの差があり、出身地も、生活環境も異なるのに、同じ価値観を持てたのはなぜか。名誉会長の戸田先生に対する思い、父の吉田先生に対する思いに共通なものがあったのではないでしょうか」〉
8  時代は変わって、私が第三代会長に就任した32歳のころ、当時の池田勇人総理とお会いしたことがあります。
 池田総理のご自宅は、信濃町にあり、わが家とご近所で、大変に親しくしていただきました。池田総理とも、教育について論じ合いました。
 さまざまな問題があるけれども、日本の将来にとって一番大切なのは、教育である。その点で意見は一致しました。
 このように、わが創価大学の創立には、皆さんの想像を超える大きな期待が込められていたのです。
 今や、世界から大きな賞讃が寄せられる創価大学になりました。先生方、卒業生の皆さん方のおかげです。本当にありがとうございます。
9  指導者よ育て!
 先日(3月16日)行われた創価学園の卒業式で、ある有名な来賓の方が、あまりにも素晴しい卒業式であったと感嘆しながら、秀才と英才の集まりである学園生の凛々しき姿を見て、このように語っておられたと、うかがいました。
 ――必ず、このなかから、総理大臣も、ノーベル賞受賞者も出ることはまちがいない、と。
 私も必ずそうなると確信をもっています。
 創価大学も頑張れ!
 私は、皆さんを悠然と見守っています。
10  創価女子短大には、キュリー夫人の像が立っています。
 フランス・パリ郊外のソーの地には、キュリー夫人の家がある。私も幾たびとなく、その家の前を歩いたことが懐かしい思い出です。
 彼女は述べている。
 「皆の見本となるような結果を出す」には、どうすればいいか。そのためには、「見た目はパッとしないこともあるが、本当に実質的な価値のある課題をねばり強く追求することが必要である」と(スーザン・クイン著、田中京子訳『マリー・キュリー 2』みすず書房)。
 派手でなくていい。皆の注目を集める人間が、本当に偉い人間とは限らない。そうした社会の実像を、私はよくわかっているつもりであります。
11  最高の薬は希望
 「人生最良の時である青春時代よ、真実と善の道を歩みゆくがよい」
 これは、キルギスが生んだ11世紀の大詩人・バラサグンが書き残した青春の讃歌であります。
 人類の知性から祝福されての卒業式、まことにおめでとう!
 卒業生の皆さんは、麗しき友情のスクラムで、わが創価大学、わが創柵女子短期大学の第2幕を晴れ晴れと開いてくださいました。私は感謝しております。
 留学生の皆さん方も、本当によく頑張った。
 アメリカ創価大学の英才たちも、ありがとう! 本当によく来てくれました。うれしいです。皆で拍手を送りたい。
 私の大好きなキルギスの格言には、「学問は知識の泉。知恵は生活の明かり」とある。
 私は、永遠に学び勝ちゆく皆さんの門出を祝して、「学は光」「学は宝」「学は正義」そして「学は勝利なり」との言葉を贈りたい。
 創価の人間教育に当たってくださっている、教員の先生方、職員の方々も、いつも本当にありがとうございます。
 常日ごろから、大学を支えてくださっている多くの皆様方にも、心より御礼を申し上げます。
 「詩心の大国」キルギスの国には、美しき民話があります。
 それは、病と闘う父が、親孝行なわが子の真心にふれて、再び生きる希望を持ち、元気に蘇生できた。そして、母とともに、しみじみと「希望こそ最高の薬である」と喜び、語り合ったという物語です。
 皆さん方も、お父さん、お母さんに、最大の希望を贈りゆく親孝行の人生を送ってください!〈会場から「ハイ!」と元気な返事が〉
 もしもお父さん、お母さんが落ち込んでいるようなことがあったら、何とかして励ましてあげてほしい。
 「私が偉くなります! 勝ちます! だからお父さん、お母さんもお元気で!」――そうやって声をかけてもらいたい。
 それを遅くまでテレビを見ていたりして、親から「テレビ消しなさい」「早く寝なさい」と注意される。ついには「うるさいよ!」と怒って親とケンカする。
 それではいけない。
 皆さんは親を蘇生させ、元気にさせていく。親を喜ばせていく。そういう一人一人であっていただきたい。
 例えば、きょうの卒業式が終わったら、電話でもいいから、「お父さん、お母さんのおかげで、素晴らしい卒業式を迎えられました。本当に創価大学に来られてよかった」――そう伝えてあげてほしい。
 明るい、楽しい、素晴らしい人生を、家族とともに、友人とともに、つくっていってほしいのです。ご両親が、皆さんのことをどれほど大切に思っておられるか。
 特に父親は娘のことが心配で、かわいくてたまらないものです。例えば、娘に好きな人ができて、結婚をする――。
 もちろん、うれしいことではありますが、最愛の娘が嫁いでいってしまうのは、一面では寂しい、苦しいことなのです。
 万が一にも、恋愛や結婚のことで、娘が苦しむようなことがあれば、父親の心配はいかばかりか。それではお父さんがかわいそうです。
 聡明な皆さんには、こうしたことを知っておいてもらいたいのです。
12  春の息吹で!
