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日蓮大聖人・池田大作

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広布第2幕・第5回全国青年部幹部会 サントドミンゴ自治大学「名誉博士号」授与式

2008.1.19 スピーチ(聖教新聞2008年下)

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2  人に尽くす! 常に勝利を!
 英雄の定めとは、いったい、何か?
 この貴国の思想家は、語っています。
 それは、常に人々に献身することであり、そして常に勝利することである、と。
 人に尽くす。そして、常に勝利する。
 学会精神と同じ、仏法の方程式と同じです。
 この言葉を、雄々しき「創価の英雄」たる「ヤング男子部」の諸君、そして、凛々しき「広宣流布の花」である「白蓮グループ」の皆さんに、私は贈りたい。
 いつも、本当にご苦労さまです!
 また「芸術部」の皆さんも、ご多忙のところ、ありがとう!
3  勝負はこれから
 きょうは、中等部、高等部の代表も参加してくれました。中等部の皆さん!〈会場から「ハイ」と元気よく返事が〉
 よく来られたね。高等部の皆さん!〈同じく「ハイ」と元気よく返事が〉
 ご苦労さま! 親孝行している人?〈「ハイ」と勢いよく返事が〉
 すごいね、親御さんに電報を打って聞いてみよう。
 成績の良い人?〈「ハイ」と力強く返事が〉
 あとで、通信簿を見せてください。
 手が挙がらなかった人もいましたが、先は長いよ。戦いは、これからです。
 戦いなさい。みんな、力を持っているのだから。
 努力して、努力して、何でもいい、何かで一番になるのです。
 「優秀だ」と言われるものを残すのです。
 お父さんも喜び、お母さんも喜び、社会にあっても、「どうだ!」と胸を張れる、立派に光っていく人になってもらいたいのです。
 いつも皆さんの勝利を祈っています。
 いつまでも皆さんを見守っていきます。
 頑張れ!〈代表して2人の男女未来部員を壇上に招き、激励した〉
4  言葉は力!
 皆さんは、親孝行の人であってください。
 この場で皆さんが、いい返事をしているように、お父さん、お母さんの前でも、「ハイ!」と返事をすること。
 それを、きょうはお願いしたい。
 ここでは返事ができて、お父さん、お母さんの前では返事をしない。イヤな顔をする。
 それは偽善です。親も自分も不幸です。皆さんの声には、すごい力がある。言葉一つで、人に大きな喜びを贈ることもできるのです。
 「お父さん、風邪がはやっているけど、大丈夫?」
 「お母さん、きょうは私が、ご飯の支度を手伝うから、安心して」
 たとえば、皆さんからこのように言われれば、お父さん、お母さんは、涙が出るほどうれしいし、皆さんだって気持ちがいい。
 皆さんにも何かと不満はあるだろうが、お父さん、お母さんも、苦しみながら生きている。
 そのなかで、君たちを立派にしたいと頑張っている。その心が分かる皆さんであってください。
 ともあれ、言葉が大事です。心を働かせ、智慧を使うのです。
 学会の世界も、そのことを忘れてはいけない。
5  SGI(創価学会インタナショナル)は、人間主義の団体です。
 一切は、人間で決まる。人間によってこそ、平和と文化の創造ができる。
 その人間自身を、強く豊かにしていく「希望の源泉」、そして、不幸な人も、大変な人も、大政治家も、大文化人も、だれ人たりとも分け隔てなく照らしゆく「太陽の仏法」――それが、日蓮大聖人の平等大慧の法なのです。
 日蓮の「日」の字は太陽です。また、「蓮」の字は、蓮華です。
 泥沼のなかで清らかな花を咲かせる蓮華のごとく、いかなる環境にあっても、決して負けないで、勝利の花、幸福の花を咲かせていく。その姿を象徴しています。
 また蓮華の花(原因)と実(結果)が同時に成長することから、「因果倶時」を表すとも拝せます。原因も結果も、ともに、わが生命の一念に納まっている。そう教えるのが日蓮仏法です。
6  「君は何カ国に弘められるか」
 この大聖人の仏法も、190カ国・地域に弘まりました。
 私は19歳のとき、後に第二代会長になられる戸田城聖先生に巡りあい、終生、お仕えしました。
 戸田先生は、私を“第三代会長に”と見込まれ、それはそれは、あらゆる点で厳しい訓練をしてくださった。私も先生のお心に沿うように戦いました。
 先生と私の二人きりのとき、先生は言われました。
 「大作が、もしか会長になったら、何カ国ぐらいの国に広宣流布できるか」と。
 当時の学会は、日本のことだけで精一杯でした。しかし、戸田先生は鋭く世界を展望しておられたのです。
 私は答えました。
 「必ず全世界に仏法を弘めます!」
 「それは何カ国だ」
 「100カ国以上に弘めていきます」
 先生は涙ぐんでいました。私が言えば、必ず実行することは分かっておられましたから。
 事業の失敗で苦境にあった師をお護りし、師の広布拡大の大願を成就させ、文化と教育の大構想も、すべて実現してきました。
 師匠が喜び、安心し、勝利する――そのためには、どんなことでも成し遂げる。
 そういう弟子であったのです。これが本当の師弟の関係です。
 ともあれ、190カ国・地域に「太陽の仏法」が昇りました。
 先生と私以外、だれも信じない、想像もつかなかった世界広宣流布を、恩師と約束した通り、厳然と成し遂げることができました。
 釈尊の賞讃、三世十方の仏菩薩の賞讃、とくに、日蓮大聖人の御賞讃は間違いありません。
 いよいよ諸天善神が、我らを厳然と守護していくことを、確信してまいりましょう!
