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広布第2幕第1回全国青年幹部会 ナワイー市「名誉市民」称号授与式

2007.9.22 スピーチ(聖教新聞2007年下)

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1  サラーム!(ウズベク語で「こんにちは!」)
 男子部は「学会の柱」です。「日本の柱」であり、「世界の柱」だ。
 女子部は「学会の花」です。「世界の花」「平和の花」である。
 そして学生部は「学会の知性」「平和の知性」である。
 きょうは、広宣流布を成しゆく、大事な大事な若き指導者の皆さんとお会いでき、本当にうれしい。
 「広布第2幕第1回」と銘打った全国青年部の幹部会、おめでとう!
 ウズベキスタンの大詩人ナワイーの言葉の一つに、「忍耐はすべてを解決し、拙速は常に失敗する」とあります。
 忍耐があるか、ないか──忍耐強くなければ、勝つことはできない。敗者になってしまう。
 仏法も忍耐の大切さを教えています。
 また、ナワイーは「君が大いなる人格となる時、人生もまた、巌のようにそびえ立つ」と述べています。
 さらに、ナワイーは「わが師匠に百倍の賞讃と栄光でもって、我々は応えていくのだ」と述べている。
 師弟の道に生き抜く。師匠を最大に宣揚していく──これこそ世界最高の、永遠の誉れの人生なのです。
2  美しきオアシス都市からの栄誉
 音楽隊の皆さん、見事な国歌の演奏、ありがとう!〈式典の冒頭、創価グロリア吹奏楽団がウズベキスタン国歌を演奏した〉
 このウズベキスタン国歌の素晴らしい歌詞を作詞された大詩人は、一体だれか。その人こそ、ここにお迎えした、ウズベキスタン作家同盟のオリポフ会長なのです。
 オリポフ会長の友情の詩の一節が、私は大好きです。
 「世界に誠実な友情ほど、かけがえのないものはない。友情には境界や限界はない」──と。
 この尊き大誠実の友情を携えて、「シルクロードの太陽の国」よりお越しくださった、オリポフ会長、またオチロフ駐日大使、ナワイー市のハムダモフ市長、そして懐かしい、ウズベキスタン芸術アカデミーのクジーエフ総裁をはじめ、諸先生方。
 ただ今、私は、鮮やかな緑に包まれた「オアシス都市」ナワイー市から、何よりも意義深き名誉市民の称号を拝受いたしました。本当に、ありがとうございました。
3  憧れのナワイー市には、じつに、80を超える多彩な民族が共生しています。そして、その多様な融合と創造の力をもって、中央アジアの大発展をリードしておられるのであります。
 ゆえに、ナワイー市の名誉市民とさせていただくことは、最も開かれた「平和のシルクロードの世界市民」となることと、私は信じています。
 これほどの光栄はありません。厚く厚く、御礼申し上げます。
4  思いやりの人に
 貴ナワイー市が、その名前に掲げておられるのは、15世紀の正義の信念の大詩人ナワイーであります。
 打ち続く戦乱の世に、民族の友好を願い、民衆の安穏を求めて、文化と教育に尽力した、「平和の原動力」の哲人指導者でもあります。
 「中央アジアのゲーテ」とも讃えられております。
 私が対談した大歴史学者のトインビー博士も、ナワイーを「多芸な天才」(「歴史の研究」刊行会訳『歴史の研究第3巻』経済往来社)と絶讃されている。深い印象を残す言葉です。まさに万能の人であります。
 ナワイーは断言しております。
 「人間を思いやらぬ者は、人間とは言えない」
 「民衆の幸福に、心を砕かぬ指導者を、人間とは呼ばない」
 私も「桂冠詩人」として、この言葉には、心から共感を覚えます。
5  「詩心」の真髄
 「詩心」の真髄とは何か。それは、一切を「人間のために」との心であります。
 自分のためではない。お金のためではない。栄誉のためではない。
 民衆のために、真実を叫び、邪悪を破折し、正義の闘争を忍耐強く貫きゆく魂であります。
 それが学会精神です。
 詩心のない人は、「人間の心」がわからない。
 詩心のない国は、「平和の心」がわからない。
 詩心を燃やさぬ青年は、前進と勝利の息吹を失う。
 詩心を軽蔑する民族は、人間性と人類愛が消える。
 ナワイーの詩心は、生命の讃歌を謳い上げております。
 「大字宙の園に咲く花は、素晴らしい。その中でも、最も香しく咲き誇るもの──それは、生命の花である!」
 わが創価大学には、貴国からお贈りいただいた、このナワイーの像が、堂々と屹立しております。
 英知と情熱を光らせて、偉大な未来を創造しゆく、勇敢な創価の青年の心を、このナワイー像は、温かく見つめてくれているのであります。
 「青年にとって、勇気以上に高い徳があろうか」とは、大詩人ナワイーの若き友への励ましであります。
6  中途半端でなくわが道に徹せよ
 きょうは、日本の、そして世界的な芸術家も集まっておられる。
 芸術部の皆様、そして、スポーツ界で奮闘される皆様、ご苦労さまです!