 ただ今、私は愛する皆さん方の創立者として、大哲学者であるベクボエフ総長、そして、大言語学者であるムサエフは学長から、何よりも栄えあるキルギス国立大学の名誉博士号を拝受いたしました。
 厚く厚く、御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 私は生涯をかけて、このご高恩に報いてまいる決心です。
 じつは、きょう3月21日は、キルギスの暦でも、新しい春を祝う「出発の日」に当たっております。
 貴大学のモットーには、誇りも高く、「私たちとともに未来を展望し、成功に向かって歩みゆこう」と掲げられております。
 ここに集った全員が、きょうから新生の春の息吹で、新しい心で、大勝利の青春、大成功の人生を前進しゆくことを決意し合いたい。
 私は、貴大学が、その名に冠しておられる、民衆教育の大先覚者アラバエフ先生の崇高な足跡を、生命の奥深くに刻みつけております。
 20世紀の初頭、この信念の哲人は、キルギス語での教育の道を大きく開いくたき、幾多の教育者を育成しました。
 貧しき人々のため、民衆運動の先頭にも立ち、横暴な権力と戦い抜いた勇者です。
 そして、この正義の大英雄は、わが創価教育の父・牧口先生と同じく、いわれなき罪で捕らえられ、壮絶な死を遂げました。
 何ものを恐れぬ、この勇敢なる師子の魂を、貴大学は厳として受け継いでおられます。
 なかんずく、徹して民衆のために尽くされ、青年を育て抜いてこられたのが、ここにお迎えしたベクボエフ総長であり、ムサエフ学長なのです。
 お二人は、「喜びも悲しみも学生とともに!」という「学生第一の精神」を貫いてこられました。
 学生が苦しんでいれば、一緒に泣いてあげる。励ましてあげる。
 これが本当の教育者です。
 学生に対して威張ったりする教員は、真の教育者とはいえない。
 このお二人の薫陶を受けて、わが創大卒業生の伊藤広宣君も、キルギスの大地に根を張り、貢献しております。
 卒業生の勝利の晴れ姿ほど、うれしいものはありません。
 貴国の国民作家・シジクベコフは謳った。
  「汝よ、強くあれ
   すべてを支える大地のごとく。
   いついかなる場所にあっても、誠実で勇敢なる人を手本とせよ。
   偽りの思想と臆病を打ち払うのだ
   病を体から追い出すように!」
 わが創価教育にも、初代・二代、そして三代が命を賭して戦った不屈の大闘争の歴史があります。
 いかなる苦難にも断じて負けない。最後は「巌窟王」のごとく、師弟の勝利を勝ち取ってみせる――これが、創価の正義の師弟の大道であると思いますが、どうでしょうか。
 わが卒業生の皆さんは、胸を張って、堂々と、この絶対の勝利の道に続いていってください。
 頼むよ!〈会場から「ハイ!」との返事が〉
13  恩師の願いを実現する人生
 牧口先生と同時代を生きた貴国の偉大な民衆詩人サトィルガノフは、「創造的活動にのみ、人間にとって、人生の本質がある」と喝破されました。素晴らしい言葉です。
 まさしく「創価」とは、常に新しい、創造と開拓の人生のことであります。
 私がトインビー博士と開始した対談も、「文明の対話」という新しき人類の潮流を起こしゆく、「挑戦の対話」でありました。
 博士との対談を一切、終えたあと、博士から私に1枚のメモが託されました。
 そこには、博士が自ら書かれた、世界最高峰の知性の名前が7人、記されていました。
 ローマ・クラブ創立者のペッチェィ博士、アメリカの医学・微生物学者デュポス博士、ドイツの教育学者デルボラフ博士などであります。
 「可能であれば、この方たちともぜひ対話を」とのトインビー博士の心は、今でも私の心から離れない。博士の期待に応えて、私は世界中に、対話の波また波を起こしてきました。
 私は、一人の無学な貧しい青年でありました。太平洋戦争で、4人の兄は全員、徴兵された。敗戦の時、私は17歳。長兄は、ビルマで戦死しました。父はリウマチで苦しんでいた。
 私は、そういう時代に青春を送った。不幸だったかもしれない。しかし、それらを全部バネにしました。
 そして、師匠の戸田先生が、私を育ててくださった。約10年間、私が勉強できなかったことを、亡くなる間際まで、ずっと教えてくださったのです。
 私は、“創価の大学を、教育機関を”との願いをはじめ、恩師の夢を、全部成し遂げました。私は、やりました。諸君も頼むよ!〈会場か、「ハイ!」と力強い返事が〉
14  私がこれまでお会いした識者は、記録によると数千人を数えるようです。きょう、お越しくださった世界的哲人であるロケッシュ・チャンドラ博士との語らいをはじめ、文明間を結ぶ対談集も、57点を数えようとしております。
 世界の大学やアカデミーでの講演も、モスクワ大学、北京大学、フランス学士院、ハーバード大学、ボローニャ大学など、32回を数える。国連からも、講演の要請をいただいております。
 なお、朝日・読売・毎日・日経等の新聞や月刊誌等への寄稿、インタビューの掲載は、日本では、1,100回を超えました。
 世界の一流紙からも多くの要請をいただき、この10年ほどでも、アメリカの「ロサンゼルス・タイムズ」や、インドの「タイムズ・オブ・インディア」など、33カ国・地域の11言語で、約400回に及び、私の寄稿などが掲載されてきました。
 創価の思想と哲学に寄せられる世界の関心は、一段と深まり、広がっているのであります。
 皆さんに、「これから」を頼みます! やりましょう!
