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日蓮大聖人・池田大作

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新時代第3回本部幹部会 第16回全国婦人部幹部会

2007.1.6 スピーチ(聖教新聞2007年上)

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1  最初に、わが同志の万歳をしよう。
 わが創価学会の同志、広宣流布の同志の万歳を!〈西口総関西長の音頭で、参加者が元気に万歳を三唱〉
 本年もよろしく! 健康で、勝利また勝利の1年であることをお祈りします。
 皆さまがお元気そうで、私は本当にうれしい。
 「大事なこと、それは今、ここにある人生であり、ここにいる人々だ。そうだ! それが今、何よりも大切なことだ」
 アメリカの詩人ホイットマンが、弟子に語った言葉である。
 どこかではない。いつかではない。
 大事なのは、「今、ここ」である。「今、ここ」にいる人々である。
 またホイットマンは、こうも語っている。
 「『同志』――これ以上のものはない」「この同志という絆のほかに、私たちを結束させ、満足させ、大いに成長させるものはない」
 同志の存在が、どれほど尊いか。どれほどありがたいか。
2  苦労してわかる人生の宝の価値
 ドイツの文豪ゲーテは書いた。
 「人生の宝の値打がわかるためには人生の苦労を積まなければなりません」(小栗浩訳「トルクヴァート・タッソー」、『ゲーテ全集5』所収、潮出版社)
 苦労してこそ、人生がわかる。深い喜びも味わえる。苦労のない生活は、良いように見えて、味気ない、薄っぺらなものだ。
 創価の女性の皆さまに、「優れた女性は、事において徹底していなければなりません」との、近代看護の母ナイチンゲールの言葉を贈りたい(湯槇ます監修・薄井坦子他編訳『ナイチンゲール著作集第3巻』現代社)。
 スイスの19世紀の哲学者・文学者のアミエルは「天国も地獄も世界も我々の中にある」と綴っている(河野与一訳『アミエルの日記』岩波文庫)。
 仏法に通ずる見方である。
 またアミエルは、「人を幸福にすることはやはり最も確かな幸福だ」(同)と書いた。
 私たちの折伏の修行は、相手の幸福を願っての実践である。その実践によって、私たち自身も、それ以上に幸福になっていくのだ。
 やりましょう! 古今の哲人が残した英知の言葉は、仏法と表裏一体である。
3  世界に記念植樹
 本日はスポーツ界で活躍する「創価勇勝会」の皆さまも来られている。ありがとう!
 きょうを記念して、よき日に、アメリカのフロリダ自然文化センターに、「創価勇勝会」の木を植樹させていただきたいと思うが、どうだろうか!
 木は「樫」の木を植えてさしあげたい。
 さらに、芸術部の代表の皆さまの木を、フランス総合文化センターに植えさせていただきたい。木は「ブナ」の木である。
 そして、いつも大変お世話になっている通訳・翻訳の皆さまの木を、インドの創価菩提樹園に植樹したい。木は「菩提樹」を植えたい。
4  勝てば楽しい
 戸田先生は、よくおっしゃっておられた。
 ――勝つことは、明るく楽しい。笑顔が美しい。負けることは、暗く苦しい。
 ゆえに人生は、断じて勝たなければならない。負けたものは、哀れだ。負けてはならない。勝ちゆくための信心であり、仏法だ――と。
 我々は勝ちましょう! すべてに!