 皆さんの姿を見ると、元気になる。さらなるご活躍を、大勝利を、全同志が一生懸命、祈り待っています。心から応援しています。
 もちろん、人生には、勝てない時もある。苦難に押しつぶされそうな時もあるだろう。
 しかし、「心」は断じて負けてはならない。
 「将来」は断じて負けてはならない。
 勝つための仏法である。
 格好ではない。まずは真剣に題目をあげてあげてあげ抜くことだ。
 題目を唱えれば、生命力がわき上がり、表情もパッと明るくなる。ジェット機のように、ぐんぐんと上昇することができる。“生命のエンジン”が勢いよく回転していくのである。
 何事も一番を目指せ! 自分に勝て!
 「どうだ! わが勝利を見よ!」と胸を張れる歴史をつくるのだ。そう言える人生は、気持ちがいい。
 信心半分、仕事半分という中途半端では、絶対にだめだ。自ら決めた栄光の目標に向かって、信心に徹し抜き、仕事も練習も、徹し抜くのだ。その人が勝つ。最後に勝つ。
 ウズベキスタンの格言には、「一人の人間が水路を掘り、千人の人間がそれを利用する」とあります。
 我々もまた、そうありたい。青年ならば、皆のために「水路を掘る一人」になってほしい。諸君、頑張ろう!〈参加者から「ハイ!」と力強い返事が〉
7  世界には、多くの有名な詩人がおります。そのなかでも、なぜ、大詩人でもあり、大政治家でもあったナワイーが、格別に光っているのか。
 それは、ナワイーが青年時代から社会に打って出て、難を受けながら、権力の魔性と戦い抜いてきたからであります。また、そうでなければ本物ではない。
 臆病に、ずる賢く、傍観していれば、だれからも悪口されない。世間には、そういう指導者が多いのではないでしょうか。
 しかし、正義に生き抜くナワイーは、傲慢な悪人から、妬まれ、讒言をされた。命を狙われ、卑劣な迫害の標的となった。偉大な人生の歴史であります。
 どんな苦難にも、彼は絶対に屈しなかった。
 その支えは、何であったか?〈参加していた学生部の代表が、「『師匠の存在』だと思います」と答えた〉
 その通りである。ナワイーは、師匠からの励ましによって、何ものにも負けなかった。
 師は、弟子ナワイーが必ず勝利して、偉業を成し遂げていくことを、確信していたのであります。
8  次元は異なるが、牧口先生と戸田先生が、そうでありました。戸田先生と私が、そうでありました。
 戸田先生が、事業の失敗でどん底の時、私は一人、立ち上がった。先生を会長にと支え抜いた。
 当時の幹部のなかには、それまで戸田先生のことを師匠と言っておきながら、「戸田君、戸田君」などと、蔑んで口にする者がいた。
 一面から見ると、これが人間の世界であり、私は、そういう人間と戦ってきました。ゆえに、人間の弱さ、悪の“奥の奥”まで知っています。
 仏法即人生である。
 人間の世界には、親子、友情をはじめ、たくさんの関係があります。
 そのなかで、人間として生きていくための、重要な、根本の方程式を教え、教わる。人類の発展のためになる法則を、継承していく。そのためには、「師弟」しかないのであります。
 「師匠に応えゆく精神」を持つ人は、強い。私もそうだ。恐れない。惑わない。
 ナワイーは叫びました。
 「私は、どこにいようと、民衆を守り、民衆の頭上に掲げられた剣を打ち砕くベく、戦い続けるということを、かの低俗な人々は知るがいい」
 “断じて勝ってみせる!”──これが彼の信念、信条でありました。
 そして、ナワイーが、どれだけ師匠の恩を重んじていたか。
 「人生の真理に到達するために、たった一文字でも教えてもらったなら、何をもって、師匠への恩返しとするべきか。それには、世界のすべての富をもってしても足りない」
 これほどまでに、師匠の恩は大きく深いのであります。
