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新時代第16回本部幹部会 広布第2幕第6回全国青年部幹部会、全国壮年部幹部会

2008.3.5 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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2  君と私の心は一体!
 第6回の全国青年部幹部会を、晴天で迎えることができた。
 雨が降れば、男子部が勤行していないのではないか、と言われるかもしれないが、きょうは、だんだんと天気になり、妻も「やっぱり青年部の皆さんは立派ですね」と言っていた。
 一方、“晴天は、第2総東京の婦人部の皆さんの唱題のおかげではないか”という声もある。きょうは、そういう“内輪もめ”は止めたい、皆で讃え合いたい。
 本部幹部会、青年部幹部会は、「君」と「私」の心が一体となる、そういう幹部会にしていきたい。
3  青年部幹部会――いい響きだ。そう聞いただけで、はつらつとしてくる。
 いよいよ私の直弟子の時代に入った。
 うれしいことに、昨年9月の第1回青年部幹部会から、毎回、参加者の水かさが増して、青年部全体で約15万人も増加したとうかがった。おめでとう!
 男子部は、第1回の開始からこれまでに、1万人の折伏を達成した。素晴らしいことである。ご苦労さま!
 女子部も、今年に入ってからの2カ月間で、245万人の友人と励ましの対話を展開。これも素晴らしい歴史だ。
 男女学生部も、27万人に対話を拡大している。
 広布第2幕の青年部は、堂々と立ち上がった。
 牧口先生のもとには戸田先生がおられた。戸田先生には私がいた。新時代の後継者の皆さんは、私が直接訓練をしてきた、本門の中の本門のメンバーである。皆の活躍はうれしいかぎりだ。
 戸田先生 「一人の女子部は十人にも百人にも匹敵する力がある」
4  同志には優しく邪悪とは戦え!
 きょうは、熊沢女子部長が誕生し、女子部の新出発である。おめでとう!
 戸田先生は、「一人の女子部は十人、百人に匹敵する力がある」と期待を寄せておられた。
 婦人部も新出発だ。三井婦人部長は、同志には優しく謙虚に、増上慢の悪とは断固戦う、婦人部のリーダーとして、全国の友のために走り抜いていただきたい。
 牧口先生は、婦人部に対し“いろいろな難を乗り越え乗り越えして、立派になりなさい”とおっしゃっていた。
 男子部も、棚野男子部長とともに新たな出発である。
 戸田先生は、“どのようにすれば、ほんとうの信心か。これは、ごく簡単なことなのです。御本尊に祈り抜くことがあたりまえで、折伏することがあたりまえという心になれば、それで十分であります”と述べておられた。この心意気で存分に戦ってほしい。
5  “花の芸術部”は3月8日が「部の日」である。本当におめでとう!
 芸術部の皆さんは明るい。皆がうれしくなる。そういう方々が芸術部にますます増えてきた。すごいことである。
 たとえ有名であろうがなかろうが、関係ない。「創価学会の芸術部」である。
 朗らかに題目をあげながら、最高の「生命の舞」を舞っていただきたい。皆、お元気で!
 壮年部は、きょう(3月5日)、結成記念日を、迎えた。おめでとう!
6  広布の時が来た
 戸田先生は言われた。「今や、広宣流布の時が来た。創価の大いなる旗を掲げて、勇み進むのだ」と。
 先生はよく「大作、頼むよ」「青年部、頼むよ」とおっしゃった。青年部といえば大作――であった。
 私は、師である戸田先生に仕えきった。三世十方の仏菩薩に向かって、胸を張って堂々と、「池田大作という弟子は、戸田城聖先生という偉大な師匠を護り、命がけで仕えた」と宣言できる。これが創価の魂である。
 戸田先生は私を、どれだけ全力をあげて、死にものぐるいで、学会の将来のために育てたか。
 私は通っていた夜学を断念したが、「戸田大学」で教わった。365日、毎日が勉強の思いであった。すごい先生であった。
 つい先日、「時代は変わりました。学会は、夜明けの太陽が昇るような、大行進を開始しましたね」と、ある方が語っておられた。
 古来、新時代の扉は青年が開いた。私も19歳の時から、広布の道を堂々と開き始めた。
 戸田先生をあらゆる面でお護りし、折伏においても、教学においても、戸田先生を代行する思いで戦ってきた。
 友のため、広宣流布のために戦って一生を終えた人は生々世々、仏の境涯となり、仏の福運で、勝利者として生きていくことができる。
 何事も、「三代で決まる」と言われる。
 のちに三代会長となる私は、戸田先生のご境涯の奥の奥まで教えていただいた。この魂の継承があったからこそ、今日の学会の大発展、世界的勝利があったのである。
7  青年部が主力
 リーダーは、話がうまいこと以上に、「行動」が大事だ。「慈愛」が大事である。
 もしも将来、増上慢になり、堕落し、腐敗し、師弟の精神を踏みにじるようなリーダーの姿があれば、皆で力を合わせて断じて追放していくのだ。このことを、きょうは再確認しておきたい。
 青年部、頼むよ!