 日蓮大聖人いわく、「仏法は勝負」である。
 これには、深い深い現実の意味がある。永遠の法則がある。
 学会は、毎年、勝ち進んできた。
 「勝ち負けは 人の生命いのちの 常なれど 最後の勝をば 仏にぞ祈らむ」
 戸田先生が私にくださった最後の和歌である。
 勝つこと、負けること。人生にはいろいろある。もしも負けたときには、“負けるが勝ち”で笑い飛ばして前へ進んでいけばよい。きゅうくつになってはいけない。
 しかし最後は、断じて勝つのだ。御本尊に祈りに祈って、最後は勝たなくてはならない。
5  アフリカ26カ国から晴れの顕彰
 約15年前の1991年11月29日、宗門から、滑稽きわまる「破門通告」が届いた。その同じ日、私は、アフリカ外交団26カ国からの総意として、「教育・文化・人道貢献賞」を受けた。
 将来の希望の天地アフリカから顕彰をいただいたことは、創価の明るい前途を象徴する画期的な出来事であった。
 私は長年の間、「21世紀はアフリカの世紀」と叫んできた。一番苦しんできたアフリカ大陸に、最大の希望と誇りを送っていこうと決め、行動してきた。
 ゆえにその日、アフリカ外交団が勢揃いして、晴れやかに顕彰してくださったことは、何にもましてうれしかった。
 日本は小さい。世界は広い。さらに仏法では、この大宇宙に、地球と同じような幾多の国土が存在すると説く。
 仏法の広大な宇宙観からすれば、嫉妬ゆえの悪口など、あまりにもちっぽけなものである。
 時代は開かれた。今やアフリカ大陸でも、40もの国と地域で、わが創価の同志が活躍する時代に入ったのである。
6  創価教育に高まる期待
 創価大学より、うれしい連絡があった。
 今年度をもって、ついに創大の教員採用試験の合格者が、開学以来、のベ5,000人に達したというのである。
 毎年の合格者数も、16年連続で100人を突破。さらに、6年連続で200人を超えている。
 教育が時代の焦点とされている今日、創価教育への期待が、いや増して高まってきている。
 著名な学者であられる、広島大学の三好信浩名誉教授は、次のような声を寄せてくださった。
 「創大教育学部の30年の歴史に、日本の教員養成の希望の未来を見る思いです」
 「創価大学は今や『教育界における私立大学の雄』の存在になったと言っても過言ではないでしょう」
 温かいご理解に、心から感謝申し上げたい。
 スイスの哲学者 人を幸福にするのが最も確かな幸福だ
 米バークレー市「1・2」を祝福
7  このほど、アメリカ・サンフランシスコの郊外に位置するバークレー市から、「2007年1月2日」を「池田大作SGI平和の使者の日」と宣言する顕彰状が届いた。〈1月2日は、名誉会長の誕生日。幹部会に参加していたアメリカSGIのメンバーから大歓声があがった〉
 ありがとう! アメリカの人は本当に明るく、にぎやかだ。アメリカの皆さまへの感謝を込めて、お伝えさせていただいた。
 バークレーといえば、1993年3月、世界的名門のカリフォルニア大学バークレー校からお招きを受け、チェン総長(当時)と親しく語り合った。
 大学から「教育・平和貢献賞」も拝受し、「ぜひ、バークレー校で講演を」との強い要請をいただいたことも忘れられない。
8  きょうは、「成人の日」を迎える皆さんも出席されている。おめでとう!〈ここで、新成人の代表が立ち上がり、次々と、元気よくあいさつした〉
 ありがとう!
 「声仏事を為す」である。声一つにも、その人が大勢の人を力強くリードしていけるかどうかが、表れるものだ。
 将来、偉くなってほしい。立派な指導者に育ってほしい――そういう思いで、皆さんの姿を拝見した。
 ともあれ、新出発、おめでとう!
 全世界の新成人を祝福して、これから10年間、毎年、よき場所に、記念の植樹をすることを、私は提案したい。
 青年が一番、大事である。「これから」の人だからである。
 もちろん、“老年”が大事ではない、という意味ではない。
 しかし、これからの50年、60年を担い立つ人は、間違いなく青年である。
 青年が大事である。これは、否定しようのない事実であり、法則だ。
 まず今年は、ここ東京牧口記念会館の庭園に「楠」の木を記念植樹して差し上げたい。
 来年の新成人には、イギリスのタブロー・コートに「マロニエ」の木。
 そして、1年ごとに、世界中に広がる“創価のロマンの城”に、1本1本、「新成人の木」を植えていくことを、きょうは提案しておきたい。
9  大慈悲を! 大哲学を!