15  「自分の言葉」で真実を語れ
 キルギスのいにしえの大詩人バラサグンは謳いました。
 「真実を最後まで言い切らぬ者は、臆病者と嘘つきの名にふさわしい」
 「私のことを先駆者と仰ぐ人々よ、自身の言葉で、私の言葉を語り継いでいってくれたまえ」
 真実を言わないのは、臆病です。地位を持ち、偉くなった大人のなかには、自分だけを守り、師匠がどうなろうが、同志がどうなろうが、かまわなくなる者がいる。これまでも、そうだった。
 ずるい大人は、信じられない。新しい人を育てる以外にありません。
 皆さんも、ずるい他人を信じる必要などない。「自分」を信じることだ。
 戸田先生は、青年を信じた。19歳で出会った私を信じられた。私もまた同じです。若い諸君が大切なのです。
 嘘つきで、臆病な、ずるい人になってはならい。狡賢く黙っていることは、卑怯である。勇気の声が、正義を拡大する――これが戸田先生の叫びでした。
 確信ある青年の声の響きこそが、新たな革命の力である――これが牧□先生、戸田先生の結論でした。
 さらに、キルギスの格言を紹介したい。
 「人のためにする仕事も、習得するのは、あなただ」
 仕事に幸せを見出した人は本当に美しい人」
 わが使命を果たすために「戦う人」は美しい。
 そしてまた、「我慢の底は幸せである」との格言が貴国にはあります。
 どうか、仕事を大切に、職場を大切にして、聡明に忍耐強く、信頼を積み重ねて、勝利者になってください。教員の皆様にも、学生と一体になっての前進を、お願いいたします。
 キルギスの大詩人 「友情こそ人生を幸の光で照らす」
16  「一念」を定めよ そこに栄冠が!
 さて、今回、インドのロケッシュ・チャンドラ博士から、周恩来総理から贈られた貴重な大蔵経(写本資料)や、博士の父君がマハトマ・ガンジーに日蓮仏法を伝えられた教材の書籍など、1,000点を超える人類の至宝を、数多く寄贈していただきました。ありがとうございます。
 最極の精神の遺産として、大切に大切に、万年までも、厳然と伝えさせていただくことを固くお約束申し上げます。
 マハトマ・ガンジーは、すべての人間の無限の可能性を信じて、断言しました。
 「よい機会に恵まれ、よい教育を受けることによって、最も崇高な『人間という花』は開花するのである」と。
 わが創価教育の教員の皆さんも、この心を忘れないでいただきたい。そのために創立した創大、短大です。
 このガンジーの確信の通り、女性教育、人間教育の理想の花を美しく咲かせておられる、インド・創価女子大学のクマナン博士一行も、ようこそお出でくださいました。うれしいです!
 創価教育の兄弟姉妹は、全世界に広がりつつあります。
 皆さんの「一人」の勝利は、世界の友の希望の光となっていく。
 マハトマ・ガンジーは確信していました。
 「幸福であるか不幸であるかは、心で決まる」
 「何人でも、たとえこの世に於て苦痛と損失を抱くことあるも、正義と誠実によって幸福を見出すことが出来るのである」と(福永漢訳『ガンヂーは叫ぶ』アルス。現代表記に改めた)。
 「心こそ大切なれ」です。皆さんも、わが心の一念を、巌のごとく、強く深く定め切っていくことです。そこにこそ、自身の人生の「栄光の宝冠」が輝いていくことを、忘れてはならない。
 勇気あるサトィルガノフは、「争いではなく、友情こそ、君の人生を幸の光で照らしゆくことを知ってくれたまえ」と謳いました。
 私たちは、キルギス、インドをはじめ、世界との友情をさらに広げながら、人類の平和と繁栄の未来を、赫々と照らしていける人生を生きようではありませんか!
 私の、宝であり、命であり、誇りである、晴れの卒業生の皆さん方の、健康と大勝利を祈りに祈って、私のスピーチを終わります。ありがとう!

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