 青年部の時代に入った。きょうから、一切の主力は青年部だ。
 私も、戸田先生のもとで一人、立ち上がった。
 折伏が進まない。何も開けない。「大作、立ち上がってくれないか」「わかりました」――師の分身の弟子として、勝利の行進曲を、決然と奏でていった。
 広宣流布は、師弟に生き抜く「一人」で決まる。
 師は、襲いかかる三障四魔、三類の強敵と戦っている。魔軍の集中砲火を浴びている。その師を、一体、だれが護るのか。
 護るどころか、卑劣にも、手のひらを返して、師を罵倒する。うまく立ち回って逃げていながら、威張り、遊び、インチキをして、尊き学会を食い物にする――こうした忘恩の悪人と、私は断固、戦ってきた。
 未来もまた、「師子身中の虫」を断じて打ち破らなければ、まじめな仏子が苦しむだけだ。そんな世界は、絶対につくってはならない。
 皆のために、自らをなげうって働く人間が、真実の弟子なのだ。
 同志愛の世界、正義の世界、師弟の世界――私が築いてきた、素晴らしき学会の世界を、永遠に守り、広げていっていただきたい。
 カナダの女性作家モンゴメリは書いている。
 「若い人たちといっしょにいると、自分も若い気持ちでいられる」(村岡花子訳『エミリーはのぼる』講談社マスコット文庫)
 先輩の壮年・婦人の皆さんも、青年とともに、青年の心で、生き生きと進んでいただきたい。
8  広布の大開拓を
 大科学者ニュートン。彼は、何で有名か。〈会場から「『万有引力の法則』です」と〉
 その通りだ。
 ニュートンが「万有引力の法則」などの大発見を次々と導き出したのは、24歳のころだという。当時の社会の大激動とともに、これらの発見を指して、「驚異の年」と呼ばれた。若き青年の見事な探究が、後に、世界を驚かせた。
 そしてまた、大物理学者のアインシュタイン博士が、革命的な「特殊相対性理論」を発表した「奇跡の年」は、何歳の時であったか。
 それは26歳である。
 青年が大事だ。100人の壮年よりも、一人の青年が大事な時代に変わってきた。
 脳科学の分野においても、素早い記憶力や、新たな開発力といった、知的機能の「流動性能力」は、20歳から25歳ごろがピークとされる。
 私も、19歳で戸田先生と出会い、戦いに戦い、働きに働いた。とくに25歳くらいまでは激動であった。そして学会の大開拓をやり抜いた。
 広宣流布という「人類の精神革命」も、青年の「熱」と「力」によって成し遂げられる。
 青年、頼むよ!
 〈さらに名誉会長は「26歳以下の人!」と会場に呼びかけ、手を挙げた海外の友を壇上に招き、温かく励ました〉
9  苦難を越えて
 優秀な通訳の皆さん、いつもいつも名通訳、ありがとう!