 チェコの教育思想家コメニウスは述べている。
 「若木の時に 上に高く育ったか 横に低くのびたか 梢が素直にひろがったか 曲りくねったか、それがそのまま成木の姿です」(鈴木秀勇訳『大教授学1』明治図書出版)
 意味深長な言葉である。
 よき若木は、よき大樹となる。青年は、創価学会とともに、未来の天空高く、伸び伸びと、まっすぐに育っていってもらいたい――こう、私は申し上げたい。
 私が、戸田先生の法華経講義を受講させていただいたのは、20歳の時からである。
 先生は、来る日も来る日も、時間を割いて講義してくださった。それはそれは、真剣であられた。
 この講義を受けたときの感動と決意を、私は日記に綴った。
 「戸田先生こそ、人類の師ならん」
 「宗教革命、即人間革命なり。かくして、教育革命、経済革命あり、また真の政治革命とならん」
 「学会の使命重大なり」
 「若人よ、大慈悲を抱きて進め。若人よ、大哲学を抱きて戦え。われ、弱冠二十にして、最高の栄光ある青春の生きゆく道を知る」
 この栄光の道に、きょう集まった若き諸君も、しっかりと、断じて、進んでいっていただきたい。
 頼むよ!〈新成人をはじめ青年部が「ハイ!」と力強く返事を〉
10  「時」の歩み
 芸術部の皆さん、ご多忙のところ、ありがとう!
 芸術部の皆さんがいると、周りが明るくなる。皆に喜びが広がる。
 “幹部の話よりも、芸術部の皆さんの話が聞きたい”と、思っている人も多いのではないか。
 芸術部の皆さんは、ドイツの詩人であり、劇作家であるシラーをよくご存じであろう。シラーは軍医の子で、法律と医学を学んだ。文学に心ひかれ、20歳のころから優れた戯曲や詩を創り始める。
 次々と名作を発表し、文豪ゲーテとも親交を結んだ。シラーが目指したのは、「人間の自由と尊厳」を謳い上げ、後世に残すことだった。
 詩人が見つめた理想は、仏法にも相通じよう。
 文学史に輝く「歓喜に寄す」の詩は、後にベートーベンの荘厳な第九交響曲となって結実する。シラーは、ゲーテとともに、ドイツの国民詩人として、今なお人々に大変親しまれている。
 シラーは述べている。
 「時の歩み方には、3つある。未来はためらいながら近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永遠に静かに立っている」
 よく思索していただきたい言葉である。
11  “願い切ること! これが確実な道”
 ここで、戸田先生のご指導を拝したい。
 まず、50年前の1957年、年頭の言葉である。
 「おのれも大地に足を踏みしめ、はなやかな希望に生きるとともに、世の人たちをも同じく大地に足を踏みしめさせて、人生に晴れやかな希望をもたせようではないか」
 こうした先生のご指導を、私は大切に記録してきた。
 また戸田先生は、婦人部に対して言われた。
 「真剣に、御本尊に願い切りなさい。この簡単な原理が、皆、分からない。これが一番、遠いようで、確実な早道になっていくからである」
 遺言とも言うべきご指導である。
 先生は「大病を患った人は人生の深さを知っている」とも語られた。
 その通りである。
 いわんや、私たちには妙法がある。妙法を唱えている人は、どんなに大変な立場であったとしても、深い、深い、大哲学者であり、大勝利者である。宿命を、必ず転換していける。
 生きていく上で、「生老病死」は避けられない。
 大事なことは、負けないことである。
 もう少し、話を続けさせていただいてもいいだろうか。〈「ハイ!」と賛同の返事が〉
 日本全国の人々が楽しみにしてくださっている。また、世界の皆さんも待っておられる。だから、少しでも語っておきたい。
 疲れたら、寝ていてもいい。自由に、のんびりして聞いていただきたい。
12  確信ある信心を
 戸田先生は指導された。
 「どんな人間であっても、『生老病死』の四苦を避けることはできない。これを唯一、解決できるのが妙法である」
 ともかく、信心だ。表面上、一時的には、たとえ解決していないようであっても、全部、いい方向、正しい方向、幸福の方向、永遠性の幸の方向へ向かっていけるのが、妙法の力である。この偉大な妙法を、日蓮大聖人は、命をかけて残された。
