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日蓮大聖人・池田大作

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新時代第9回本部幹部会 新時代第3回全国青年幹部会

2007.8.1 スピーチ(聖教新聞2007年下)

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1  「正義合唱団」の皆さん、合唱ありがとう! 上手でした!〈本部幹部会の席上、高等部の正義合唱団が、“大楠公”と高等部歌「正義の走者」を熱唱した〉
 勝負は、「油断大敵」である。絶対に油断してはいけない。
 また、「負けるが勝ち」の場合もある。負けて悔しい経験をした人が、常勝の力を持つようになるのだ。
 負けを知らない人が、いったん負けると、必要以上に落ち込んで、元気が出ないことがある。負けたことのある人間が、強くなる。人生は、いろいろな体験をしたほうがいい。
 全力で戦った一切の経験が、不敗の「常勝将軍」となる“因”となっていくのだ。
2  平和の土台を盤石に築け!
 民主主義の世界では、民衆が主人である。権力者は、民衆に徹して奉仕すべき公僕である。勘違いをしてはいけない。
 世俗の権力者や立場のある人間が偉いと錯覚している社会は、繁栄しない。
 我々は、傲慢な権力を笑い飛ばすくらいの気迫で、「王者の風格」をもって、平和を築く創価学会の土台を、立派に、盤石にしていこう。
 全世界の同志とともに、人間主義の潮流を、一段と世界に広げてまいりたい。
3  恩知らずの者に威張られるな!
 仏法上、一番偉い人は、庶民のために法華経を弘めていく人である。その人の存在が、国の宝である。日蓮大聖人も、伝教大師も、釈尊の心も、そうであられた。
 最も大事なのは「広宣流布」であり、「信心」だ。ゆえに、広布のために戦う学会員を守る人は、諸仏・菩薩の働きとなるのである。
 将来、この方程式をわきまえない、恩知らずの人間に、学会を利用されたり、威張られたりしては、絶対にならない。
4  上半期、常勝関西の友は悠然と勝った。関西は学会の模範であり、中心である。関西万歳!
 〈代表として、お祝いのレイ(花の首飾り)が、関西の中尾婦人部長、また東京の三井婦人部長、高柳全国婦人部長、芸術部の代表、沖縄、北海道、四国、九州、東北、中国の各方面、SGI(創価学会インタナショナル)の女性リーダーに、名誉会長夫妻から贈られた〉
 全国の尊き同志の皆さん、本当にご苦労さまです! 偉大な芸術部の皆さん、ありがとう!
 また特に、婦人部、女子部、そして青年部の皆さんが、活躍してくれた。
 仏に等しい皆様である。同志である。広布の戦に、多少の苦労はつきものだが、互いに慈悲をもって進んでいくことだ。それが仏の道である。
 学会のなかで一生懸命に戦う人は、多くの友から信用され、尊敬されるようになる。
 広宣流布のために、何をやったか。学会活動のなかで、何をやったかが大事なのである。
 最高幹部は、真剣に戦ってくださる人に、“こんなに守ってくれて、申し訳ない”と思われるくらい、皆に尽くすのである。
5  「甲子園」出場おめでとう!
 きょうは、はるばると世界の20の国や地域から、大切な同志がお集まりくださった。
 ようこそおいでくださいました。ご苦労さま。ありがとう! ありがとう!
 アメリカ創価大学の英才の皆さんも参加されている。うれしい。ありがとう!
 そして、未来の創価学会の指導者である未来部の皆さんが参加されている。
 担当の未来部長、そして未来部を守り支えてくださっている、すべての皆さんの素晴らしい献身に、私と妻は、深く感謝しています!
 わが創価高校野球部の甲子園出場、おめでとう! 「創価万歳!」と、甲子園でも、皆で喜び合いたい。
 東京校の甲子園出場は、春夏通算で8度目。すごいことである。
 学園生の活躍は、本当に目覚ましい。さまざまな分野にわたっている。
 先日は、ダンスの全国大会(「ミスダンスドリルチーム ジャパン/インターナショナル大会2007」)で、関西創価高校のダンス部が2年連続日本一! 東京高のダンス同好会が3位に輝いた。
 ダンスも知らないような武骨な人は、ここにはいないと思う。
 また、高校箏曲部は、東西両校そろって全国大会へ。〈東京校が第1位にあたる文部科学大臣賞を受賞した。同校の日本一は6年ぶり2度目〉東京校(中・高)の創価雄弁会、関西高のディベート部も、そろって全国大会へ出場する。おめでとう!