 この席をお借りして、厚く御礼を申し上げたい。
 最優秀の通訳、そして翻訳者の皆様方は、“現代の鳩摩羅什”と讃えるべき大事な方々である。本当に大切にしていかねばならない。私は、そう思っている。
 鳩摩羅什は4世紀から5世紀にかけて活躍した、亀滋国出身の翻訳者である。亀滋国があった地域は、現在の中国・新彊ウイグル自治区のクチャにあたる。
 私は皆様を代表して、このクチャ県からも「名誉県民」の称号をいただいている。
 こうした地域から賞讃を受ける。かつては想像もできなかったことだ。
 今、世界の各地から多くの指導者や識者が日本を訪れて、学会を顕彰してくださる。このことを、決して当たり前と考えてはならない。
 一つ一つの顕彰に深い意味がある。すべて深い信頼と理解の証左なのである。
 これで、人間主義の平和・文化・教育運動が、一段と大きく世界に羽を広げることができたと捉えていくべきだ。
 ともあれ、この鳩摩羅什は、10代のころに「仏教東漸」――東方への仏法の流布――を必ず成し遂げよと師から託されたといわれる。師の命をわが心に刻み、その誓いを果たし切って亡くなったのである。
 30代の終わりごろから50代までの16年間、鳩摩羅什は不遇だった。祖国は戦争で蹂躙され、彼は、とらわれの身となった。
 もとより彼は、何も悪いことなどしていない。本当に偉い人物というのは、こうした苦しみを経験しているものだ。
 鳩摩羅什は、絶体絶命の危機にも屈せず、幽閉の地で研鑚を重ねた。語学力も磨いた。
 思えば、私が友情を結んだ、南アフリカ前大統領のマンデラ氏も、獄中で勉強を重ねておられた。〈牢獄で大学の通信教育を受け、卒業。池田名誉会長の英文エッセーを読んだのも獄中である〉
 大変な時だからこそ、勉強ができるものだ。
 氏が出獄後、日本を訪れ、わざわざ私に会いに聖教新聞本社まで来てくださったことは忘れられない。
10  鳩摩羅什は、師弟の誓願があるゆえに断じて負けなかった。
 「師弟」に勝るものはない――戸田先生は、日本の広宣流布の基盤を築かれた。軍部政府によって獄死させられた牧口先生の仇を討たれた。
 私は、世界広布の基盤を築き、師弟の誓いを実現した。戸田先生の偉大さを全世界に宣揚した。権力の魔性と戦った戸田先生の仇を討ったのである。
 こんどはだれの番か。皆さんの番である。
 「それは私だ!」――そう心で決めることだ。
 その人が一番、偉いのである。役職とか年齢など関係ない。これが仏法である。
 鳩摩羅什は、長い幽閉から解放されると、諸経の翻訳を開始した。そして、師子奮迅の力で法華経の漢訳を成し遂げ、不滅の「妙法蓮華経」を完成させた。この優れた漢訳によって、中国や日本、そして世界の人々が、法華経の真の偉大さを知ることができるようになったのである。
 鳩摩羅什は勝利した。いわば、壮年部の年代の総仕上げの大闘争であった。
 いかなる試練が打ち続こうと、壮年部は「巌窟王」となって、師弟の誓いを果たしていってほしい。私は鳩摩羅什の闘争を通して、そう訴えたいのである。
11  完壁な学会を
 昭和54年(1979年)4月、私は会長の辞任を余儀なくされた。狂った反逆者と邪宗門が結託して、何の罪もない私を追い落とそうとしたのである。
 いわば、学会は絶頂期であり、いよいよこれからが総仕上げという、大切な時であった。
 卑劣な仕打ちにも、私は会員のために耐えようと決めた。
 私を陥れ、私利私欲のために学会を利用しようとした人間たちが、今、どうなっているか。皆、哀れな末路をたどっている。仏法は本当に厳しい。
 イギリスの大詩人ミルトンは綴った。
 「腹黒い邪心や汚れた邪念を隠しもつ者は、真昼の白日のもとでも、夜陰につつまれて歩く。自分が自分の牢獄になっている」(宮西光雄訳「コウマス」、『ミルトン英詩全訳集上巻』金星堂)
 その通りだ。
 邪悪な人間は、暗い心の牢獄の中にいる。そして、結局は自らを破滅させていくのだ。
 会長辞任の日の夜、家に帰ると、妻は、いつもように微笑みながら言った。
 “本当にご苦労さまでした。自由が来ましたね”“これでまた、大勢の会員の方に会えますね。海外の同志が待っていますよ”――そう語ってくれたのである。
 そして5月3日、実質的に会長辞任の総会となった八王子での本部総会の後、私は学会本部へは戻らずに、神奈川へと向かった。
 なぜか。神奈川には、世界につながる海がある。私は、世界を舞台に、もう一度、新たな闘争を開始しようと決意していたのである。
 ともあれ、大事なのは青年だ。
 私は、長生きをして、本当に青年部を育て切って、完壁な学会を築きたい。それを見届けたい。そう決意している。頼むよ!