 本当の信心があれば、何も怖くない。必ず幸せを開いていける。初めから悩みや苦労がなく、何もかも幸せであったら、かえって不幸であるかもしれない。
 作家の吉川英治氏は、ある裕福な青年に言った。
 「君は不幸だ。早くから美しいものを見過ぎ、美味しいものを食べ過ぎていると云う事はこんな不幸はない。喜びを喜びとして感じる感受性が薄れて行くと云う事は青年として気の毒な事だ」(『吉川英治とわたし』講談社)
 苦労のない人生は、愚かな人間をつくる。結局、迷走である。
 戸田先生は断言された。
 「本当に御本尊にお願いすれば、病気をする原因が、こんどは丈夫になる原因に変わる」
 これが妙法だ。大事なのは「確信ある信心」である。
 ありがたくも、私たちはせっかく、尊い妙法を受持しているのである。偉大な力を、大いに使うべきである。
13   恩知らず を見下せ
 戸田先生は述べられた。
 「いかなる嵐があろうとも、同志を断じて裏切ることなく進め!
 全人類を幸福にする広宣流布の勝利の日まで、鉄の団結で進みゆけ!」と。
 この恩師の重大な決意のままに、私たちは強く強く進んでまいりたい。
 これまで学会や同志にお世話になりながら、その大恩を忘れ、裏切った人間もいた。非道にも反逆して、広布の和合を乱した人間もいた。こうした、己の欲望にまみれた忘恩の輩など、断じて見下して進んでいくのである。
 「終にほろびざるは候はず」の御金言の通り、正義の学会に反逆した者たちは、一人残らず、苦しみの末路をたどっていることは、皆さんがご存じの通りだ。
14   “師匠の顔”を思い出して
 厳しき言論の鉄槌で、極悪を徹して責め抜いた先生であった。反対に、健気な婦人部、女子部を徹して守り抜かれた先生であった。
 ある時、婦人部の代表に、慈愛を込めて、こうおっしゃった。
 「何事であれ、困ったことが起きたら、創価学会の師匠である戸田を思い出して頑張りなさい」と。
 また、婦人部、女子部に対し、こう激励されたこともあった。
 「信頼ほど強いものはない。信頼を得ることも、強い生命力が根本になる。信仰厚く、生命力で、一切を切り開いていきなさい」と。
 生命力の強い人は幸福である。どんな困難も切り開いていける。地域に信頼を広げていく作業も、根本は、強い生命力によるのである。
 戸田先生は、こうも言われた。
 「女性は女性として、最高の生命力を輝かせて、人生の幸福を満喫するために信心に励むのである」
 題目が大事である。信心で勝つのである。
15   創価の女性を鑑とせよ
 大聖人は、末法において広宣流布に励む者は、「男女はきらふべからず」と仰せになられた。
 男女平等は、御本仏の大宣言であられる。にもかかわらず、女性を下に見たり、威張って命令するような男性幹部がいたならば、とんでもないことだ。絶対に変えていかなければ、学会の発展はない。
 戸田先生はおっしゃった。
 「一番、信用できるのは、無名の庶民である。健気な会員である。
 創価の婦人部のように、女性の方が、いざという時、腹がすわっている。
 勇気があって、恐れがない。
 この方たちを見よ!模範にすべきだ。
 この勇気ある姿を忘れてはならない。常に鑑としていくべきだ。
 この真の勇者に最敬礼をすべきだ!」
 無名の庶民が大事なのである。
 なかんずく、創価の偉大なる女性たちが懸命に戦ってくださったからこそ、今日の学会がある。
 それを無寐にも忘れてはいけない。
 とくに男性は、組織で幹部になるほど、また社会的に偉くなるほど、増上慢になり、人間的に堕落していく者がいる。
 そうならないように、私は、厳然と言うべきことは言い切っておきたいのだ。
 男性幹部は、婦人部、女子部に最敬礼して、「いつもありがとうございます。本年もよろしくお願いします」「私が戦います。どうか一緒にお願いします」と笑顔で、皆に頭を下げて、感謝していくことだ。
 真実の勇者である創価の女性を「模範」とし、「鑑」としていくのである。それが恩師の厳命である。
 学会は、女性を本当に尊敬していけば、さらに今の何倍も発展していける。
 「女性の時代」である。学会も取り残されてはいけない。
 壮年部、男子部の諸君は、この点を、しっかりと胸に刻んでいただきたいのだ。
16   青年よ頼む!