9  学会における本当の師弟は、戸田先生と私の関係にある。
 師弟を観念論にしてしまっては、自分自身が永遠に損をする。師弟に生き抜く中にしか、本当の人生の向上、達成、勝利はありません。
 ゆえに、師匠に対する裏切り者を、絶対に許さない。弟子が団結し、師匠を永遠に守る。師に反逆した者、師をいじめた者を、断じて倒す。私は、この学会精神を忘れてはならないと、強く申し上げておきたい。
 ナワイーは、厳然と言っています。
 「たとえ、全民衆をだましおおせたとて、因果応報の理からは逃れられぬ」
 仏法に通ずる洞察であります。
 ナワイーを迫害し続けた者は、のちに失脚し、悪辣な横領の罪も白日の下にさらされました。
 正義は必ず勝つ。このことを厳然と示しきっていかねば、人間社会は、底知れぬ闇を流転せざるを得ない。正義の勝利こそ、後に続く青年に、希望と勇気を贈るのであります。
10  小さな火花は天を覆い隠せない
 ナワイーは高らかに宣言しました。
 「いかに小さな火花が光りざわめこうとも、天体を覆い隠すことはできない。高潔なる者の旗が、空高く翻る」
 新世紀を創造しゆく、後継の青年の諸君は、大切な、本当に大切な存在であります。
 戸田先生は私を、抱きかかえるようにして育てられ、残された。
 ひとたび不利な状況になれば、皆、逃げてしまった。
 学会の悪口を、わざとマスコミに書かせて、陥れようとする人間もいた。「敵は内部だよ」と、先生が言われていたとおりである。
 しかし、どんなにごまかそうが、仏法の眼で見れば、全部、わかってしまう。私は、「師匠に、勝ってご報告したい!」との一心であった。そして、戸田先生の弟子として、すべてを勝ち越えました。
11  日本は、まだまだ女性への差別が根強い。
 女性は一人も残らず幸せになってもらいたい。困ったことがあれば、信頼できる先輩に相談することだ。
 ナワイーは、女性の存在を、次のように讃えている。
 「この世界が、よき女性の発する清浄な光によって照らし出されるとすれば、それは不思議とするにあたらない。なぜならアラビア語で『太陽』とは女性名詞だからである」(加藤九祚著『西域・シベリア』新時代社)
 まさしく、わが女子部、女子学生部の皆さん方こそ、広布第2幕の新時代を照らしゆく「希望の太陽」であり、「平和と幸福の太陽」であります。
 どうか、清浄無比なる栄光と勝利の創価の未来を、頼みます。
 オリポフ会長の作詞された素晴らしい貴国の国歌は、こう結ばれております。
 「真実を愛する母国よ! 永遠に栄えあれ!」
 この一節のごとく、わが詩心の故郷となった貴ナワイー市、そして、敬愛してやまぬ貴国の栄光輝くご発展を心からお祈り申し上げます。ありがとうございました。
12  結びに、大詩人ナワイーの信念の言葉を、青年部の諸君に贈りたい。
 「幸福の源泉──それは知恵であり、英知の光である。貪欲は、英知なきところに、はびこるものだ」
 「若き日に、堕落した、のんきな生活を送った者は、哀れな晩年を迎える」
 「あらゆる難事の後には、喜びがある。難事なくして喜びはない」
 「完全な心の人間とは、決して動じない山のようなものである」
 すべて、その通りである。
 さらに、大詩人は高らかに謳った。
 「汝よ、信じたまえ! 困難において力となる真の友がいるかぎり、どんな不幸をも乗り越えることができることを」
 人生にとって、大切なのは、友である。親友である。同志である──こう申し上げて、私の御礼のごあいさつとさせていただきます。
 ラフマット!(ウズベク語で「ありがとうございました!」)
 第1回全国青年部幹部会、本当におめでとう。ご苦労さま!

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