12  インドの偉大な思想家であるラダクリシュナン博士(国立ガンジー記念館前館長)と私の対談集が、まもなく発刊される。〈「人道の世紀ヘ――インドの哲学と教育を語る」と題して、月刊誌「灯台」で連載されたもの〉
 博士は、こう述べておられる。
 「アメリカ公民権運動の指導者キング博士は、“私には夢がある”と語り、人々を鼓舞しました。そして、池田博士は“私たちには使命がある”と訴えて、民衆を目覚めさせ、立ち上がらせてこられました。
 それが、今日の世界190カ国・地域に広がる偉大な連帯となったのです。民衆が、自身の使命に目覚め、人間革命の道を歩んでいく――じつは、これが最も大切なことなのです」
 インドの方が、このように学会のことを深く理解してくださる。本当にありがたいことだ。
 平和の先進国・ウクライナの大教育者に、キエフ国立貿易経済大学のマザラキ総長がおられる。〈同大学からは2002年、名誉会長に「名誉博士号」が贈られている〉
 総長は次のような声を寄せてくださった。
 「(創価学会は)地球の運命を共に担おうと自覚し、武力紛争や人権侵害のない新たな世界をつくらんとする、人間主義を信ずるすべての人々を幾世代にもわたって育んできました」
 「池田博士が率いておられる運動が、(中略)人類に必ずや精神の覚醒を促すものであると確信しております」
 深いご理解に、心から感謝申し上げたい。
 また、アメリカ・アイダホ大学の名誉教授であるガイヤ博士は語っておられる。
 「個人の善を社会の善へと発展させるためには、指導者の存在が不可欠です。師匠の姿に学び、自身を開き高めゆく民衆の連帯があって、はじめてそれが達成されるのです。
 これを人類が共有する価値観としていかねばなりません。この人類意識を持って私たちは“ヒューマニズムの文化”ともいうべき新たな文化を、未来へ創造していくことが可能となるのです。
 SGI会長と会員の交流に、その確かな開花を私は見ました」
 大事なのは指導者だ。だから私は真剣である。次の偉大な指導者である青年を、育てているのである。
13  新しい時代の声
 このほど、私は、「永遠に学び勝ちゆく女性・キュリー夫人を語る」と題して、創価女子短期大学の特別文化講座を発表させていただいた。〈本紙で2月8日付から6回にわたり掲載〉
 創立者として、創価女子短大の卒業生、在校生、受験生、さらに、すべての創価の女性たちへの人生の指針と励ましになればとの思いで贈らせていただいたものである。
 キュリー夫人。
 皆さんも、すでに、よく知っていると思う。
 忍耐と努力で、新しい女性の時代を告げた人である。
 皆さんもまた、厳しき現実に断じて負けないで、永遠に学び、永遠に進みゆく、勝利と幸福の人と光っていっていただきたい。
 勇気と希望の歌声を響かせていっていただきたい。
 若き創価の女性たちの声こそ、「新しい時代の声」なのである。
14  キュリー夫人は、ポーランドの出身。フランスで活躍した。
 かつて、私も、パリ郊外にあるマリー・キュリーの家を訪れたことがある。3階建ての赤い屋根の家であっ。た。
 「ここだね」「ここですね」と、妻とともに感動しながら、若き日から尊敬していたキュリー夫人を偲んだことが懐かしい。
 キュリー夫人の夫のピエール・キュリーの言葉にこうある。
 「人生から夢を作り出すことは大切だ。そして夢から現実を作り出すことも」(バーパラ・ゴールドスミス著、小川真理子監修、竹内喜訳『マリー・キュリ』WAVE出版)
 キュリー夫人の一生は、まさに「夢をつくり、夢を現実にしゆく」闘争であった。
 この懸命な戦いのなかにこそ、人生の「価値創造」がある。こう私は感じてならない。
 創価の若き知性の皆さんは、自分らしく、粘り強く、悔いなき「価値創造」の青春を送っていただきたい。
 キュリー夫人の夢に朗らかに続きゆく皆様に、私は心から喝采を贈りたい。
 「れの青春」、おめでとう!
15  真の勝利とは勝ち続けること
 きょう3月5日は、中国の周恩来総理の110周年の誕生日である。
 周総理は叫んだ。
 「一代また一代と勝利してゆかなければならないのであり、あとの世代は、前の世代よりもっとりっぱでなければなりません」(新井宝雄著『周恩来の実践・指導力の秘密』潮出版社)
 どの世界も、どの団体や組織も、勝利の方程式は同じである。
 学会もまた、牧口先生の時代、戸田先生の時代、私の時代、そして皆さんの時代と、一代一代、勝利していかなければならない。
 真の勝利とは、勝ち続けていくことである。長く、勝ち栄えていくことである。
 そのためには、青年を自分以上に育てる以外にない。これが周総理の信念であったし、 戸田先生も、私も、まったく同じ心で、青年を育てることに全魂を注いできた。
16  行動を見よ!