 先日行われた「国際地理オリンピックアジア・太平洋地区大会」には、関西創価高校の平井光城君が日本代表として出場した。
 「物理チャレンジ2007」の全国大会では、東京高の5人が活躍。
 「全国高校化学グランプリ2007」の全国大会にも、東京高のメンバーが出場する。
 文武両道の大活躍は、本当に見事だ。創立40周年の栄光の創価学園に、皆で万歳を送りたい。
6  後継の未来部を皆で応援!
 あらためて、高等部の正義合唱団の皆さん、素晴らしい希望の合唱、きょうも本当にありがとう!
 担当の21世紀使命会の皆様方もありがとう! 本当に立派に育てていただいている。
 SGIに深い理解を寄せてくださった、ブラジルの文豪アマード氏は、こう綴っている。
 「人民は英雄をはぐくみ、英雄は人民の子として、人民の必要に応じて誕生する。そしてやがて、人民の父として、人民と自由の先頭に立ち、その模範、その勇気で人民を力づける」(神代修訳『希望の騎士 革命児プレステス』弘文堂新社)
 学会も、そのような時代に入った。未来の英雄たちが誕生している。若い人々の陣列が、でき上がっている。
 未来部の皆さん方のお父さん、お母さんは、偉大な民衆の歴史を切り開いている。そして後継の皆さんは、若き正義の英雄なのである。
 世界広布の先頭をきる、若き後継の未来部を、皆で応援しよう!
 皆さん方の成長を、世界が待っている。勉学第一を、そして親孝行を頼みます。
7  「助け合う心」「建設の心」を
 御聖訓には「うるわしき日本国」と記されている。
 日本は昔から、春夏秋冬にわたって山川草木が美しい。
 それはそれとして、根本的に大事なのは、そこに住む人々の「心」が美しいか、美しくないかということであろう。
 「美しくない心」──それは例えば、無慈悲、残酷、排他的な心、嫉妬の心、また人を中傷するような心といえよう。
 反対に「美しい心」とは、慈悲の心、助け合いの心、尊敬し合う心、平等の心、平和の心、そして建設の心といえるのではないだろうか。
 ともあれ日蓮大聖人は、「心こそ大切なれ」と仰せである。
 大事なのは「心」である。うわべではない。
 戸田先生も、本当に鋭く人の「心」を見ておられた。天才的な指導者だった。
 私は、その先生のもとで徹底して訓練を受けた。幾多の人間を見てきた。だから人と会っても、その人の本当の「心」がどうなのかが分かる。
 また大聖人は、御書の中で「衆生の心が汚れれば、住む国土も汚れ、心が清ければ国土も清い」との経文を引かれ、清らかな国土といっても、汚れた国土といっても、ただ心の善悪によると示されている(同384㌻)。
 美しい心があって、はじめて美しい国となる。
 最も美しい、最も強い「太陽の心」で、私たちは、時代の闇を明るく照らしてまいりたい。平和と文化の大道を、堂々と進んでまいりたい。この強い心こそ、「仏の心」である。「創価の心」なのである。
8  この上半期、全国の同志の皆様は、本当によく戦ってくださった。なかんずく愛知の友の奮闘に、皆で拍手を送りたい。
 かつてない拡大──皆様は勝ったのだ。ご苦労さま!
 ともあれ大事なのは、朗らかに進むことだ。何があっても、王者のごとく堂々と前進することだ。
 埼玉と神奈川の友も、過去最高の拡大の結果を残された。本当にご苦労さま! 全員が勝利者である。皆様は、断じて勝ったと申し上げたい。
9  新しい息吹が、勝利への力となる。
 かつて低迷していた文京支部。戸田先生は「大作、行ってこい」と支部長代理を、私に命じられた。私は電光石火で手を打ち、ついに弘教で「第1位」となった。私が文京をつくったのである。
 大阪も、山口も、神奈川も、勝利へと導いた。
 私の胸には「戸田先生のご構想を、断じて実現するのだ」との一念しかなかった。
 そのために、だれよりも苦しんだ。
 勝利の土台を築くには、リーダー自身が変わるしかない。意気地なしであってはならない。本気になって祈り、戦い抜くのだ。
10  大地に染みこむような題目を!