 さらに戸田先生が期待されたのは、青年であった。
 先生は、「広宣流布をするのは、青年の力だ。青年に意気込みがあるかどうかが問題だ」と、きっぱりと断言された。
 青年部よ、頼む!
 断じて、頼む!
 私も青年であった。
 19歳の時から、敢然と戦い、世界的な創価学会をつくってきた。
 どれほどの苦労をしてきたか――とても言葉では言い表せない。
 戦後の混乱期、事業に失敗された戸田先生は、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた。
 そのとき、先生は、学会を支えていた事業の再建を私に託された。
 「大作、頼むよ」と。
 私は誓った。
 「私がすべてやります」「先生は、お体をお休めください。私が断じて苦境を打開します。そして、絶対に先生に、学会の会長になっていただきます!」と――そういう師弟であった。
 ただ一人、弟子が立ち上がり、師匠を守り、師匠に仕え、信念で戦ってきた。すべてに、師弟不二の精神で勝ってきた。
 この最も辛く厳しい時代に、学会発展の楔は厳然と打ち込まれたのである。これが真実の学会の歴史である。
 自分のことになって恐縮だが、将来のために、あえて語っておきたい。
 「良き青年」は、「良き歴史」を創り、幸福である。青年時代の歴史が、最も大切なのだ――と戸田先生は喝破された。
 次は諸君である。本門の青年部が断固として立ち上がる時である。
 青年部、頼むよ!〈「ハイ!」と力強い返事が会場にこだました〉
17   信心で光れ!
 改めて、“創価の太陽”と輝き光る芸術部の皆さまに感謝申し上げたい。本当にありがとう!
 また、友に勇気と感動を贈りゆくスポーツ界の皆さま方も、大変にご苦労さまです!
 皆さまのご活躍を、大勝利の笑顔を、全同志が祈り待っています。応援しています。お元気で、どこまでもお元気で頑張っていただきたい。
 もちろん、芸術もスポーツも厳しい競争の世界であるから、多少の浮き沈みはあって当たり前である。拍手が多い時もあれば、まったくない時もあるだろう。
 しかし、そんなことに、いちいち紛動される必要はない。根本は信心である。
 前に向かって、未来に向かって、勝利に向かって、南無妙法蓮華経と唱える自身の胸中に、すべての勝利は入っているのである。そのことを確信して進んでください。
 ここで、皆さま方の広布と人生の大舞台での大勝利を祈って、勝ちどきをやりたいと思うが、どうだろうか。〈最初に原田会長の音頭で、さらに正木理事長の音頭で、「エイエイオー! エイエイオー! エイエイオー!」と全員で声高らかに勝ちどきをあげた〉
18   魔に対して「声」を出せ
 戸田先生の指導を拝したい。
 「魔に四つあり、病魔、死魔、煩悩魔、天子魔であります。信心させまいとし、疑いを起こさせるものがくるのであります。さあこい、魔などに負けてたまるものかの大覚悟で向かったときは、魔は退散するのであります」
 魔に対しては、戦うのである。
 和合僧を破ろうとする攻撃に対しても、作戦ばかり考えて、黙っていてはいけない。声を出し、叫ぶのである。そうでなければ、卑怯になる。叫び、戦ってこそ、魔はいなくなるのである。
 さらに、戸田先生は述べられた。
 「大目的観を持て、人生最高の大目的観を。生も喜びであり、死もまた喜びである」
 “生も歓喜、死も歓喜”――この仏法の生死観については、かつて私も、アメリカのハーバード大学での講演で言及した。〈1993年9月、同大学での2度目の講演である「21世紀文明と大乗仏教」〉
 人生最高の目的とは、「広宣流布」である。どのような環境であっても、広布のために、との心を、貫き通すことだ。
 ただし、仏法を知らない人に、いきなり「広宣流布」と言っても、わからない。ものには順序があり、時と場所を考えねばならない。御書に「世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり」と仰せであるからだ。