 もしも、青年を下に見たり、あごで使うような幹部がいれば、絶対に許してはいけない。
 若き諸君は、たとえ相手がどんな役職や立場であろうと、その行為が間違っていれば、「何をやっているんだ!「先生の指導と違うではないか!と、はっきりと言っていくべきである。
 私たちは「言葉」で戦うのである。明快に言い切っていくことが、現実を変えていく力なのである。
 周総理は、こうも指導している。
 「真理を語る勇気を持ち、しかも見事に語らなければならない」(周恩来総理の思い出、外文出版社)と。
 真実を語る勇気――これを持った指導者になってもらいたい。
17  増上慢という魔
 これまでも、同志に偉くしてもらいながら、立場が上になると、いい気になって、学会を利用するだけ利用し、最後は裏切っていった者がいた。
 私たちが知っておかなければいけないのは、幹部になればなるほど、増上慢という「魔」にやられて、「信心」を見失う危険が大きいということだ。だからこそ、「下」から「上」へ言っていくのである。
 全員が「会長」の自覚に立って、大切な学会を護っていただきたい。
 そして、皆が力を合わせて、本当に仲の良い、何でも自由に言い合える学会をつくっていきたい。皆で朗らかに励まし合って、もっともっと立派な学会にしていきたい。
 これからも、私は、命ある限り、広宣流布に尽くしていく。
 全国の会館も、一段と整備していく予定である。世界にも、たくさんつくりたい。
 私は第三代として立ち上がって以来、自身のことなど、何一つ考えていない。
 すべては、会員の皆様のために生きてきた。
 未来を生きる青年の皆様のために生きてきた。
 そう誇りをもって言い切ることができる。
 それが、偉大なる師に広宣流布の一切を託された、第三代の変わらぬ決心であることを、後世のために申し上げておきたい。
18  アメリカの民衆詩人ホイットマンは言う。
 「万事は庶民から生まれる。平凡な庶民から生まれるのだ」
 広宣流布の前進と勝利も、平凡にして最も偉大な最前線の同志から生まれる。この最前線の友への賞讃と感謝を、断じて忘れてはならない。
19  世界を快活に!
 ナチスと戦った「正義の知性」の一人に、文豪トーマス・マンがいる。彼は述べている。
 「芸術は世界に快活さをもたらします」(岡元藤則訳『トーマス・マンは語る』玉川大学出版部)
 芸術部の皆さん! いつも本当にありがとう!
 ホイットマンは、このような心情を語っている。
 「私は、いつもは表に現れない陰の人々に、大きな尊敬の念を抱いている」
 学会のいき方は正しい。偉大な知性の言葉と一致しているのである。
 きょうは、聖教新聞を配達してくださっている「無冠の友」の代表も見えておられる。いつも本当にありがとうございます!
 こうした陰で学会の前進を支える方々を、最大に賞讃し、最敬礼して、固く握手を交わすようにして心から感謝していく。そうした人こそが、本物の指導者ではないだろうか。
 ホイットマンは、一方で、こう喝破している。
 「あざけり笑う連中――。そんな連中を、気にしていたら、何も価値あることなど、成しえない」
 私たちは、悠然と、正義の大確信をもって進みたい。
20  目的に向かって真正面から進め
 19世紀から20世紀に生きた、アメリカの「科学的管理の父」テイラーの主張に、こうある。
 “誠実とは目的に向って真正面から進む心であり、これによって他人に対し自分に対し誠実となり、人間は誇りをもち向上心・理想をもつことができ出来る”(三戸公著『審理とは何か』文眞堂から)
 「私どもが生きている目的は今までよりも絶えずよくなっていくことであります」(上野陽一訳・編『科学的管理法』産業能率短期大学出版部)
 大目的を目指し、前進し、成長していく。そのなかに、人生の充実も、勝利もある。
 古代ギリシャの作家プルタークの言葉には、このようにある。
 「誰に対する妬みであっても、妬みが正当に生じるということはない」(田中龍山訳『モラリア7』京都大学学術出版会)
 妬みは悪である。最高幹部は深く心すべきだ。
 彼は、こうも言っている。
 「敵意を持っている人に気弱になってはならない」(同)
 そうだ。強気でいくのだ。正義なればこそ、断じて負けてはならない。
21  戦う学会精神を
 周恩来総理は訴えた。