 この会合は、新潟県の柏崎牧口記念会館でも放映される。
 柏崎市と刈羽村をはじめ、今回の新潟県中越沖地震で被災した地域の皆様方に、あらためてお見舞い申し上げたい。
 また、地元の牧口圏の友をはじめ、救援と復興に奔走しておられる皆様方、本当にご苦労さまです。
 ドクター部、白樺の皆さん、また炊き出しをしてくださった白雲会の方々など、同志を思う献身的な努力に、私は最敬礼を捧げたい。本当によくやってくださいました。
 そして、震災後も、一日も休まずに聖教新聞を配達してくださっている「無冠の友」の78人の皆様方に、心から感謝申し上げたい。ご苦労さま! ありがとう!
 柏崎は、牧口先生の生まれ故郷である。
 牧口先生は折々に言われていた。
 ──どんな場合も、妙法を根本、信心を根本としていけば、必ず毒を変じて薬となしていける。そして、苦難を乗り越えた時には、以前よりもさらに良くなっていけるのが、変毒為薬の妙法である──
 私も妻も、毎日、一生懸命、一心不乱に題目を送り続けている。ともどもに、わが愛する地域のために、大地に題目を染みこませる思いで、皆の幸福と無事安穏を、さらに強く、深く、祈ってまいりたい。
 リーダーの皆様は、信越の大将軍として、見事なる広宣流布の指揮を執っていただきたい。
 どんな災難があっても、必ず最後は勝つ。全同志を幸福にする。この確信で進むのだ。
 将が弱ければ、皆がかわいそうである。仏法の勝負は、リーダーの責任だ。リーダーの祈りによる。
11  「民衆は永遠」
 韓国の忘れ得ぬ友人に、済州チェジュ大学の元総長、趙文富チョー・ムンブ博士がおられる。
 博士とは、対談集を発刊させていただいた。〈『希望の世紀へ宝の架け橋』『人間と文化の虹の架け橋』の2冊。ともに徳間書店刊〉
 趙博士は語っておられる。
 「たとえば大統領といっても、せいぜい4、5年の影響力しかありません。しかし、『民衆は永遠』です」
 社会的な地位がある人が偉大なのではない。民衆の指導者、民衆とともに生き抜き、歩み抜いた人が、一番偉大なのである。
 そもそも、為政者は、民衆に奉仕すべき存在である。
 そのことを忘れ、傲慢になり、威張り散らすようでは、あまりにも愚かだ。
 そうした人間に対し、厳しく指摘せず、増上慢を許してしまえば、その人間はさらに悪事を働いていくようになる。
 だからこそ、国民が正しい声を上げていくことである。
 約200年前の韓国の大思想家・丁若鏞チョン・ヤギョンは述べている。
 「人間が物事を思う通りに動かし、天地を治めることは皆、勇気の力によるのである」
 すべて、勇気である。自分が心に描く、さまざまなことを実現するのも、勇気である。「勇気」でいこう!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 勇気。これを、戸田先生は最晩年に訴えておられた。「勇気しかない」と言われていた。
 慈悲といっても、それを湧き出すのは勇気である。
 仏といっても、その本質は勇気である。勇気を出して進もう!