19  牧口先生は、「悪人にどんなに親切を尽くしても、善人にはならない」とおっしゃった。心すべき警句である。
 戸田先生は、「今、威張っている人間が、しまったと思う時が広宣流布だよ」と言われていた。
 社会的立場を利用して威張り、学会をバカにする人間たち。彼らに、「しまった!」「自分が悪かった!」と思わせる戦いをすることだ。
20  本日は、白樺会・白樺グループの方はいらっしゃるだろうか。〈代表が、すぐに立った〉
 立つのが早い。いつも、急患の方にも、素早く対処されているからであろう。
 妙法の白衣の天使の皆さまに、いつも感謝しています。
 謹んで、ナイチンゲールの「朗らかに、そして忍耐強く」という言葉を捧げたい(湯槇ます監修・薄井坦子他編訳『ナイチンゲール著作集第3巻』現代社)。
 ナイチンゲールは、看護師に対して綴った。
 「病人はあなた方に、自分といっしょになって涙もろくなったり泣き言をいったりしてもらいたくはない。
 彼らは、あなた方がはつらつとして、活発で、またものごとに関心を持って生きているのが好きなのである」(同第1巻)
 どうか白樺の皆さんは、朗らかに、聡明に、患者の方や、お見舞いに来た人々に接してあげていただきたい。〈白樺グループの代表が「明るく元気に頑張ってまいります!」と決意を述べた〉
21   「婦人部総会」を大成功に!
 イタリアの大詩人ダンテは、『神曲』に記した。
 「怖れるな。われらの進むを妨げる力は誰にも無し」「わたしはこの闘いに必ず勝つ」と(寿岳文章訳『神曲Ⅰ 地獄篇』集英社)。
 ダンテは、私も若き日から愛読してきた。彼が世界最古の総合大学であるボローニャ大学に学んだことは有名である。
 〈名誉会長は1994年6月、同大学からの名誉博士号授与を記念して、「レオナルドの眼と人類の議会――国連の未来についての考察」と題して講演を行った〉
 今月、全国の津々浦々で婦人部総会が開催される。にぎやかな開催、おめでとう!
 婦人部が、にぎやかに活動する様子が、私はうれしい。皆が元気になる。
 スピーチが進み、“せっかくの年頭の幹部会なのに、名誉会長は婦人部総会について言わないのではないか”などと、心配する必要はない。
 私は、皆さんのことを、どれだけ真剣に祈っているか。幸福と無事故と勝利のために、これまでもずっと会員の皆さんのために尽くしてきた。この心を、これからのリーダーに受け継いでもらいたいのだ。
 また、先月から各地で、婦人部の「マイ総会」の対話運動も活発である。マイ総会――いい名前だ。明るく、楽しく、開いていってください。
 日蓮大聖人は、女性の友情と連帯を、まことに大切に見守っておられた。
 私も同じ気持ちである。
 御聖訓では、身近な地域で、女性同士が常に寄り合い、仏法を学び、励まし合って前進していくようにと、繰り返し指導された。
 「よき友に守られた人生は、絶対に負けない」とは、戸田先生の言葉である。
 聡明に、幸福と平和のスクラムを広げゆく、世界一の婦人部の大行進を、皆で応援しよう! 一切の大成功を、皆で祈ってまいりたい。
22  私が対談を続けてきたハーバード大学のドゥ・ウェイミン博士は、中国思想研究の第一人者として世界的に有名である。博士との対談集『対話の文明――平和の希望哲学を語る』が、このほど完成した。
 博士はかつて、自身の信念を、こう述べておられた。
 「人間は師匠の存在があってこそ、深く人生を学ぶことができるのです」
 師匠こそが、人生の中核であり背骨である。
 世界一流の“達人”の言葉を、皆さまに伝えておきたい。
23  きょうは海外15カ国・地域の尊い同志の皆さま方が参加してくださっている。
 遠くから、またご多忙のなか、本当にありがとう! ご苦労さま!