7  健康第一で!
 本年も、健康第一で! 健康のためには、よく寝ることです。
 夜ふかしをしないこと。健康を祈ること。
 自分の健康は自分で管理していくしかない。
 また、会合で帰宅が夜遅くならないように、とくに女子部の方は厳重に注意していただきたい。
 そして、できるだけ早く帰って、ご両親に笑顔を見せてあげてほしいのです。
 皆さんの笑顔が最高の親孝行です。
 いつも、明るく、伸びやかに!
 希望に燃えて、忍耐強く! 
 何ものにも負けない、何ものにも勝っていく。
 そういう決心で一年間を進みましょう!
8  知性の灯台
 さて、ドミニカの大思想家ペドロ・エンリケス・ウレニャは、このようにも言っています。
 「友情は、最も私心のない、揺るぎなき確かな魂である」
 この最も光輝ある友情の心を携えて、偉大なるレイナ総長ご一行が、激務のなか、はるばる、厳寒の日本にお越しくださいました。
 本当に本当に、ありがとうございました。
 壮麗な校歌に歌われている通り、貴・サントドミンゴ自治大学は、「精神の営みの中心」にして、「崇高な学術の源泉」であられます。
 さらに、「我らの知性の灯台」として、良識の道を照らし、教育の黄金の種を蒔いてこられました。
 この南北アメリカ大陸最古とされる貴大学の歴史と伝統に思いを馳せながら、私は、最高の栄誉を厳粛に拝受いたしました。ありがとうございます。
 レイナ総長はじめ貴大学の先生方、そしてまたセペダ駐日臨時代理大使に、厚く厚く、御礼を申し上げます。
 きょうの式典には、苦労に苦労を重ねながら、ドミニカ社会に貢献してこられたSGIの同志も、晴れやかに出席されております。
 ありがとう! 本当にありがとう! ご苦労さまです!
 ドミニカの尊き父母たちと一緒に、私は、本日の喜びを深く深く、いな永遠に分かち合いたいのであります。
9  「勇敢に、忍耐強く団結せよ」
 今、私の胸には、貴国の一人の尊貴な母の詩が轟きわたっております。
 それは、19世紀の女性詩人サロメ・ウレニャ・デ・エンリケスの詩の一節であります。〈前掲の思想家ペドロ・エンリケス・ウレニャの母〉
 すなわち――
 「勇敢に、そして忍耐強く団結せよ!
 毅然と、確かなる力を胸に湛えよ!
 無知が、その傲慢のゆえに立てる壁を、意気揚々と乗り越えたまえ!