12  苦難があるほど明るく、悠然と
 1881年から1936年にわたって生きた、中国を代表する大文豪であり、詩人であり、教育者。
 「阿Q正伝」「故郷」「狂人日記」「藤野先生」などの作品。
 だれのことであろうか。〈会場から「魯迅です」と、すぐさま返事が〉
 その通りです。
 若き日、日本に留学した魯迅は、中国人留学生のために設けられた学校である「弘文学院」でも学んだ。
 この学院では、魯迅が卒業するころから、牧口先生も教壇に立たれている。牧口先生と魯迅には縁がある。
 信念の言論戦を貫いた魯迅には、常に非難・中傷が絶えなかった。
 創価学会も同じである。牧口先生も、戸田先生も、そして私も、数知れない非難や中傷を受けてきた。
 日蓮大聖人の仰せの通り、広宣流布に生きゆくなかで迫害を受けるのが「法華経の行者」の姿である。
 私は、本物の師子である。
 難を避け、安逸にふけるような生き方では、本当の大聖人門下ではない。勝利の人生を歩みゆくことはできない。
 魯迅は、中傷や非難に耐え、生命の危険にも何度もさらされながら戦った。少しも怯まず、悠然と、すべてを見おろしながら、前進した。
 苦難があればあるほど、彼は明るかった。障害があればあるほど、勇気を奮い起こした。本当に偉大な人だ。
 私は、魯迅について、何度もスピーチしてきた。創大生にも語ってきた。〈名誉会長が創立者として創大生・短大生に贈った特別文化講座「革命作家・魯迅先生を語る」は、中国をはじめ各界から高い評価が寄せられている〉
 また、魯迅のただ一人のご子息とも、深い交友を結んでいる。〈「上海魯迅文化発展センター」の周海嬰しゅう・かいえい理事長〉
 さらに私は、「北京魯迅博物館」と「上海魯迅記念館」から要請を受け、両方の「名誉顧問」に就任させていただいている。
13  勝利を目指してどこまでも進撃
 魯迅については、戸田先生から、随分と教わったものだ。
 魯迅は述べている。
 「最後の勝利は、喜ぶ人々の数にあるのではなく、どこまでも進撃する人々の数にある」(須藤洋一訳「こねい奪回祝賀のかなた」、『魯迅全集』第10巻所収、学習研究社)
 その通りだ。
 魯迅は、こうも述べている。
 「うしろをふり向く必要はない。前途にまだまだ道はあるからだ」(松枝茂夫訳「灯下漫筆」、『魯迅選集』第5巻所収、岩波書店)
 この心意気でいこう!
 たとえ、1度や2度、失敗したり、負けるようなことがあっても、後悔することはない。前を向いて、前進することだ。
 続けて、魯迅は訴えている。
 「中国の歴史上に、いまだかつてなかった第三の時代を創造することこそ、今日の青年の使命なのだ!」(同)
 時代を創るのは青年──永遠の真理である。
 青年部、頼むよ!〈会場から「ハイ!」と力強い返事が〉
 私は、戸田先生のもとで19歳の時から“直結”で戦ってきた。
 先生は、「何があっても、大作にまかせる以外にない」とのお心で、信頼してくださった。
 弟子として、師匠に仕えきり、学会を守り抜いた。これが師弟である。
14  最後にもう一つ、魯迅の言葉を残したい。
 「いかにデマを飛ばし中傷しようが、いかに陰謀をめぐらし陥れようとしようが、具眼の士なら一目で見抜き、人を傷つけることもできず、ただいたずらに彼ら自身の卑劣さと人格の無さを暴露するだけである」(近藤龍哉訳「偽自由書」、前掲『魯迅全集』第7巻所収)
 その通りだ。
 デマがはびこる社会は愚劣である。
 仏法の眼で見れば、一切の真実は明らかになるのだ。
15  王者の風格で
 わが創価の同志は、日本中、世界中で、良き市民として、社会に貢献し、深い信頼を勝ち得ている。本当にうれしい!
 私が皆様方の代表として拝受した「名誉市民」等の称号は「537」を数える。ちなみに妻は「173」である。
 そうやって、歴史を残すことが、その地域のSGIの同志を守る力になる。そういう意義を踏まえてお受けしていることを、皆様方には知っておいていただきたい。
 今や日本の心ある識者が「学会は、世界に厳然たる基盤を持っている」等と評価する時代に入った。
 世界に創価の「民衆の城」は、完壁にできあがりました!
 また、学会本部の周辺も、一段と立派に整備していく決心である。
16  きょうは本当にありがとう!
 どうか、お体に気をつけて、心広々と英気を養いながら、素晴らしい夏を過ごしてください。
 一人も残らず、健康で、幸福な人生を送りゆかれんことを、妻とともに、毎日、祈っております。
 朗らかに、王者の風格をもって進もう!
 〈ここで「滝の詩」の合唱が紹介された。
 「滝の如く 激しく
  滝の如く 撓まず
  滝の如く 恐れず
  滝の如く 朗らかに
  滝の如く 堂々と
  男は 王者の風格を持て」
 名誉会長も、参加者もともに歌った〉
 36年前、私は青森を訪れ、奥入瀬の滝を見つめた。そして、滝の詩を詠んだ。それを、東北の同志がずっと歌ってくださっていた。芸術部の方が作曲してくれた名曲である。
 ともあれ、皆さん、お元気で! 海外の同志の方々も、本当にご苦労さま! ありがとう!

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