 特に、アメリカの皆さま! 米・アルゼンチンの皆さま! イギリスの皆さま! 台湾の皆さま! タイの皆さま! 韓国の皆さま! 年頭より、偉大な研修会、本当にご苦労さまです!
 私が19歳で戸田先生を師匠と定め、広宣流布の法戦に身を投じた時、若き生命に深く刻みつけた御聖訓がある。
 それは、「(法華経の大白法、すなわち日蓮大聖人の仏法が)日本国ならびに全世界に広宣流布することも、疑いないのである」(御書265㌻、通解)との御文である。
 私はこの大聖人の大確信を拝し、「よし、そうなのか!」と心に深く決めた。
 そして、戸田先生を師匠として、先生を永遠に世界の歴史に残してみせると決意したのである。以来、60年――。
 時は満ちて、今、全世界の190カ国・地域の大地に、地涌の菩薩が舞を舞うごとく躍り出ている。
 それぞれの国において、堅実にSGIへの理解と信頼が広がっていることは、皆さま方がご存じの通りだ。
 海外では、昨年の1年間だけでも、新しいメンバーが5万人も誕生したことを、ご報告したい。
24  世界を照らせ 仏法の光で!
 このほど、中米のキューバでも、創価学会が政府公認の「宗教法人」として、正式に認可・登録される運びとなった。
 その歴史的な記念の式典が本日、首都ハバナで盛大に挙行される。これには、私が友情を結んできたハルト元文化大臣をはじめ、政府当局の代表、各界の識者が出席されるとうかがった。
 本当にすごい時代に入った。
 大仏法を基調とした、平和と文化と教育の連帯は、これほど深く、大きく、全地球を包みゆく時代となったのである。
 〈ハバナでの式典は現地時間の6日に盛大に行われ、ハルト元文化大臣のほか、池田名誉会長と対談集を発刊したホセ・マルティ研究所のヴィティエール名誉所長らが出席した〉
 “キューバ独立の父”ホセ・マルティは叫んだ。
 「世界を光で照らすための戦いは、すべて喜びとなる」
 世界を仏法の光で照らしていく。それが私たちの戦いだ。すべてが大きな喜びとなっていくのである。
 かつて私がキューバを訪問した際(1996年6月)、カストロ国家評議会議長が最大に歓迎してくださった。私たちの平和の哲学を深く理解してくださった。
 さらに、ホセ・マルティの言葉を紹介したい。
 「世界は待っているだけでは開けない。自分自身が近づいて開かねばならない」
 私も、この言葉の通り行動してきた。世界への扉を開いてきた。
 「『皆とともに、そして皆のためにやろう』。これが私の生涯の指針である」
 学会精神にも通じるものがある。
 「善良であることは、快いことであり、自身を強く幸福にする」
 その通りであろう。
25  強き祈りで!
 最後に、ホセ・マルティの次の言葉を贈りたい。
 「勝とうと挑戦する人は、すでに勝利している」
 私たちも、勝とう! 以上でスピーチを終わりたい。
 皆さん、1年間、またよろしくお願いします。健康で、祈り強く、皆から喜んでもらえるような指揮を執ってください。頼むよ!
 また、海外の方々も本当にご苦労さま! ありがとう! どうか、よい1年間でありますように! お幸せに!
 芸術部の皆さん、そしてスポーツ界で活躍する皆さんも、頑張ってください! 多くの友が応援しています。
 負けた時は、「負けるが勝ち」。あとは全部、勝っていけばいいのだ。
 風邪をひかないよう、気をつけてください。きょうは長時間、本当にありがとう! お元気で!

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