 不正にして誤った者から権力を取り上げるのだ」
 私たちも、この気概で進もう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 貴国の勇気ある先人たちは、この詩のごとく、精神の自由を奪い、民衆を虐げる独裁政権とは、断固として戦い抜いてこられました。そして勝ちました。
 この戦う心を継がれる総長の祝辞も、私は本当に感動しました。涙が出る思いでありました。
 また、命を賭して暴力と対決した、有名な「ミラバル姉妹」に代表される、あまりにも神々しい貴国の女性たちの奮闘は、今、国連においても深く宣揚されております。
 母なる詩人サロメ・ウレニャ・デ・エンリケスは、こうも謳い上げています。
 「ああ! 女性は、大地の豊かな恵みのように、偉大な存在と善そのものの源なのです。それは悪徳の人間たちが悔しがるほどです」と。
 じつは、総長の母上も、この詩のごとく、不滅の正義と人道の闘争に生き抜いてこられました。
 総長のおじにあたる母上のお二人のご兄弟は、横暴な独裁者との壮絶な戦いに、尊き命を捧げられた勇気ある人であられます。
 奇しくも、きょう1月19日は、48年前に、この母上の兄君が殉難なされたご命日であると、うかがっております。
 私は、私たちは、仏法者として、懇ろに追善させていただきたいのであります。
10  親孝行博士に!!
 この母上から、烈々たる「革命精神」を受け継ぎ、若き日より、凶暴な権力に立ち向かい、信念の行動を貫き通してこられたのが、レイナ総長であられます。
 総長は、母上の励ましに応えて、真剣に、誠実に、いかなる試練も勝ち越えて、学生たちのために、見事な大学改革を成し遂げてこられました。
 この事実は、世界の教育界が刮目すべき歴史であります。
 ここに、親孝行の模範があり、そして、偉大なる「母と子」の勝利の劇があると、私たちは、心から総長を讃えたい!〈賛同の大拍手〉
 仏法では、最高の哲学を持ち、実践することが、最高の親孝行になると説かれております。
 〈たとえば「法華経を受持して題目を唱えることが」父母への一切の孝養の最高なのである〉(御書774㌻、通解)、「法華経を持つ人は、父母の恩を報じているのである。わが心には、恩を報じているとは思わなくても、この経の力によって、報じているのである」(同1528㌻、通解)と〉
 きょうは、未来部の皆さんも参加してくれています。未来部がいれば、学会の将来は心配ない。
 皆で、きょうから「親孝行の博士」になることを約束したいと思うが、どうだろうか!〈会場から「ハイ!」と元気な返事が〉
 ご両親に心配をかけては、絶対にいけない。何の努力もしないで、遊んでばかり、文句言ってばかり――それでは、ご両親は、何のために皆さんを育てたのか。かわいそうである。
 ご両親を安心させてあげられる人が、本当に優秀な人なのです。ちょっとした心づかいが大事です。よろしく頼みます!
11  私は“創価の姫”“創価の英雄”
 さて、レイナ総長と私が、ともに敬愛してやまない人物に、キューバの大英雄ホセ・マルティがおります。
 彼は、こう獅子吼しました。
 「民衆はすべて、共通の堂々とした、すばらしい何かを空よりも広く、大地よりも大きく、星座よりも輝いていて、海よりも洋々としたものをもっています。それは人間の精神です」
 その通りです。仏法に通じます。
 この大宇宙をも包みゆく「心」を、一人一人がいかにして磨きながら、わが生命の智慧と力を、社会へ発揮していくか。
 そして、いかにして、「心」と「心」を結び合い、信頼と平和の大連帯を築き上げていくか。
 これが、人間教育、人材拡大の挑戦であり、世界が今、最も求め、大事にしなければならないテーマです。
 正しき信仰の眼目も、ここにあることを忘れてはなりません。
12  きょうは芸術界、またスポーツ界で活躍している友人の皆さんも、出席してくださっている。ありがとう! ご苦労さまです!
 皆の拍手で応援したい。勝ってください!