 「団結しなければいけない。不団結は分裂のきざしである。したがって、自分からすすんで団結することを、心がけなければならない」(新井室雄著『革命児周恩来の実践』潮出版社)
 本当にその通りだ。
 和合僧を破るのは、魔の働きであり、仏法上の重罪である。
 スイスの思想家ヒルティは述べている。
 「攻撃的であれば、勝利のたびによろこびを感ずるが、しかし単なる防禦はいたずらに多くの力を消耗するばかり」(草間平作訳『幸福論第1部』岩波文庫)と。
 民衆を苦しめる悪に対しては、断固として攻撃精神を燃え上がらせる。この戦う学会精神を、永遠に忘れないでもらいたいのだ。
 戸田先生は、今からちょうど50年前、こう綴られた。
 「組織は人によって作られ、人によって運営せられ、人によって有終の美を納める」(「大白蓮華」昭和33年3月号の巻頭言)
 創価学会は、世界190カ国・地域に、広宣流布の「人材」の陣列を築いた。すべては「人材」で決まる。
 「人間同士に真の和合と団結がなくては、いくら戦いを叫んでも、力など涌いてこない」
 これも、戸田先生の言葉である。
22  「友には誉められ敵には妬まれよ」
 ウクライナの大詩人イヴァン・フランコは綴った。
  「幸福の芽は、一人ひとりの胸中にある。
   ただ、その芽を育てさえすれば、やがて大きくなるだろう!
   生命の源は、私自身の中に潜んでいる。
   遠き天国に憧れる理由などないのだ!」
 幸福は、人から与えられるものではない。自分が、自分の生命に築いていくのである。
 人と比べたり、人をうらやんだりする必要などないのである。
 古代ギリシャの詩人テオグニスは言った。
 「善きひとびとは善きことを教え悪しきひとびととまじわるときはもてる知恵をも失うもの」(プラトン著、藤沢令夫訳『メノン』岩波文庫)
 確かにそうである。フランスの文豪ユゴーは、一人の女性をこう讃えている。
  「貴女は理解できる人です。
   悪に対する正義の戦いの崇高さを。
   残忍な暴力に対する思想の戦いの崇高さを。
   独裁者に対する哲学者の戦いの崇高さを。
   そして、物質的な悪に対する精神の力の戦いの崇高さを」
 創価の女性の皆様に贈りたい言葉である。最後に、中央アジア・カザフ民族の英知のことわざを紹介したい。
 「友には誉められ、敵には嫉妬させるがよい」
 こう心に決めて、堂々と正義の道を生き抜こう!
23  豊かな心で!
 朗らかに戦い、朗らかに勝とう!
 私と一緒に戦おう!(「ハイ」と力強い返事が)
 どんなに苦しくても、どんなに楽しくても、環境で、心の大きさは変わらない。心は、いくらでも広げていける。心は、どちらの方向にも行ける。
 うんとお金持ちになり、行きたいところへ行き、大きな家に住んだとしても、悪事を働いて、苦の報いにあえぐ不幸な人生もあるだろう。
 大事なのは一念だ。心で決まる。
 心がどれだけ「裕福」であるか。その心を豊かにしていく根幹が題目である。
 「心こそ大切なれ」――これが大聖人の一つの結論であられた。
 永遠に「心こそ大切」で進もう!
 全員が幸せになるのだ。全員が仏の生命をもっている。生命に上下などあるはずがない。
 どうか朗らかに! 幸せに! 勝者に!
 粘り強い“生命の帝王”になって、すべて、最後は「勝った!」と言える人生を、ともどもに送りましょう!〈ここで名誉会長の導師で、全員で唱題した〉
24  海外の皆様、遠くから、お疲れのところ、本当にありがとうございます。何か希望などがあれば、何でも幹部に言ってください。充実した研修会となり、皆さんが喜んで帰国されるよう、心からお祈りします。
 お帰りになったら、同志の皆様によろしくお伝えください。
 〈名誉会長は、海外をはじめ全同志のためにと、“大楠公”の曲などをピアノで奏でた〉
 海外の皆さん、お元気で! 日本の全学会員を代表し、心から感謝と御礼を申し上げます。
 いつまでもお達者で! いつまでもお幸せに! どうか、ご家族を大切に!
 ご主人は奥様を大切に。奥様はご主人を大切に。そして、お子様やご両親も大切に。皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えください。
 私は毎日、皆様のために、真剣に題目を送っています。長時間、ありがとう!

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