Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

中国・韶関学院名誉教授称号授与式  

2006.6.16 スピーチ(聖教新聞2006年下)

前後
1  一、心より尊敬申し上げる魏中林院長はじめ、韶関しょうかん学院の諸先生方、ならびに、ご列席の皆さま方。
 大中国の旭日昇天の大発展を牽引されゆく広東の天地より、貴・韶関学院の先生方を、わが創価大学にお迎えでき、無上の喜びであります。
 さらに、誉れ高き英知の殿堂である貴学院より名誉教授の称号を賜ることは、私にとりまして最大の光栄であります。
 本来であれば、私のほうから貴学院へ参上すべきところを、わざわざ日本までお越しくださり、感謝の申し上げようもございません。心から深く御礼申し上げます。
2  一、貴学院がそびえ立つ韶関市は、「広東の北大門」と称される通り、広東省と湖南省、江西省を結ぶ要衝として、いにしえより栄えてきた「歴史文化の名城」であります。
 世界的に名高い景勝の丹霞山たんかざんを仰ぎ、北江ほっこうの悠久なる流れを望む韶関の大地は、古来、人々の詩心を涵養し、幾多の優れた文人を生み出してこられました。
 大詩人であり、唐の繁栄を築いた「人民奉仕の名宰相」である、かの張九齢ちょう・きゅうれいも、韶関の出身であります。
 その韶関にあって、この半世紀を貫いて、有為の逸材を陸続と育成され、魏々堂々たる人材の山脈を築き、源遠流長なる人材の大河を流れ通わせてこられたのが、貴学院なのであります。
 貴・韶関学院には、魏中林院長の英邁なリーダーシップのもと、「学生をもって主体と為す」という誇り高き校風が、はつらつとみなぎっております。
 魏院長は、大学教育のあり方について、こう明快に論じておられます。
 「人を育てることを根本と為し、学生をもって主体と為す教育を堅持しよう。一切は学生の発展のためであり、学生を人材へと成長させるためである」と。
 なんと崇高なる人間教育の宣言でありましょうか。
 わが創価大学も創立以来、「学生第一」「学生主体」の伝統を貫き通してまいりました。
 だからこそ、同じ理念を共有する、“兄”たる貴学院と、このように深き友誼を結び得たことは、私どもにとって、これ以上の喜びはありません。
 壮麗なる貴学院の校歌には、「学びに学び、人民の恩に報いていこう」と、高らかに謳い上げられております。
 私は感動いたしました。いな、感服いたしました。
 自らを育み支えてくれている人民の恩を知り、自らが学び磨いた英知をもって、人民の恩に報いていく――ここにこそ、教育の根幹の魂があるからであります。
 民衆の恩を忘れたとき、人間は傲慢になり、畜生道へと堕落してしまう。これが歴史の戒めであります。
3  一、これからも私は貴国からの文化の大恩を、深く青年に伝えるとともに、貴国との交流に、誠心誠意、邁進していく決心であります。
 それこそが、貴院のご恩に報いる道であると信ずるからであります。
 著名な文学者の魏院長は、宋や清の時代をはじめ、古代から近代に至る中国の詩文研究で知られる碩学であられます。
 韶関の地にゆかりの深い、北宋の大文人・蘇軾そ・しょくは、「いにしえの大事を立つる者は、惟だ超世の才(抜きんでた才能)を有するのみにあらずして、亦必ず堅忍不抜の志有り」と訴えました。
 これは、青春時代から私の大好きな一節であり、1968年、貴国との国交正常化を提言するに際して、あらためて心に刻んだ言葉でもあります。
 魏院長はじめ、諸先生方の尊き「堅忍不抜の志」に輝く貴学院が、ますます大発展を成し遂げられ、明後年の創立50周年を晴れやかに飾られゆくことを、私は心からお祈り申し上げます。
 結びに、ご臨席のすべての皆さま方の一層のご健勝を深くお祈り申し上げ、私の御礼のご挨拶とさせていただきます。

1
1