 厳しい競争の世界である。皆さんは、仕事で脚光を浴びる時も、そうでない時もあると思う。
 あまりに忙しくて疲れてしまっても、損な場合がある。そういう時は仕事が少ないほうが、かえっていいかもしれない。
 ともかく、生き生きと「私は“創価の姫”だ」!「“創価の英雄”」との気概で、頑張ってください。
 我らは精神界の王者! 正義の宝剣を君に託す
13  圧倒的な実力を
 さらにホセ・マルティの言葉を紹介したい。
 私は若き日から、戸田先生の指導のもと、一生懸命、読書に取り組んできました。マルティは述べています。
 「太陽は燃焼しながら、皆を同じ光で温める。しかし、恩を知らない者は、太陽の黒点のことしか話題にしない。感謝できる者は(太陽を)ありがたく思う」
 恩知らずは太陽に対してさえ、悪口を言おうとする。
 ましてや、人間の世界において民衆を照らす太陽の存在は、傲慢な権力者や、卑劣な恩知らずから妬まれる。悪口罵詈される。
 これが歴史の常です。ゆえに正義の青年は、嫉妬や忘恩を圧倒する実力を持たねばならない。
 私は、青年時代から一人で戦ってきました。いかなる迫害にも師子王の心で戦い、勝ってきました。
 だれを頼るのでもない。師である戸田先生のもとで、戦い抜いてきた。
 戦後、先生の事業が破綻し、学会の理事長を辞めざるを得なくなった時も、私はただ一人、先生をお護りし抜きました。
 “私は先生の弟子です。必ず先生に第二代会長になっていただきます。ですから先生は、悠然としていてください”――そうお誓いした。
 そして働いて働いて、膨大な借金を返していったのです。
 やがて先生は、会長に就任されました。しかし折伏は、なかなか進まない。
 当時、多くの支部は、1カ月で数十世帯の折伏がやっとでした。戸田先生は「大作、いよいよ立ち上がってくれ」と言われて、私を蒲田支部へと派遣されました。
 私は支部幹事として指揮を執り、それまでの壁を打ち破って、1カ月で200世帯を超える弘教を成し遂げた。最下位クラスだった文京支部も、第一級の支部へと発展させました。
 そして大阪。負けると言われた大阪で、大勝利を収めました。
 私が負ければおもしろい――東京にはそう思っている、古参の幹部もいた。しかし大阪は勝ち、東京は負けたのです。
 私は、この50年間、すべてにわたって結果を残してきました。仏法の上から、そして創価学会の精神の上から――。
 だが、いざとなると、信念を捨て、逃げ去った幹部もいた。敵と戦わず、自分の保身のみを考える輩もいました。
 大事なのは青年です。人間は、年を取るとずるくなる場合がある。
 だからこそ戸田先生は、青年の私を一番、信用してくださったのです。私もまったく同じ思いです。広布の道に、ついてきてもらいたい!
 ともあれ、私は50年前の師匠の宣言通り、学会こそ「精神界の王者」であるとの証しを打ち立てました。
 きょうは、この正義の宝剣を若き諸君に託したい。頼むよ!〈「ハイ!」と決意の返事が〉
14  人類を照らせ
 貴国の不屈の女性の闘士、ミラバル姉妹は全生命を振り絞って、こう断言しました。
 「だれ人たりとも、民衆の内なる力、そして、民衆の価値観を認めないわけにはいかない。民衆を認めない傲慢な輩は、すべて挫折するでありましょう」
 時代の闇は深い。だからこそ世界は創価の民衆の前進に、旭日の希望を見いだし始めています。世界の指導者をはじめ、文豪や科学者、多くの識者も期待を寄せてくださっている。
 このほど、ウィーンの大音楽家(ジークフリート・アンドラシェック氏)が、私のために素晴らしいワルツを作曲し、贈ってくださった。その題名は「旭日」。旭日ような、創価の満々たるエネルギーと、暗闇を破る光を絶妙な名曲に表現してくださいました。
 どうか、私の大切な、愛する英雄の君たちよ!
 サントドミンゴ自治大学に学ぶ、16万人を超える英才をはじめ、全世界の青年たちと心を通わせながら、英知と勇気の朝日のごとき光をもって、地域を、社会を、そして人類の未来を、燦然と照らしていってくれたまえ!――そう声を大にして、申し上げたいのです。〈ここで名誉会長の提案により参加者全員でドミニカ共和国の万歳、青年部の万歳を三唱した〉
15  強き心で進め
 結びにドミニカの劇作家フェデリコ・ベルムーデスの言葉を、若き諸君に贈りたい。
 「良き魂よ、喜びたまえ! 苦しみは、霧雨のようなものにすぎない」
 「嘆きは不毛である。勝利は戦ってのみ、勝ち取ることができる。ゆえに、雪崩のように迫ってくる逆境や不幸にも、我々は断固たる勇気をもって立ち向かうのだ」
 嘆いても、何もならない。不毛な魂であってはなりません。
 太陽がパーッと輝き、大地には花が咲き、青々とした野菜が実る。
 そういう光景を思わせるような、豊かな、強き心で進んでください。
 「仏法と申すは勝負をさきとし」です。
 戦うことだ。戦わない者は、永遠に敗北者となる。
 戦おう! 心から敬愛してやまぬ「教育の太陽の国」ドミニカに永遠無窮の栄光あれと、私たちは心からお祈り申し上げます。
 ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変に、ありがとうございました!」)

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